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並行読書 3つの本

最近3つの本に興味が出てしまい、少しずつ読んでいる。

私にとってそれぞれの本は「中身は気になるけれど徹夜をして読破する」ような類の本ではないからだ。

気になるけど、午前中に読んでいたら、疲れてしまった。そしたら、次の本。というように、気分に任せて、3つの今気になる本を並行読みしている。そんな、感情に任せた読書なので、平気で読み途中のまま四日ほど過ぎることもままある。

だから自分の気持ちの傾向を知るために、ここに記録を始めた。

読んでいる本は、

①ダナ・アーノルド著・鈴木杜幾子訳『一冊でわかる 美術史 ダナ・アーノルド』岩波書店、2006年

この本は、大学時代入学課題で読んだ一冊。美術史をこれから学ぶ大学生が基本として知っておきたい美術史の歴史が記されている(西洋の美術史の記述方法の歴史がメイン)。私は不真面目だったので、1章しか読まず、先輩や同輩がだ美学美術史の話をしている時もよくわからなかった。途中で、日本美術史になり、より西洋の話から遠のいてしまった。今読み返してみると、ここに基本的な大枠が書かれていて、「ここに書かれていたのか。」と思う。恥ずかしく、惜しいと思ったが、当時は読んでも響かず、求めてもいなかったのだろうな、今でなければ響かなかったんだろうな、とも変に納得してしまった。

②宮崎法子『中国絵画の内と外』中央公論美術出版、2020年

この本は、中国美術を扱った論文集だ。華美で豪華な唐の時代の作品から、墨色で描かれた質実な宋時代の山水画の変遷から始まり、そこで描かれるモチーフの変化などを取り扱っている。特に気になったのは、宋代の絵画から、モチーフとしての女性が消えてしまうことだ。日本の円山応挙や呉春を通して中国美術への関心が少しずつ広がっていった。また、自身の関心事項の中に、「女性」の描かれ方が社会の政情の変化によってどう変わるのかというところにあったので、この本は、刊行の案内が届いた時から気になりすぐに購入してしまった。しかし、値段の割に、とにかく分厚い。お得な買い物だったけれど、「よいしょっ」と気持ちを保ちながら読まないと、中国美術初心者としては論を見失ってしまう。

③田口かおり『保存修復の技法と思想 古代芸術・ルネサンス絵画から現代アートまで』平凡社、2016年(第2版)

仕事で、保存にかかわっていた。さまざまな判断を下さなければならないとき、迷いに迷って、修復技術者の方と対話を重ねた。対話というよりは、教えてもらい理解をしていったというほうが正しいだろう。修理、保存を体系的に学ばず、1年仕事をしてきたのは危険なことだっただろう(信頼のおける先輩や先生方が周りにいたおかげ)。時間がある今、学ぶべき。


以上、自分の読書記録と頭の整理のために記述していきたい。