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薄い文庫本を作った話1

どうして薄い本を作りたいか、ということを書きだすと5回くらいかかりそうなので、ここは状況説明とテクニカルなお話をメインに進めていきたいと思う。

理由はさておき、薄い文庫本がどうしても作りたくなった私。
日頃短歌をメインの表現方法として選んでいる私の憧れは、文庫で歌集を作ること。これに尽きた。

①まずは作りたい本のイメージを固める。

本を作る、と言ってもど素人なので、なんのイメージもない。
最近買った歌集が岩波の西行法師全歌集という有様…
とりあえず今時のトレンドをつかむべく、近年の歌人の本を片っ端から図書館で借り、装丁やページ構成、配置、ページ番号(ノンブル)の打ち方、あとがき、気になったものを全部写メしまくる。
文庫が作りたいというざっくりしたイメージはあったものの、とにかく場当たり的にいいなと思った歌集はハードカバーでも借りてきて、情報源とした。

同時に今様の短歌同人誌とはどんなものかという市場調査も必要だと感じ、手っ取り早くpixivで短歌を発表されている作家さんの作品をboothで2冊購入。人生初の同人誌購入。でも大当たり。
刀剣系の作家さんだったけど、その世界観を知るには素晴らしく、刀剣男子を知らない状態でも、ひとつの作品として十分に楽しめたのがよかった。
ここで薄い本の相場や、同人誌の装丁などの感覚もうっすらとつかむ。

このふたつの作業を経て、ようやく自分の作りたいものの形がうっすら具体化したような気がした。

ゼロから新しいものをつろうなどというのは天才のすることなのだ。
凡人には凡人のやり方がある。不惑のババアはそのしたたかさと厚顔無恥さでもって、美味しいところをかいつまんでいく。

最初から100を求めるな。70でいい。なんなら0でもいい。失敗を知ったのなら、それだけでも価値がある。

やたらとポジティブな感じで本作りが始まった。

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