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Senri Garden ブルックリンでジャズを耕す

グラスワイン1杯分のお楽しみをジャズと共にブルックリンからデリバリー。エッセイ「ブルックリン物語」、ラジオ「Sen Corouge」、日常を写真と文で綴った「Days」、レシピ「… もっと読む
大江千里の未発表のエッセイ、動画、詩、サウンドを発表していく実験ラボであり、みなさんと作り上げてい… もっと詳しく
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#ジャズ

プチDAYS 「RYOKO Meets Jazz」

以前から「森山良子さんはジャズを歌われないのか な?」いろんな人に聞いていた。「森山さんが歌う日本語のジャズを聴いてみたい。」と。それに興味を持ったある人が「マネージャーさん知ってるから今度伝えてみるね。」と言ってくれた。でもなかなかそれが現実に伝わっていたのかどうかはわからない。僕がオリジナルを良子さんに書きたいと言ってもそんなに簡単にその夢が叶うほど簡単な世界ではないのはわかっていた。だけども言い続けることが僕自身のモチベーションにもなった。だから「もし歌われるなら?」そ

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帰国記念特別寄稿 #2「かけがえのない時間を駆け抜ける!」

1週間が早い。 ほぼ毎日のようにライブが入っているので、朝起きて準備をして会館に入りリハをやり、本番。終わると次の街へ。 ホテルをチェックインアウトを繰り返すので、常にどう荷物をまるめどう荷物を広げるかがポイントになる。 ホテルも人間と一緒で部屋に個性がある。広くても使い勝手の悪い部屋もあれば狭いのに馴染みやすく便利な部屋もある。 この旅で学んだのは、どんな狭くても荷物をうまく収納するコツだ。まずスーツケースをベッドの上に広げ、その日に必要なものを出す。あとはスーツケ

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プチコラージュ AUGUST

マガジンを購入すると全編(05:00)を視聴することができます。

プチDAYS「覚えてる? あのホームルーム」

62歳になって何が変わったといえば行動が鈍くなったということである。物事を考え込む傾向が増えて、じっくりやっていると気がつくと時間に押されていつも放課後である。 「Senri、日本へ帰るまでにクリスマスツリーを片さないと大変なことになるよ。引火して火事にでもなったらどうするんだい?」 部屋に遊びに来たマーレーの奥さんが言った。いろんな人に言われてもやろうやろうと思いつつ「もう少し後でも。だってこんなに綺麗なんだから」と思って先延ばしにしていたら、もう旅立つ前日だった。

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大江千里DAYS「五番街をワシントン公園まで下れば」

11月の風はピリッとクリスピーでどこかこそばゆい。そんなに早く冬にならないてもいいのに。もうちょっとのんびり秋のままでもいいのに。 冬と夏の間を反復横跳びしているNYの秋の気温。そういえば去年もこんな日々を繰り返しながら気がつくとあたり一面雪景色だったっけ。そんなこと考えながら散歩から帰宅してピアノの練習に入ると、窓越しに街路樹の黄色くなった葉っぱたちが風に揺れている。 今週に入りやたら地下鉄に冷房が入る。もうすでに冬の準備をしてきた人々を汗びっしょりにさせながら電車は橋

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”まだ夢の中にいる”#1

8月17日。水曜日。 到着の羽田からタクシーで都心を目指し、待ち合わせの都心のバーで角川の編集ジュンジュン、note編集の松山さんと落ち合う。11月11日発売予定「ブルックリン、男メシ(仮)」の打ち合わせを行うためだ。二人は既に店にいた。 二人に会うのはコロナ前以来なのだが、久しぶりという感じが全くなく、和気藹々と打ち合わせは進む。なんだか、照れ臭いレシピだが、コロナ渦のリアリテイは「食べる」ことだったので、これは「あり!」かなと思う。 これから始まる8月9月の長いステイ先

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前のりセトリ通信 「降っても晴れても」

今週土曜日8時の「降っても晴れても」の前のりセトリ通信をお送りする。 2020年の2月。 ロスペダーソンとマットクロージーとのトリオツアーが始まるまさにその直前、僕は一足先、日本にいた。九州でソロピアノライブを始め広島まで来ていた。その後一旦、東京に戻り翌日、仙台、静岡と訪れてから、トリオで東名阪へと突入する予定だった。リハもNYで終えていた。それがコロナで中止になった。 あの時から時が止まった。 誰も経験したことがないコロナ渦の中、NYは都市のロックダウンが始まり、そ

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ブルックリン物語 #83 「今日という日を愉快に冒険する旅」

ここのところバタバタと朝を過ごしていたせいで、久しぶりに2杯コーヒーを丁寧に淹れて飲んだ。曇り空が棚引いて低く街路樹の枯葉をすっぽり包み込む。今朝の曇天は暗く灰色でどこまでも希望らしき未来が見えない、暗示のような色だった。 しかし心は丁度いい濃さのコーヒーを飲めたので晴れ晴れとする。なかなかうまいコーヒーを淹れるのは難しい。ブラックを心ゆくまで味わえる朝の時間は貴重だと思う。 先週やった帽子の壁にかける作業は意外にも小1時間で出来てしまったけれど、その下のTシャツやらパン

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ブルックリン物語 #82 「ミネソタサウンドマシーンがやってきた!」(4)

どれほど眠ったろう。昨日の演奏はブラックドッグカフェの土曜日のジャズナイトの観客を虜にして盛り上がった。しかし頭のフィルムを巻き戻すと頬が赤くなる様な箇所もあった。リハで決めたルールが途中で曖昧になりお互いに何度か顔を見合わせる瞬間とか。そこらへんを今夜は本番前のリハで再度確認だな、天井を見つめそう心で呟いた。 しばらくベッドの上でストレッチをしながら、朝の手前の暗闇の「無」の中にじっといた。なにも起こらない無音の世界に。 よし!一気にベッドから起き上がりカーテンをサッと

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大江屋レシピ(168) 「Winter Special みかんのアイスロールケーキ」の巻

逗子の珠屋の桃のロールケーキみたいなイメージでみかんのロールケーキを作るつもりだったのですが、生地が分厚すぎて巻けなくてボロボロに。急遽冷やしてアイスロールケーキへと変身させることになんとか成功。疑問の残る1日でした。by俵孝太郎。 用意するもの:みかん数個、ホットケーキミックス、黒糖、ヨーグルト、ヘビーミルク、ヘンプミルク、卵2個、オリーブオイル、、、 ingredients : a few mandarin orange, pancake mix, brown suga

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2021年のザ・ベストテン!

2021年のザ・ベストテン! 今年最後の木曜日はこれ!と決めてました。何か?(笑) 今年は「進化」の年でした。音楽は体と心が資本なので健康に気をつけてよく食べてよく笑いゆっくりお風呂に入りメンテを楽しむ心の余裕が増えました。何かに追われながらの日々はむしろ、「ゴールがある喜び」と捉えるようにして一個一個を慈しむように仕上げる中で心の吸う酸素が増えたのを感じるのです。 コロナの2020年の暮れはぴの食欲がなくなり、自然食の出来合いをいくつか買って食べさせるものの最初は喜ん

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一本の吊り橋!

家の玄関の前の木の枯葉がほんの少しまだ残っている。 よくこれだけ寒いのに耐えているなあと見上げるたびに惚れ惚れする強さだ。音楽室の窓から見える木の場合、ピアノを弾くたびに日々減っていく葉っぱのなくなる寂しさの後に、ある日枝の向こう側の景色が一望できるような抜けのいい眺望になった。 冬の到来だ。そんなことを思ったのもつい昨日のよう。やがて落ちた葉っぱの絨毯の上をシャリシャリ音を立てて歩く秋の楽しみに没頭する日々。赤や黄色や橙色のトンネルを抜けて銀杏のステージをスキップした。

ブルックリン物語 #80 「ミネソタサウンドマシーンがやってきた!」(2)

部屋の温度をコンシェルジェに頼み、固定から自由設定に変えてもらい77度にして夜は眠る。これくらいがちょうどいい。一眠りして真っ暗な部屋の中でうっすら目を開ける。朝の気配を感じカーテンを恐る恐る開けてみる。まばゆい光のシャワーが一気に部屋に充満する。時計を見ると7時。熱いシャワーを浴び、ベッドの上で簡単なストレッチをする。 「おはようございます。ぴはご飯を済ませましたか?」 ライブの間は預かってくれているマネージャーKayにテキストを送ると「もういっぱい食べてのんびりされて

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ブルックリン物語 #78 「ずっと探している。」

パンツに穴が開いた。 新しい家の洗濯機乾燥機の性能がよいので洗濯魔になっている。そのせいか? 尻の穴部分に大きく開いたパンツや前部の片方だけ開いたパンツもある。毎日家を出る前は新しいパンツを買おうと勇んで出かけるのだが、結局外に出たら出たで別のことに神経が行き、別の買い物をしてしまい、食事をして散歩をして帰宅をすると「あ、パンツを買ってない!」ことに気がつく、あとの祭り。 「Senriさんですか? 僕は音楽をやっているんですがこの路線にお住まいなのですか?」 日本人のド

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