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自殺を止めた父の一言

タイトルが重たくてごめんね

少し長くなるから時間がある時でいいからね




・・・時間があるのね?

じゃあ私の物語を少しだけあなたに伝えます


小学校6年生のちょうど今頃

夏休みの終わりが見えた頃

私は「もう楽になりたい」と思っていた

理由は本当に浅はかで

「クラスのあいつに会いたくない」

「夏休みの宿題が終わっていない」

「なんとなく生きるのが辛い」

そんなことを思っていた

子供ってそんなもんだよ



っていうのは嘘

本当はいじめられていたから

子供の何となくは全部うそ

絶対何か絶対的な理由がある

私はいじめだった


2学期が始まるのが怖かった

その子が怖いのではなくて

教室という閉鎖的な場所に

1日入れられるのが怖かった

だって大人は助けてくれないんだもん

だって大人は見てくれないんだもん

子供ながらに自分の身は自分でしか

守れないことを学んだ

でも限界がある

だって子供だもん

だから

自殺という方法で自分を守ろうとした

大人の私は馬鹿だと思うけど

子供の私にはそれしかなかった


自分で色々と図書館で調べた

楽に死ねる方法

「百合の花をベッドの下に敷き詰める」

「何でもいいから薬を大量に飲む」

「高いところから落ちるのが確実」

でも痛かったり苦しかったりするのは嫌だな

「電車はやめとけ親に迷惑がかかる」

「車で轢かれるとすごく痛い」

「リストカットが結局無難」

図書館のボックスのパソコンで

本当に物騒なことを調べていた

私は結局リストカットに決めた


でも親は凄い

子供が何をしているか全部バレてる

これを読んでいるそこの未成年

親は全部知ってるからな

部屋でこそこそしていることも

エロ本の場所も

携帯で見ているふむふむサイトも

全部知っていて黙ってるからな

話を戻そう


家族で毎年旅行に行く

その日は家に私だけになる

その日を狙おう

そう決めた

お湯を張って

カッターで手首を切って

あとは湯船に浸かるだけ

痛いのは最所だけ

そう決めた


「旅行には行かない、6年生にもなってダサいし」

「みんなで楽しんでおいで」

父にそう伝えた

「わかった」

そっけない返事が返ってきた

こいつ本当にそっけないな

私はこんなそっけない人間には

なるものかと思った


そこからは忙しかった

「ばあちゃんに手紙を書かないと」

「あ、じいちゃんにも」

「親友は2人しかいないけど、一応会っておくか」

「猫は寂しがるだろうから、もふもふしとこう」

「あ。あいつら捨てないと」

「夏休みの宿題は死ぬからもういいや」

「先生は…まぁいいか」

「クラブの先生にもお礼言わないと」

時間はあっという間に過ぎた

死ぬと決めると人は急に優しくなる

妹のわがままも気にならなくなり

兄の暴力も気にならなくなる

子供ながらに感情から解放される

という感覚をここで覚えた


旅行の前日になった

私にとっては最後の夜

父に呼ばれた

「ちょっと私の部屋にきなさい」

背筋が急に寒くなった

何何何…なんかしたっけ

足がすくむ

でも行かないと

まぁ別に何かで怒られてもいいや

今日で最後だし

そう自分を鼓舞して

父の部屋に向かった


タバコの匂い

たくさんの漫画

プレーステーション2

懐かしい、いつぶりだろう

「そこに座りなさい」

これは説教ではないな

そもそも父が説教をしたことは

本当に数えるほどしかない

その一回を引くほどのこともしていない


『何?なんか悪いことしました?』

「いや」

『じゃあなんで呼んだの?』

「話をしようと思って」

『だから。なんの?』

「休めばいい」

『はぁ?』

「学校休めばいい」


頭が真っ白になった

『何でそんなこと言うの』

「全部知っている」

『全部って?』


「学校が辛いことも」

「家でも辛いことも」

「一人で戦っていたことも」

「大人に怒っていることも」

「死のうとしていることも」

「全部知ってる」


息が苦しくなった

言葉が出てこなかった


『もう無理しなくていい』

『行くことにこだわらなくていい』

『休めばいい』

『今いる場所が全てではない』

『たった一部なんだ』

『お前の人生という歴史の中の』

『学べる場所は学校だけではないから』

『自分の好きなところで学べばいい』


父の不器用な言葉が

私の縦線に少しずつ触れる


父の不器用な声色が

私の横線に少しずつ触れる


そこからのことはあまり覚えていない

ただただ涙が溢れた

ただただ嗚咽が止まらなかった

涙は感情を整理するためにあるのだから

それはもう…ね。


でも結局

学校に行った

普通だった

子供の世界なんてそんなもの

もしかしたら

大人が動いてくれたのかもしれない

けど私は心が軽かった

家という居場所ができたから

何か嫌なことがあっても

早く(安全な)家に帰ろうと

思えるようになったから


子供は学校が辛いから

自殺について考え


子供は家でも辛いから

自殺をしようとする


2つの鬼門があるのだ


だから家族が一言

『逃げてもいいぞ』

『休めばいいぞ』

『一緒に考えよう』

と不器用な言葉で

子供は案外、大丈夫になる


もちろん

これは私の場合の話

万物に通ずるわけではない

でも夏休みが終わる前に

お子さんに

『休んでもいい』と

伝えてあげほしい

隠すのが上手な子供もいるから


家族に相談できないなら

私に言え

私は強いから

でも救えはしない

人は自分で救うしかないから

でも話を聞くことはできるから

死ぬほど辛くて家族に言えないなら

私に言え


ここまで読んでくれたあなたが

大好きです


最後に下にハート押してくれたら

泣いて喜びます



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