(詩)不沈
心が凪いでいる
そこは波音一つなく
カモメは優雅に飛んでいて
舟がぼちぼち浮かんでいる
進んでいるか 戻っているか
時に 止まっているかのように
幾度も太陽はおはようと
綺麗な声であいさつを
けれども私は何一つ
言葉が浮かんでこなかった
心が泣いている
それはとってもうらやましい
だって なにかが動いている
それは新たな舟をつくる
今は嘆きを積んだ船さえ
深く沈んでゆくばかり
いつかは積もって
埋立地に
なってしまうのかもしれない
それは厭だと思えるうちは
それは厭だと思えるうちは……
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