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メールマガジン「あわいを、問いつづける。」2通目

こちらでは、月に二度配信しているメールマガジン「あわいを、問いつづける。」の一部抜粋したものを記しています。

「センジュ出版がみなさんに約束したいこと」

センジュ出版は今年、社内の、社外の、大切な友人たちとの間で守り続けたい「約束ごと」を言葉にしました。
それが「あわいを、問いつづける。」です。
このメールマガジンのタイトルでもありますね。

コロナ禍、実を言うとセンジュ出版は何度目かの、でも少し深刻になりそうなピンチを迎えていました。
なにしろ、それまで直接本を手渡すようにして販売することが多かったこの会社にとって、人と会うことが禁じられたあの時期にはちょっとした絶望を感じることになり、私は数週間、誰とも会わずに家に引きこもってしまうほどでした。

でも結局のところ、その後にスタッフとの深い対話が始まりました。
「いい加減、センジュ出版の役割を、向かう先を、言葉にしてほしい。
 でないとまた、私たちは今回のように路頭に迷いそうになる」
当時のスタッフの業を煮やしたような物言いは、センジュ出版を思っての言葉でした。
私自身、これ以上落ち込みたくない、これ以上何かを失いたくない。
そうやって、この会社には何があるのか、何があったのか、そしてどこに進むのか、というテーマでの、スタッフとの対話が始まりました。

言葉にしては違うと感じたり、言葉にしては物足りなさを感じたり、この言語化の時間は長く感じられました。
ですが、1年ほど経ってサイトをリニューアルしようと決めた頃に、ようやく小さな言葉が口をつきました。

「あわいを、問いつづける。」

言語化し始めてから初めて、しっくりと心地のいい手触りの言葉が手のひらに浮かび、それはまるで、創業時からずっとそばにいてくれたかのような錯覚を覚えそうになるほど、どこかで懐かしさも滲む感触でした。

前回のメールマガジンでも書きましたが、センジュ出版の対話とは、「理性」と「感性」との対話を意味します。
この、一見対立しそうで矛盾しそうな二面性を、なぜか生まれながらに持ち合わせた私たちには、この肉体の中に理性と感性の「あわい」を閉じ込めている。
この、あわいから生まれる言葉であれば、そこに無理がない、うそがない。
つまり、守ることのできる、約束になる。

センジュ出版は企業や個人、活動や団体のブランディングを手がけていますが、ブランディングで最も重要視しているのは、「約束ごと」です。
いつどこで誰の前でも守ることのできる、無理のない約束ごと。
これが言葉になると、その旗印に共鳴する友だちと次々出会うことができます。
逆に、その言葉に共感しない人たちは目の前から自然と去っていくことになる。

あなたの理性と感性と。
それぞれ、喜んでいますか? 喜ばせていますか?
話を、声を、聞いてあげていますか?


創業時からずっと文章を書くように社内外から言われ続けてきたものの、それを自分が億劫に思っていた理由は、誰に向けて書けばいいのか私が気づけていなかったからです。
でも、ようやく始めることができました。
それは、センジュ出版が始まって8年経って、今はどんな友人たちに向けて書けばいいのか、その顔がたしかに浮かんでいるから。


「あわい」を大切にするあなたと。
出会えて本当によかったです。ありがとう。


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