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自分のために祈るとき

5クール目のEMACO療法入院中です。

大きな骨髄抑制なく、予定通り治療ができています。

吐き気も

治療に途中から出してもらった一時的な精神薬のおかげで、ほとんどなく。

(もっと早くから使っておけばよかったかなー。と申し訳なさそうに主治医の先生ポツリ)

食べれるだけで、こんなに体調が違うんだなあとしみじみ感じます。

食べるって本当に元気の源!

今このタイミングで薬使わせてもらったからこそ、便秘がひどくなったりとか他のトラブルなく過ごせているから、今だったんですよ、ありがとう。と先生と話をしたり。

なんだか、今までのクールとは、また違う、穏やかな?と言うのか、周りの環境も私の体も心もなんとなくフワフワしてる。

よくわからない感じでスタートしました。

回を重ねてきたのもあるけれど、毎回違う展開が待っているこの治療。


そして、やってきた今回の流れは。

腫瘍マーカーが順調に下がってきて、どこまで治療を続けるかの瀬戸際の段階に入っていて。

入院して5クール目が始まってから、このクールで終わりにしますとの

産婦人科としての方針が決まったと先生から宣告を受ける。という。


私の中では、不安というか、急すぎて受け止められない日々が続きましたが

主治医も正直な方(良くも悪くも正直さに救われる)なので、日々お互いの想いや意見を包み隠さず伝えていました。


そして、迎えた新月の翌日。

改めて、方針を決めた理由などを面談で話をしてくださいました。


主治医からの治療経緯の説明と腫瘍専門の先生の見解。

婦人科腫瘍専門の先生として、いろんな癌の方を見てみえて、

医師としての立場、治療ガイドライン、抗がん剤のメリット、デメリット、リスク、予後、大学病院で経験してみえた絨毛癌の患者さんたちの話や経過など、私からの質問にいろんな観点から話をしてくださりました。

それだけでなく、

患者さんの(私の)、本当に大丈夫か?もう少しやるという選択肢はあるのかないのか、ここで治しきりたい、などのいろんな気持ちも重々汲み取りながら。

いつも病室に来てくださるときも、私の質問や話に対して、行間を読むかのような声かけやお話をしてくださり、いつも心を支えてくださっていましたが、その果てしない懐の深さには頭が下がるばかりです。

そして、面談の中で、腫瘍専門の先生のが言われた言葉に衝撃を受けます。


僕たちは、抗がん剤という毒を入れさせてもらってる。

(私が)ちゃんと食べてくれたから、

(途中体重や白血球が下がってスケジュール通りの治療継続が危ぶまれたタイミングがあって、先生からも体重落とさないようにと指導を受けました。そこからできる限りタンパク質を摂るようにしたのでした。私の場合、スケジュールがずれることが一番治療効果を下げてしまうものだから。)

休薬期間なく治療を続けられるように体調管理してくれたから、

骨髄抑制も強くなく、副作用を最小限にして治療が続けられたんだよ。

あとは、祈る。

祈れるところまで来たんだよと。



先生のその言葉が、じんわりじんわりと胸の中に広がっていく。

日が経てばたつほどに。


毒を入れさせてもらっているって。

そして、患者さんの努力のおかげで治療ができているんだと。


そんなふうに見ていてくださっていることに。

感無量でした。


私の中の面談の目的は、

とりあえず先生方の意見や方針、見解などを聞きたかったのと、

自分の中の想いをお伝えすることでした。

今後をこの場で決定するということは、先生の中にも私の中にもなくて、

現状を伝え合うというところが一致していて、ここで結論を出すことはしなくていいからと先生も言ってくださり、私も自分の中で整理したいとおつたえしました。

まだ、最後の投薬が残っていて、腫瘍マーカーフォローもずっと必要なので

様子を見ながらだから、

スッキリ、これで終わり!とも言えないし、なんとも言えない気持ちはあるけれど。


ただただ、嬉しかったのは、

先生が、一時的な治療効果や個人の見解や経験などから決めているんではなくて、考えられるありとあらゆる側面から鑑みて、本当に癌や抗がん剤を知り尽くしているからこそ、私のことを先の先まで見越して、体に負担なく、かつ最大限で最良の可能性のある選択を提案してくださっていることが痛いほどに伝わってきたことでした。

先生は、不安があるんだろうな、という私の想いにとても共感を示して話してくださったけど、私の中で結論が出ないのは、不安というよりは、自分の中で気持ちをどう整理していいかわからなかったこと。


でも今はわかる。

祈ること。

ただただ、自分の心と体を大切に、慈しみ、祈ること。満たすこと。

そこに行き着いた。

自分の中にまた一つ、軸ができた。


ここ最近、朝焼けが綺麗。

病室で5時頃目がさめると、黄金色の空が迎えてくれる。

導かれるようにデイルームに行くと

素敵な患者さんたちとの出逢いが連日。


今に至るまで、いろんな思いを抱えてみえただろうことは

自分の経験を通じて痛いほどわかる。深く語りあわなくても。

病気は違えど、私と同じように病と向き合ってみえる患者さんたち。

初対面でも言葉を交わせば、みんな、明るくて笑顔で前向き。

お互いに、いいエネルギーいただいた!ありがとう!と感謝し合いながら

黄金色の朝日の光を浴びて、病室に戻る。


私に足りないのは自分への愛だった。

今まで人に向けてきたエネルギー、祈りをただひたすらに自分に向けるとき。

それでいいんだと

練習させてもらってる。


これからも一緒に闘わせてください。と腫瘍専門の先生。

その言葉に思わず、

あー私、闘ってないんですよ〜(^^)。

感謝しているから。病に。と言う私。

え?!!! そうなの?僕は、(私が)転院してきてからずっと闘ってたよー!

一人で闘ってたのかー?!

って。笑。

てな感じで、なんだかほんわりと面談終了。


ああ、私、この2ヶ月半、本当にがんばってきた。

だから、治療効果があったんだ。

最小限のクールで終えることができたんだ。

自分を褒めてあげよう。

がんばった!がんばったよー!


指先に、抗がん剤の副作用で神経障害が少し出ているけれど。

神経障害は、この先消えるのか消えないのか、わからない副作用。

それを防ぎたくて、抗がん剤投与中、手足を氷で冷やしていたりしたのだけど。

手の指先に4クール目終了後から出てきた。

でも、この痺れは、私に 生きろと言ってくれているように感じる。

愛おしいなって。

ありがとう。

気づくと、無理してがんばりすぎてしまう自分だから。

無理しないんだよ。って。

これからの生き方を示してくれている。


病は、心と体に無理をさせてきた結果だから。

まーるくあったかい心で、ゆったりと。

本当に無理せずに生きていこうと心から感じます。


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