フィクションに求められるもの

 こんばんは。本日の我が街は雨時々雪。今週末は寒波が来るようで、かなり冷えるようですね。警戒していきましょう。

 ネタに困った時に解放しようと思っていたオススメ漫画紹介。
その名も『モブ子の恋』

#推しの恋愛マンガ

 ここ最近読んだ中では、トップですね。1月20日に最新刊である15巻も発売予定です。
 コミックゼノンでも最新話と冒頭3話は読めるようです。

同僚との会話

 「ドラマもどこかで見たことあるシチュエーションばっかりでさー。もうちょっと食傷気味だよねー。」
 
 ドラマは朝ドラしか見ない私ですが、言わんとしている事は分かります。例えば今の日曜夜9時からやっているドラマ『Get Ready!』、
 公式ホームページに載っているあらすじがこちら。

多額の報酬と引き換えに手段を選ばず患者の命を救う正体不明の闇医者チーム!チームを率いるのは妻夫木聡が演じる孤高の天才執刀医・エース!エースが患者を選ぶ基準はただひとつ・・・
        "お前に生き延びる価値はあるのか?"

https://www.tbs.co.jp/getready_tbs/about/  Get Ready

 すっごい既視感ですよね。どこかで見たような、いや読んだ事があるような設定。
 でも視聴率2桁いってるんです。あの枠が期待されている放送枠という事もあるでしょうが、良い数字ですよね。

 もう一人の同僚はこう言っていました。

 「結局手を変え品を変え、今の若い世代の子たちの為に古典をやり直してるって感覚なんじゃないですかね」

 うん、そうなんですよね。新しいアイデアとか新機軸のストーリー性って、もう中々生まれようがないんだと思うんです。

 その上で私がフィクションに求めるもの、それは

9割が嘘でも、1割の共感が得られれば充分。

 正確には9割9分でもいいです。1分だけでも共感できればもうそれでいい。リアリティが欲しい場面は勿論あるけれど、作り物の世界でそれを求める際は軸が重要。

 例えばこの『モブ子の恋』という作品は、広島のとある大学に通いながら、スーパーでアルバイトをする田中信子(モブ子)と、信子と一緒のスーパーで働く大学生の入江くんとの恋模様を中心に描いた物語。

 人によっては、
・展開が遅い
・大学生の男女の恋愛がこんなはずない

と思う人もいると思います。私もそう思いますしね(笑)
付き合い始めるのが4巻の中頃、キス以上のこと(作中表現)をするのが13巻です。作中でも2年ほどの月日が流れてようやくです・・・!

 そんなわけねーだろ!とツッコミたくなりますが、信子と入江君なら・・・まあそういうカップルもいるかあ。と納得させてくれるのがこの作品の素晴らしいところ。

 そもそも付き合う前の信子は、何回か同僚と一緒に出掛けたり、二人きりでのデートを重ね、好きだった入江くんと「普通に話せる」という奇跡を手に入れます。
 しかし、後輩の阿部さんに「恋に"このままずっと"なんてないんです。」
と言われ、自身の入江くんへの想いを改めて自分に問い直します。
 
 大学の親友であるふみちゃんにも背中を押され、告白を決意した3回目のデートの時、意を決してオシャレする信子。普段は自身を"脇役(モブ)"と称する信子にとっては、髪の毛を後ろで結んで、日焼け止めやリップなど、自分には無関係と思っていたモノに手を出します。

  とにかくこのモブ子の恋という作品は、特別なことは何一つ起こりません。リアルといえばリアル。どこにでもいる一般人がちょっとかっこいい彼に恋をして・・・なんていうのは漫画に限らず、恋愛フィクションの王道です。

こんな日はもう少しだけ勇気を出してもいいだろうか
ずっと名前のつけられなかったこの気持ちを
今なら恋と呼んでもいいだろうか

モブ子の恋 第一巻 第一話 田中信子

 でも台詞回しや表現がとにかく上手。私は1話のこのモブ子のモノローグで心を鷲掴みにされました。

 ネタバレをそこそこしてしまいましたが、そこに至るまでの過程を皆さんには楽しんでいただきたいです・・・!文句なしにオススメの1冊。

 是非、お手に取ってみてはいかがでしょうか。

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