失敗かもしれない
こんばんは。結局母の病院へ付き添いで行ったのに、結果を聞けるのは二週間後だと知り、無意味な代休となった木曜日です。
さて、今日は昨日の投稿の続き、ヨシタケシンスケ展かもしれないへ行ってきたお話です。
そうだこの人、あの人と似ているんだ。
この展覧会を観終えた時、私は氏の作品と触れ合うのは初めてのはずなのに、何故か既視感を覚えたのです。
この人、糸井重里のソックリさんだ。って。
誤解を恐れずに書いた糸井重里のソックリさん。『真似事をしている』ではないんです。ソックリさんなんですよ。
世界には自分と瓜二つな人間が3人はいると言われています。私は今のところ、「ご兄弟ですか?」と間違われた事のある大学の講師はいますが、性格や感覚が似ているという人にはまだ中々出会えていません。
感覚値が近いという意味では、ヨシタケシンスケを教えてくれた横浜の友人は、まさしく近い部分はあるかも。
主題から逸れましたが、私ヨシタケシンスケさんのやっている事って、媒体を文字から絵に代えただけで、糸井重里とやっている事がかなり近いと思うんです。
かたや絵本作家かもしれない人、かたやC級コピーライター。
厭世主義を持っているからこそ見える人の光
私はこの二人どちらも、一度はこの世界に絶望した人なんじゃないかと思うんですよね。はたまた自分に絶望をしたのかもしれませんが。
何となくその感覚は私も持っていて、いや偉大なるお二人に肩を並べるつもりなど毛頭ないのですが、シニシズムとも違うのだけど、ちょっと世の中に対して諦めを持ってしまっている。
厭世主義が一番しっくりくるのかな。世の中を悲観的に見ちゃうタイプ。糸井さんとヨシタケさんはそういう人種だと思うんです。
ただ一度そうした目で世界が見えてしまった人たちだからこそ、表現できる事も多くあると思うんですよね。
ヨシタケさんは、幼少期から偉大なるお姉さんがいた為に、物凄く自己肯定感の低い子供だったそうです。
ただ高校時代に映画の小道具や着ぐるみを作る職人さんに憧れ、芸術系の大学を志すことに。ちなみに小さい頃の夢は大工さんだったそうで、モノづくりというものが好きだったのでしょうね。
しかし失敗を恐れる生き方をしていた為か、大学時代はいつでも描き直せるように絵を薄く描いていて、先生から「お前良く合格できたな」と言われたり、就職したゲーム会社でも水が合わず、半年でその会社を辞める事に。
つまらなかった社会人時代や、その後もグチのようなセリフ付きのイラストを描きためていきました。
また、私は糸井重里さんが総監修したゲームMOTHERが全てのRPGの中でも最も大好きな作品なのですが、この人が喋らせるNPCも、どこか世の中を皮肉っているんですが、凄く刺さる言葉が多いんですよね。
私はこの二人、(糸井重里さんの方はあまり詳しくないのだけれど)一度絶望を味わっているからこそ、ちょっとヘンな人も含めて世の中の人全てが輝いて見えているんじゃないかなーと思うんです。
大袈裟じゃなく、世の中にいらない人間なんて一人もいない。何よりも自分自身を肯定したくて、そう言っているお二人な気がするんです。
昔からMOTHERが好きで糸井さんの事が好きだった私だから、ヨシタケシンスケさんがすんなり自分の中に取り込めた。
そんな気がするんです。私がそう感じているだけかもしれない、私の中での共通点。
良い出会いができました。
私の行く末と、失敗だったかもしれない
展覧会を見終えた後にあるお土産コーナーで、私にしてはかなり珍しく、何かTシャツほしいなってなったんです。ヨシタケ氏の過去作『おしっこちょっぴりもれたろう』の一幕を切り取ったTシャツ。
セリフがぐっときたんです。価格は3800円!高い!私が着ているTシャツの中では最も高価なものになる!ヨシ!これを一張羅にしよう!
基本白黒しか着ない私にとって、黄色はかなり攻めた色。満を持して購入。
私の目が腐っていたのでなければ、たしかにXL表記のあったものを手に取ったはずなんです。
しかし、お子さんをお持ちの方ならもう気がづいているでしょう、私の失敗に。
そう、これ子供用なのだ!!!34歳独身のワタシが、自分へのご褒美として3,800円のTシャツを買ったのだ!
半ば強引に姪っ子に着てもらう算段をつけたので何とか気持ちに整理をつけられたけど・・・展覧会へ行ったのは、失敗だったかもしれない。
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