伝わる記事は、細やかな佳(よ)きでできている——【佳き記事分析会 イベントレポート】
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伝わる記事は、細やかな佳(よ)きでできている——【佳き記事分析会 イベントレポート】

慌てて毛布、着込みました。こんにちは、sentenceメンバーの飯島綾太です。肌寒い日が増えてきましたね。特に冷たい風が吹く日は、つい毛布を引っ張り出したくなります。寒がりなんで。家で一人働く寂しさも、少しは和らぐ気がします。

さて今回は、先日コミュニティ内で開かれた「佳き記事分析会」の様子をご紹介します。

記事の「佳き」要素を知りたい!

sentenceは、メンバーからのイベント企画もウェルカムなコミュニティです。「佳き記事分析会」も運営の方ではなく、メンバーが持ち込んで実現した企画。主催してくれたメンバーさんは会の案内をしてくれたとき、こんな風に説明していました。

みんなで「佳(よ)き!」と思える記事を分析しあう「佳き記事分析会」。佳き記事ってどういう記事のことを言うんだろう? 佳き記事には、どんな要素が必要なんだろう? 自分で文章を書いていると、何が佳い記事なのかわからなくなることってありませんか? 「それならみんなで佳い記事を分析して、どんな要素が隠されているのかを探してみたら良いのでは…!」とはじまったのが「佳き記事分析会」です!

※sentenceでは「良い」ではなく、「佳(よ)い」という表現がよく使われます。「良」の字を使わないのは、「そもそも書かれた原稿は比較対象なく、そのままで尊さをもつ」という感覚を大切にしたいから。「すぐれてよい」の意味をもつ「佳」を使っています。詳しく知りたい方はYMO記事のFAQで探してみてください。

たしかに、普段文章を読むときも意識していないと、「この記事なんかいいなー」で通り過ぎてしまうもの。特に寝転びながらnoteを漁っているときの感想は「エモい」くらい。「一人じゃ細かく考えながら読まない私にぴったりなイベント!」と思い、参加を決意しました。

今回分析したのは、sentenceの運営メンバーであり、フリーライターとしても活動する西山 武志さん執筆のインタビュー記事『何のため、誰のための変革か。“共生・共創”を貫くハードオフのデジタルシフト』です。

掲載元の「DRIVER」は、「それぞれのローカルでビジネスと向き合い、先駆ける実践者たちの事例を紹介」するメディア。地域でビジネスを営む人はもちろん、働くうえで大切にしたいマインドセットや姿勢のヒントを得られそうです。

当日は11名が参加。お仕事としてライターをしている人、そうじゃない人、顔ぶれはさまざまです。佳き文章を書きたい人たちが、記事の佳きと思った点をコメントしてからオンラインで集まり、感想や気づいたことをシェアしました。

どんな佳き要素が隠されているのかを探している様子がこちら。

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Googleドキュメントを使って、フレーズ単位にコメントを入れています。「Y:」とついているところが、佳きと思ってコメントを入れているところです。

多くの人に「自分ごと化」させようとしている?

特に印象的だった内容を2点紹介します。

1つ目は、「この表現の意味や効果ってなんだろう」という疑問から生まれたやりとり。

例えば、「要所をつかみやすい表現で構成されている」「ビジネス記事なのに、全体的に平易な言葉を使って密度の濃いものを書いている印象」という感想が出ました。この感想も、意見が交わされる流れて出てきた言葉でした。

Aさんターゲットを広くとっているのかなと思いました。ビジネス記事だとカタカナが見出しにあることが多いと思うんですけど、ビジネス用語を少なくして経営に携わってない人にも読みやすくしていると思いました。
Bさん:あ、それ、多くの人に自分ごと化させようとしていそうと思いました。リード文でほとんどの人がなんとなく感じていることを投げかけているんですよね。ここがいい働きをしていて、広く共感を得ようとしている印象を受けました。
Cさん:たしかに。メディアとしての対象読者はありますけど、ビジネスに関わっている人がどこか共感できるようなリードの書き方や、見出しの工夫が見えました。よりたくさんの人に読んでもらわねばという責任感を感じました。

「DRIVER」は主にローカルでビジネスを営む人に向けた媒体です。媒体が新しく、まずは認知を広げたいこともあり、特定の分野の人にだけ伝わるような言葉選びをしない。これから学び始める人にもわかるように、必要なら補足も入れる。そんな佳き要素が隠れていると思いました。自分はなんとなく読みやすいなと思っていただけだったので、目から鱗の気づきでした。

「インタビュイーが『フランチャイズ』のことを『フランチャイズ“さん”』と話しているように、相手の人柄や思想が反映されているであろう特徴的な表現も見落とさないところがすごい」というコメントを受けて、読み飛ばしていた人がなるほどと膝を打つ場面もありました。

印象的だったやりとりの2つ目は、「事前にインタビューや準備の段階でどんな準備をしたら、インタビュー中にこの言葉を引き出せるのか」といった話。

例えば、インタビュイーの「『僕らの商売は、社会のため、お客さまのためにある』という力強い発言は、どうやって引き出したのだろう」という感想から話が広がりました。

Aさん:この言葉をどんな文脈、どんな質問で引き出して、何を根拠にここに配置したのか気になりましたね。
Bさん:インタビュイーの方はこれまでもたくさんインタビューを受けているようです。著者の方は参考になる記事をたくさんチェックされてたかもしれませんね。だからこそ、タイトルの「共生・共創」のところは、インタビュー前から検討をつけられていたのか気になりました。ゴールが見えて質問に臨んでいたのか、このゴールを見つけるために質問の角度を変えながら臨まれたのか。
Cさん:インタビュイーの方は過去にも「共生」について話していたみたいです。別の記事で見かけました。その記事を見て、あたりをつけてから質問していたかもしれませんね。

私自身はインタビューをした経験はないものの、インタビュー前のリサーチが徹底されていそうなことは伝わってきました。インタビュー記事ではなくても、書く前の準備や引用の前後で真似できそうなことがありそうです。

こんな風に、掛け合いの中で個人が疑問に思ったことや知っていることをその場のみんなでシェアしていきました。

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(取材をするときの疑問についてコメントされた部分)

参加者の感想を少しだけご紹介します。

ものすごく密度の濃い時間だった。自分一人で読んだときはなるほどと思っただけだったけど、他の人のコメントを見たり議論をしたりする中での気づきがたくさんあった。今後の自分の文章でも活かしていけることがたくさんありそう。
とても綺麗な文章で、すーっと読み流してしまった。自分でもどうしてこの表現で書かれたのかをもっと深堀りして見直していきたいと思った。
これから他の文章を読む際にも、「この言葉を書くまでにどれだけのことをしたんだろう」と思いを馳せていきたい。同じ表現1つとっても、考え抜いて意図をもって置かれた言葉の重みは違う。自分も大事にしたい。

私自身も他の人の感想やコメントを受けて、自分では見落としていた視点に気づくことができました。「全体的に平易な言葉を使っている」点は、言われて「たしかに!」となったところです。見出しやリードの書き方なども、今後書く文章で意識できそうなことがありそうと思いました。

おわりに

それは現実のすぐ隣で、家族と談笑するような温かさにも近い感覚だったかもしれません。佳き記事分析会では、どんな意見でも尊重してもらえそうな雰囲気を感じました。誰かの意見が正解として広まるのではなく、参加者一人ひとりのコメントや問いがシェアされて、互いの学びになっていたからだと思います。

みんなが先生にも生徒にもなれる

sentenceの理念のひとつ「みな師」について、sentence運営の中楯さんがsentenceの理念を紹介する動画内で言っていた言葉です。

自分の感想が誰かの学びにつながるような感覚もありましたし、他の人の感想を聞いて自分が気づけたこともたくさんありました。「書く」ことを仲間と共に学べる尊い場にいられたことをうれしく思いましたし、次の分析会が楽しみになりました。

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