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読み手の立場や境遇で、文章の捉え方や理解度はガラッと変わる【sentence YMO会レポート vol.2】

こんにちは、sentenceコミュニティマネージャーの中川です。3月からコミュニティ内で取り組み始めた、相互原稿フィードバックのYMO会!初回からワイワイと盛り上がり、あれよあれよという間に第2回目をオンラインで開催しました。

今回のYMO会では、メンバー2人から「自身の趣味とその魅力に関するnote」「自身の半生を振り返る書籍原稿の一部」を共有していただきました。会の中で生まれたフィードバックや学びをシェアできればと思います!

YMO会とは?
sentenceでは原稿のスキルアップに向けて「YMO会」という集まりを開催しています。YMO会は、原稿における「Y・M(佳き・モヤっと)ポイント」を複数人で見つけ合ってディスカッションし、最終的にそれぞれが今後の執筆での成長課題「O(推して参る)ポイント」を策定、スキルを磨いていくための会です。

テーマが個人的・ニッチなものは、説明や描写を具体的に

1本目の記事では、自身の趣味であるパラグライダーに惹かれたきっかけと、その魅力が綴られたnote記事を取り上げました。

子どもの頃は体育が嫌いだったという筆者。「大人になってから空を飛ぶスポーツにはまるなんて、その頃の私は夢にも思わなかった」と話す筆者が、なぜパラグライダーを始めたのか、何を楽しいと感じているのかが丁寧に書かれていました。

「Y(佳き)」ポイントとしては、「自己の具体的な経験とそれに付随する感情がうまく言語化されている」「情景描写が具体的で、その場面をイメージしやすい」「『〜だった』という文末表現をほど良く使うことにより、リズム感の良い文章になっている」といった意見が上がりました。

一方、「M(モヤっと)」ポイントでは、「構成」に関する指摘が多数入りました。筆者はパラグライダーに惹かれる理由として、「読書に夢中になる感覚と似ているから」と説明。その流れで「パラグライダー」と「読書」の話が交ざっている箇所があり、「パラグライダーの話をしていたと思ったら、読書の話だったので混乱した」というコメントが入りました。

熱の入る文章ほど、一度に多くのことを話したくなりがちです。「一つの見出しに複数のトピックが交ざっていないか」「話が突然飛んでいないか」は、構成を確認する着眼点として持っておくと良さそうです。

読み手の立場や境遇によって、気になるポイントは変わる

2本目は、執筆者本人の半生を振り返る書籍原稿の一部を取り上げました。原稿では筆者の幼少期にスポットライトが当てられ、生まれ育った街の様子や、家族にまつわるエピソードがありありと描写されていました。

文章のカメラワークが素敵で、まるで映像を見ているかのような感覚になった」「著者の出身地を訪れたことはないけど、描写が丁寧でどんな街が想像しやすかった」など、視点の流れや表現力に関して参加者から多くの「佳き!」が飛び交いました。

先ほど紹介した1本目の記事もそうでしたが、取り上げるテーマが個人的なもの、ニッチなものである場合は、それに関する知識がない人でも読み進めやすいように、具体的な説明や描写を丁寧に書くといいのかもしれませんね。

また、記事中では筆者の母親についてよく語られているにも関わらず、父親の情報が少ないことに関して、あるメンバーからは「自分が父親なので、『そういえば、お父さんはどうだったのだろう……?』と気になりました」とコメントが。

加えて「方言」に関する記述のところで、「標準語圏で生まれ育ったので、方言が身につく感覚などが分からず、スッと理解できなかった」という意見も。

読み手の立場や置かれている状況によっても、文章を読んでいて気になるポイントは大きく変わってくるのだなと、私自身学びになりました。

今週の推して参るポイント

以上、第2回目のYMO会で得た学びポイントでした。お二人の原稿の「Y(佳き)・M(モヤっと)」をフィードバックし、そこから得た「O(推しポイント)」をまとめます!!

● 構成を確認するときは、一つの見出しに複数のトピックが交じっていないか、話の流れが飛んでいないかに着目する
● 取り上げるテーマが個人的なもの、ニッチなものである場合は、それに関する背景知識がない人でも読みやすいよう、具体的な説明や描写を心がける
● 読み手の立場や境遇によって、文章の気になるポイントは変わる。「この文章を届けたい相手は誰なのか?」を常に意識し、相手の立場から文章を見つめ直すと佳き

参加者のみなさんから届いた貴重な「O」も紹介します!!!

● 次からは、文章を書いた後に、全体の構成・フローを確認するステップを入れようと思います!
● 言葉を一つ置いてさらっと流すんじゃなくて、深掘りする言葉も足して書くように心がけたいです
●「悲しい、辛い、楽しい、面白い」などの感情を具体的な行動や所作で表した方がすっと入ってくるし、共感もされやすいなーと感じたので、日頃からそういう所作にも注目して言語化できるようにしていきたい

終始ラフにお互いの意見を交換し合うなかで、今回もたくさんの尊い学びが生まれました。初回から感じていたことですが、「Y(佳き)」「M(モヤっと)」「O(推して参る)」といった言葉の柔らかさが、会の雰囲気を和やかにしつつ、密度の高いフィードバックを生み出している気がします。言葉の力って、本当にすごいです。

sentenceでは継続して、定期的にYMO会を実施しています。普段原稿にフィードバックをもらう機会がなくて困っている方、第3者視点で文章を見る力を養いたいという方は、お気軽にご参加くださいね〜〜〜!!


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