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視聴記録『麒麟がくる』第五回「伊平次を探せ」2020.2.16放送

道三(本木雅弘)の命を受けた光秀(長谷川博己)は、鉄砲の作り方に加え、なぜ将軍家が鉄砲を大量に必要としているのか探るべく、再び京へ向かう。腕利きの鉄砲鍛冶・伊平次を探しやってきた本能寺で、将軍・足利義輝(向井 理)の護衛でやってきた三淵(谷原章介)と再会をする。将軍家も伊平次を探しているが忽然(こつぜん)と姿を消したという。三淵に連れられて松永(吉田鋼太郎)の元へ向かった光秀は、松永から、鉄砲の真の力とはお互いをけん制させ、戦を減らす抑止力になることであると聞く。

<トリセツ>
鉄砲と国友村と本能寺
光秀が伊平次を探して訪れる鍛冶場・国友村(くにともむら/現在の滋賀県長浜市国友町)は、古くから製鉄技術が伝わり、質の良い鉄材も入手できたことから、種子島から鉄砲が伝来してすぐの天文13年(1544年)には、国産の鉄砲を生産していたとも言われています。
鉄砲は、根来(ねごろ)・堺(さかい)でも生産されていますが、国友村では足利将軍からの命によって生産がはじまり、のちに信長、秀吉、家康の天下取りを支え、堺と競った鉄砲鍛冶の村で、幕末まで国産鉄砲を生産していました。
また、本能寺は早くから種子島や堺で布教活動をおこなっていました。その種子島に鉄砲が伝わります。そのため、種子島にたくさんの信者をもつ本能寺に依頼すると、鉄砲や火薬の入手がしやすかったと言われています。

京の都で続く政権争いとは?
中央政権は今どうなっているの?

室町時代末期、京の都では政権争いや内乱が絶えず、度重なる戦火に街は焼かれ、公家や僧侶、将軍までもが逃げだすほどでした。
第5回で放送の天文17年(1548年)秋頃は、管領家の細川晴元が家臣である三好長慶に支えられて幕府の実権を握っている状態でした。
https://www.nhk.or.jp/kirin/story/5.html

 『麒麟がくる』の視聴率がどんどん下がってきています。評論家に言わせると、「「加納口の戦い」など、あまり知られていないマニアックな内容を取り上げているので、男性には人気があっても、女性に人気がないから」だそうです。「首の長いキリンが出てこない」「毒殺のシーンが怖い」と子供が「見なくない」と言い出したから、家族全員で見なくなった」という意見もあります。
 ガイドブックが他の大河作品より売れているようで、NHKは「評判がいい」と喜んでおられるようですが、そうではなく「難解だから」でしょう。「名前を聞いたことがない登場人物がいる」「明智光秀の前半生を知りたい」「美濃と尾張の関係を知りたい」と思って買っているのであって、このドラマが、明智光秀の後半生(織田信長に出会ってから死ぬまで)を描いたドラマであれば、ガイドブックの売上げは、他の作品並みだったと思います。
 私は、今後も視聴率は下がっていくと思います。その理由は、キャストが発表された時から言い続けていますが、「ミスキャストが多すぎるから」です。配役の発表時点で「これはないよな」と思い、5回見て、「やっぱ、この人じゃないよね」と確信。「最初はAはBさんには似合わないと思っていたけど、回を追うごとにAに見えてきた」となるのが普通なのに、このドラマの場合は、「配役発表時からAはBさんには似合わないと思っていたけど、回を追うごとにその直感が確信に変わった」と思わせてくれる役者さんが多すぎます。
 たとえば、今回は天文17年(1548年)秋の話です。明智光秀の21歳はいいとして、細川藤孝は15歳(満14歳)です。明智光秀に立ち向かう反抗期の生意気な少年でなくてはなりません。細川万吉は元服し、剣豪将軍・足利義藤(後の足利義輝)から「藤」の1字を頂いて「細川藤孝」と名乗り、その足利義藤の直臣になったのですから鼻息荒いです。幕府管領の宗家(細川京兆家)への対抗意識もあって張り切っていました。(「この人が、なぜこういう行動をとったのか」と考える時、家柄(生活環境)や身分(経歴、立場)の違いの考慮が重要ですが、年齢の考慮も重要です。)ところが、このドラマの細川藤孝は、少年というより、明智光秀の「同級生の友達」に見えてしまいます。(役者さんの実年齢は、明智光秀(21歳)役の長谷川博己さん42歳、細川藤孝(15歳)役の眞島秀和さん43歳です。)
 ドラマでは、細川藤孝が血気盛んな理由を「若いから」「元服して、大人の仲間入りをした嬉しさに、やる気満々だったから」ではなく、実兄の三淵藤英(年齢不明。アタックチャンス!の谷原章介さんは47歳)が、「あれは私の弟で、細川藤孝と申す者にて、公方様のお側に仕えています。それ故、気が立っていてご無礼を致したのかと思います。お許しください」と説明しているので、「このドラマではそういう設定なのか」と納得するしかないです。(細川藤孝と三淵藤英が兄弟・・・細川藤孝(眞島秀和さん)と三淵藤英(谷原章介さん)は兄弟に見えず、谷原章介さんのお顔は足利義輝(向井理さん)に近いから、顔で判断すれば、兄・足利義輝が谷原章介さんで、弟・足利義昭が向井理さんがよかったけど、まぁ、なんだかんだ言っても、前回、「似ていない兄弟もいる」と言っていた明智光秀・菊丸兄弟よりは兄弟らしいけど(笑)。)
 もちろん、いいキャストもいますよ。明智光秀の母には大正村三代目村長・竹下景子さんになっていただきたかったのですが、石川さゆりさん、いいですねぇ。難を言えば、「狐女房」の歌を「ちょっと違う」じゃなく、途中から間違いを正しながら駒と一緒に歌っていただきたかった。歌手なんですから。

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