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正信偈8 「如来所以興出世 唯説弥陀本願海五濁悪時群生海 応信如来如実言」

正信偈 8
 
如来所以興出世 唯説弥陀本願海
五濁悪時群生海 応信如来如実言
 
 
仏教は、約2500年前に、今のインド・ネパールの辺りで、お釈迦(オシャカ)さまから始まりました。お釈迦さまも、ゴーダマシッタールダ・釈尊・釈迦如来など、いろいろな名前があります。正しく言えば、お釈迦さまがお生まれになる以前から、仏の教え・真実の悟りというのは存在していましたが、人間の姿で初めて仏教を世に知らしめたのがお釈迦さまということです。人間の発生より前から空気中に酸素はあったはずですが、酸素があるということを実験等から示したのは、やっぱり近代になってからですね。「ある」ということと「世に知られている」ということは同時ではありません。ただ、やっぱり便宜上、お釈迦さまから仏教が始まったという方が伝わりやすいですね。
 
親鸞聖人は、お釈迦さまはあみだの仏さまの教えを説くために、この世に生まれたと言います。お釈迦さまはその生涯で八万四千の教えを説かれたと言われますが、それらの教えの最終地点は全て、南無阿弥陀仏です。あみだの仏さまの四十八願や本願が説かれた『仏説無量寿経』というお経は、凡夫の前で説かれたものではありません。初めの方に、「一万二千人の弟子たち、菩薩さまたちの前でこの教えが説かれた」とあります。極悪人を助けることのできる教えは、仏弟子や菩薩さまたちまでをもお助けします。
 
五濁というのは、私たちの世界の中に真実の無いことを言います。極悪人の住む世界ですから、当然のことですね。真実が無いというのは、この世界の何を信じても私たちは助からないということです。その中に、私たちを助けるために現れた真実が、南無阿弥陀仏です。私たちのすることは、「あなたを必ずお助けするぞ」のはたらきに、ただ、「南無阿弥陀仏」と応えるだけです。それ以上のことは何もありません。

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