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茅葺屋根の神社 その壱

神社建築は鉄筋コンクリート造で屋根は銅板葺というのが主流になっている中、檜皮葺や杮葺などは一部の限られた重要文化財がほとんどです。
しかし茅葺屋根の神社は本殿だけであれば結構普通の神社であっても時々見かけます。
細かい建築資材・工法や神社建築の歴史の話をしだすときりがないので「まずは色んな茅葺屋根の神社を見てみよう」ということだけに焦点を当てる記事です。
茅葺屋根の神社を発見すると「なんか興奮してきたな」、と某漫才師の入りみたいに感じます。

初回はこの茅葺屋根の神社が集結している熊本県人吉市周辺の神社を中心にまずはどういう雰囲気かを見ていこうと思います。
代表格といえば国宝に指定されている青井阿蘇神社でしょう。楼門から本殿を除く拝殿、幣殿まで茅葺きまみれです。ここまで見事で手入れの行き届いた茅葺きは貴重です。ちなみに慶長十五年(1610年)に造営されたものです。

楼門
拝殿
幣殿

また、小さい神社でも人吉市の北の球磨郡山江村にある山田大王神社は青井阿蘇神社に負けない年季の入った茅葺き具合を醸し出しています。
山田大王神社は名前のインパクトもすごいですが、社殿のインパクトもなかなかです。
本殿は1546年、拝殿は1580年という室町時代の造営で、拝殿は1761年に修繕されたものです。社殿全体が小さいですが総茅葺屋根ということで貴重です。もちろん国の重要文化財に指定されています。

拝殿と御供所。アシンメトリーに御供所と拝殿が配置さえているのはこの地方の特色
本殿
社殿全景
拝殿・御供所背面から

しかし、このような文化財に指定されていない、言葉は適切かどうか分かりませんが「野良茅葺」の神社もあります。

特に感銘を受けたのは佐賀県の某神社です。氏子の方々にお話を聞いてみると、維持管理もかなり大変そうでした。

私の運営する「産土神名帳」でもこのような管理維持が困難な神社の姿を画像や3Dスキャンを通じて保存することを目的にしており、まさにこのような神社こそが主な対象です。

拝殿
拝殿

以上、茅葺屋根の神社を紹介してきましたが、まだまだ他にも素晴らしい茅葺屋根を持つ神社はありますので追って紹介していきます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

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