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Senri Garden ブルックリンでジャズを耕す

グラスワイン1杯分のお楽しみをジャズと共にブルックリンからデリバリー。エッセイ「ブルックリン物語」、ラジオ「Sen Corouge」、日常を写真と文で綴った「Days」、レシピ「…
大江千里の未発表のエッセイ、動画、詩、サウンドを発表していく実験ラボであり、みなさんと作り上げてい…
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#ジャズ

プチDAYS「ナッチョからの手紙」

ブエノスアイレスで活躍する元クラスメートだったジャズピアニスト、ナッチョからメッセージが来た。 「7月から9月まで日本のCruiseboatの仕事が入ったらから東京に行くんだ。もしよかったら二人で一緒にコーフィーでも飲もうよ。」 不思議なことがあるものだ。昨日Walkingの最中に彼のことを思い出していたのだ。ここ数日綺麗な空や海の写真を投稿したナッチョに「いいね!」を押し、そういえば以前から公言してる「存在しない映画のサウントラトラック」の中で、彼と一緒にやれたらなと思

「続・Senriと良子のおしゃべり泥棒」 3

毎日真っ黒に鉛筆で塗りつぶしたスケジュールを涼しい顔でこなすRyokoさんを"鉄人"だと思う。前回は、レッスンの前後の食事を僕から誘うのは極力避けていたのだが、今回は違う。 「ぴちゃんを亡くした今、Senriさんをそっとしておいてあげた方がいいのかな?」 と思ってくださってる事を痛いほど感じるので、もしもRyokoさんさえ嫌じゃなければせっかくのブルックリン滞在、いっぱいローカルボーイ(おっさんだが、汗)が好きな場所をご紹介したい。 「あらん、森山さんやーん、こんなとこ

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「続・Senriと良子のおしゃべり泥棒」2

Ryokoさんの携帯のネットが繋がらないのはなぜ。前は空港からバンバンラインメールを頂いてたのに。恐ろしいもので携帯がなければ何も出来ない。文明の力に振舞わされ翻弄される私たち。ううむ。 ネットを検索「海外で日本の携帯が繋がらない」を調べる。️いくつかの可能性が出て来たのでその通り解決法を試してみる。しかし一向に繋がらない。東京へ連絡。するとRyoko さんの海外パッケージ情報が送られてきた。 「海外旅行をした時ネットを使う場合」のアプリが携帯画面にDLされてて、ガイダン

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「続・Senriと良子のおしゃべり泥棒」1

良子さんがやってくる。 ジャズのアルバム制作、そしてそのリリースに向けて準備を淡々とするRyoko Moriyamaが3回目のNYCへジャズ留学にいらっしゃる。 RyokoもSenriもネズミ年。どっちが上かしたかなんて関係なく、二人の共通点はちょこちょこ歩き回るとこだ。 二人は30年ほど前からの付き合いで、最初の出会いはSenriが代々木上原のスタジオでリハーサルをしていた時に遡る。85年? ある日スタッフから、 「あの森山良子さんがリハstudioに『Say Hi

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プチDAYS 「RYOKO Meets Jazz」

以前から「森山良子さんはジャズを歌われないのか な?」いろんな人に聞いていた。「森山さんが歌う日本語のジャズを聴いてみたい。」と。それに興味を持ったある人が「マネージャーさん知ってるから今度伝えてみるね。」と言ってくれた。でもなかなかそれが現実に伝わっていたのかどうかはわからない。僕がオリジナルを良子さんに書きたいと言ってもそんなに簡単にその夢が叶うほど簡単な世界ではないのはわかっていた。だけども言い続けることが僕自身のモチベーションにもなった。だから「もし歌われるなら?」そ

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帰国記念特別寄稿 #2「かけがえのない時間を駆け抜ける!」

1週間が早い。 ほぼ毎日のようにライブが入っているので、朝起きて準備をして会館に入りリハをやり、本番。終わると次の街へ。 ホテルをチェックインアウトを繰り返すので、常にどう荷物をまるめどう荷物を広げるかがポイントになる。 ホテルも人間と一緒で部屋に個性がある。広くても使い勝手の悪い部屋もあれば狭いのに馴染みやすく便利な部屋もある。 この旅で学んだのは、どんな狭くても荷物をうまく収納するコツだ。まずスーツケースをベッドの上に広げ、その日に必要なものを出す。あとはスーツケ

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プチコラージュ AUGUST

マガジンを購入すると全編(05:00)を視聴することができます。

プチDAYS「覚えてる? あのホームルーム」

62歳になって何が変わったといえば行動が鈍くなったということである。物事を考え込む傾向が増えて、じっくりやっていると気がつくと時間に押されていつも放課後である。 「Senri、日本へ帰るまでにクリスマスツリーを片さないと大変なことになるよ。引火して火事にでもなったらどうするんだい?」 部屋に遊びに来たマーレーの奥さんが言った。いろんな人に言われてもやろうやろうと思いつつ「もう少し後でも。だってこんなに綺麗なんだから」と思って先延ばしにしていたら、もう旅立つ前日だった。

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大江千里DAYS「五番街をワシントン公園まで下れば」

11月の風はピリッとクリスピーでどこかこそばゆい。そんなに早く冬にならないてもいいのに。もうちょっとのんびり秋のままでもいいのに。 冬と夏の間を反復横跳びしているNYの秋の気温。そういえば去年もこんな日々を繰り返しながら気がつくとあたり一面雪景色だったっけ。そんなこと考えながら散歩から帰宅してピアノの練習に入ると、窓越しに街路樹の黄色くなった葉っぱたちが風に揺れている。 今週に入りやたら地下鉄に冷房が入る。もうすでに冬の準備をしてきた人々を汗びっしょりにさせながら電車は橋

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”まだ夢の中にいる”#1

8月17日。水曜日。 到着の羽田からタクシーで都心を目指し、待ち合わせの都心のバーで角川の編集ジュンジュン、note編集の松山さんと落ち合う。11月11日発売予定「ブルックリン、男メシ(仮)」の打ち合わせを行うためだ。二人は既に店にいた。 二人に会うのはコロナ前以来なのだが、久しぶりという感じが全くなく、和気藹々と打ち合わせは進む。なんだか、照れ臭いレシピだが、コロナ渦のリアリテイは「食べる」ことだったので、これは「あり!」かなと思う。 これから始まる8月9月の長いステイ先

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前のりセトリ通信 「降っても晴れても」

今週土曜日8時の「降っても晴れても」の前のりセトリ通信をお送りする。 2020年の2月。 ロスペダーソンとマットクロージーとのトリオツアーが始まるまさにその直前、僕は一足先、日本にいた。九州でソロピアノライブを始め広島まで来ていた。その後一旦、東京に戻り翌日、仙台、静岡と訪れてから、トリオで東名阪へと突入する予定だった。リハもNYで終えていた。それがコロナで中止になった。 あの時から時が止まった。 誰も経験したことがないコロナ渦の中、NYは都市のロックダウンが始まり、そ

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ブルックリン物語 #83 「今日という日を愉快に冒険する旅」

ここのところバタバタと朝を過ごしていたせいで、久しぶりに2杯コーヒーを丁寧に淹れて飲んだ。曇り空が棚引いて低く街路樹の枯葉をすっぽり包み込む。今朝の曇天は暗く灰色でどこまでも希望らしき未来が見えない、暗示のような色だった。 しかし心は丁度いい濃さのコーヒーを飲めたので晴れ晴れとする。なかなかうまいコーヒーを淹れるのは難しい。ブラックを心ゆくまで味わえる朝の時間は貴重だと思う。 先週やった帽子の壁にかける作業は意外にも小1時間で出来てしまったけれど、その下のTシャツやらパン

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ブルックリン物語 #82 「ミネソタサウンドマシーンがやってきた!」(4)

どれほど眠ったろう。昨日の演奏はブラックドッグカフェの土曜日のジャズナイトの観客を虜にして盛り上がった。しかし頭のフィルムを巻き戻すと頬が赤くなる様な箇所もあった。リハで決めたルールが途中で曖昧になりお互いに何度か顔を見合わせる瞬間とか。そこらへんを今夜は本番前のリハで再度確認だな、天井を見つめそう心で呟いた。 しばらくベッドの上でストレッチをしながら、朝の手前の暗闇の「無」の中にじっといた。なにも起こらない無音の世界に。 よし!一気にベッドから起き上がりカーテンをサッと

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大江屋レシピ(168) 「Winter Special みかんのアイスロールケーキ」の巻

逗子の珠屋の桃のロールケーキみたいなイメージでみかんのロールケーキを作るつもりだったのですが、生地が分厚すぎて巻けなくてボロボロに。急遽冷やしてアイスロールケーキへと変身させることになんとか成功。疑問の残る1日でした。by俵孝太郎。 用意するもの:みかん数個、ホットケーキミックス、黒糖、ヨーグルト、ヘビーミルク、ヘンプミルク、卵2個、オリーブオイル、、、 ingredients : a few mandarin orange, pancake mix, brown suga

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