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<戦時下の一品> 勤労報国うちわ
先日、さまざまな商店の軍の御威光を利用するようなうちわを紹介しましたが、これはまさに、家庭の台所で、商店で、火や熱いものを日常に使う場所で使われるタイプのうちわです。
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時期的には、日中戦争の初期ごろかと思いますが、確定はできません。竹の骨、和紙、縁もきちんと処理。そして全体に渋がペラっと塗ってあります。風化したのか、これがスタンダードなのかは分かりません。なんとなく、渋を節約したような雰囲気はいたします。
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無地のうちわに「勤労報国」とあるだけ。まさに、職場で使うには的確なデザインだったかもしれません。ただ、どこまでも「報国」なのが、戦時下なんですね。「自分のため」「家族のため」「地域のため」「社会のため」ではなくて、「国のため」がすべてを支配していたことを物語る資料として、価値があるかと思います。
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