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NEW DAYS#1 「ぴちゃんのこと」

ぴちゃんは肌が過敏症である。特にバクテリア感染しやすくちょっとでもお風呂に入った時の洗い残しがあると、すぐに肌が赤く腫れあがる。大江パパはなるだけ毎回おしっこの後にぬるま湯でそこらへん洗ってまっさらなバスタオルで拭いてあげているのだけど、少しでも洗い残しがあると数時間後にはそこが真っ赤に腫れ上がったりすることがある。痒いよと変な動きをするのですぐにわかる。

昔(ちょっと前)の大江パパはもっとざっくりで症状が出て初めて対処療法を取っていたのだけどそれじゃダメだと思った。ぴもお年頃だし後手後手になる前に毎日もっと細かく注意深くケアしてあげなきゃと実践を始めた。

数ヶ月前に身体中に皮膚病でかさぶたができて、その部分の毛がごっそり抜けてかわいそうなことになっていた。耳もジュクジュクして耳垂れが出るほどで、真っ赤に腫れ上がり、いろいろ手当てをするのだけれど、ここが良くなればまたあそこという感じで、どんどん感染が広がっていた。それを大江パパの見てないところでぴは始終痒いし痛いので舐めてたのだ。

だからいつの間にか手足は毛が抜けてザラザラゴツゴツ腫れて「象の足」のようだった。尻尾にも毛がなくなり首や背中の毛も抜け落ちた。

精密検査の結果これはちょっと厄介なバクテリアということで、それ用のシャンプーをドクターリーが出してくれて毎日やった。そうすると今度は毎日だと逆に肌が乾燥しすぎてフケが出る。ちょうどいい塩梅が難しい。大江パパ大奮闘の巻だ。

沐浴させて汚れをゆっくり洗い落として最後のシャワーを丁寧に浴びる。この時に耳にお湯が入ったりすると耳のジュクジュクが逆にひどくなるので気をつけて! 最新の注意を払いそれでもなかなか良くなる兆しがなかった。

歳をとると一個ガタがくると全部にくる。今思えばぴはSOSをずっと出していたのかもしれない。大江パパの体重の10分の1ほどの体の小さな犬だ。1cmのかさぶたでもパパの手のひらほどになりぴにすればそれは大きい。むやみに乱暴に剥がさずにゆっくり適度な沐浴を繰り返し、とにかく患部を清潔にして自然に剥がれるのを根気よく待つ。

この「根気よく」を繰り返すことによってぴの肌に毛が生えてきた。少しずつ。そして、気がつくとどんどん患部が小さくなり、いつの間にか全身の皮膚はほとんど問題のないくらいまでに回復した。

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