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【女湯事件ボ07】お湯の流れのように。

東京都の大井町駅近く、金春湯さん。
とある日の朝風呂にて出逢った母娘の話。

ここのジェット風呂は
ジェットの勢いが浴槽全体に広がるように配置されている。
あまり多くはない配置だ。

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※撮影許可掲載許可済(浴室での写真撮影は禁止されております)


だから浴槽端にいても、
心地よ~い湯の動きを身体に感じる
ことができる。
川に身をひたすような気持ち良さ、だと思う。
詳しいことはよくわからないけど、
これが「ゆらぎ」とか「α波」ってやつかと。

それに身をひたしながら、
あくびをして、ちょっと目を閉じてみた。
大井町は私の住まいから近くはないから、
多少眠かった。

カランをキュッとしめる音、
シャワーの音、
に混じって母娘の声がする。
その反響がなんとも心地よい。


と、ふと、私の腕にフワッと
何かが触れた。

ちっちゃな お風呂のおもちゃだ。

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「ごめんなさ〜い」
娘さんを抱き抱えたお母さんが
すまなさそうに片手をあげる。


どうやらふとしたスキに、
流されてしまったみたいだ。

「あっ、いえいえ〜」
おもちゃを渡す。
「お姉ちゃん、かわいいね」
「あらかわいいねって笑。
 ○×ちゃん、ありがとうは?」
「ありがとう」
彼女はニコッと笑い、
すぐさま おもちゃに目をうつした。

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微笑ましい光景を目にしたら、
私も幼少期を思い出してしまった。
昔は熱いお湯は苦手だったかなぁとか。

思い出にひたりながら うっとり身体を洗い、
次いでサウナに入ろうとする時、
早々に親子は脱衣場に向かっていた。
そうだよね、お子さまがいたら、
ゆっくりは入れないもんなぁ。

でもとにかく、幸せそうで、楽しそうな親子だった。
金春湯さんは親子向けの
イベントなどもされている。
こうして朝風呂から親子で入りに来るなんて、
なんて素敵だろう。

システムエンジニアも兼業する店主さんが
さまざまなイベントを企画し、
親子のみならずサウナーファンも集う金春湯。
そのポテンシャルを
改めて目の当たりにした気がした。


やすこ。

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