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どうして読書?

先日、宿題の読書感想文を書き終えた息子が達成感を得ているようだったので、
「ね、本読むって楽しいでしょ」
と聞いてみた。
「うん、そうだね。面白い」
と口にした息子が、
「宿題の読書って、漫画じゃダメなの、どうしてなのかな?」
とたずねるので、
「お母さんは漫画でもいいと思うけどね。いい漫画、いっぱいあるし。
 でも、たとえば文字だけの本の中に『犬』ってだけ書いてあったら、お母さんとあなたと、思い浮かべる犬は違うよね。
 ある人は小さなチワワを思い浮かべるけど、ある人は大きなゴールデンレトリバーを思い浮かべるかも。
 お母さんはさ、そうやって、読む人によってそれぞれ本の世界が変わるところが、文字の本の好きなところなんだよ。だからずっと、本を作る仕事してるんだ。本作るの、楽しいよ」
と話す。
すると息子は、
「へ〜、お母さん、すごいんだね。本、もうちょっと読んでみようかな」
と、ニコッとしながら本棚にその手を伸ばした。

「読んでない本でもいいし、読んだ本を何度も読んだっていいし、本は、どんなふうに読んでもいいよ」
声にしながら、その自分の声はどこか、本棚の本から聞こえてくる気もする。

本は、どんなふうに読んでもいい。
なぜなら、本に何が書いてあるか決めているのは、あなただから。
そして、そのタイミングも、あなたが知っているから。

本はいつだって、すぐそばで、
そこに書かれているものを見つけ出してくれる人を、その瞬間を、
ときどき口笛なんか吹きながら、しずかに待っている。


息子のこれからに、あなたのこれからにも、本が味方になってくれますように。


#今日の一冊
#わたしの名前は 「本」
#ジョン・アガード
#244 /365

#読書

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