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【story3】築90年の茶寮と暮らし(KiKi北千住)-千住暮らし100stories-

KiKi北千住 きさらちさと 30歳

こんにちは。千住東の裏路地で、築90年の家をセルフリノベーションした日用品と喫茶の店「KiKi北千住」を夫婦で運営しているきさらちさとです。

2018年10月に「KiKi北千住」(当時はKiKi千住東の家)は7カ月間のセルフリノベーション期間を経て、オープンしました。当初この場所は住居兼イベントスペースとして、住み開きを行っており、私たちのやりたいことの実験の場として活用していました。

北千住との出会い

私たちはまだ夫婦になる前に、それぞれ都内の別の場所に暮らしており、足立区には縁もゆかりもなければ、北千住に来たこともありませんでした。

一緒に住む家を探すにあたり、住み開きができる家を都内で探している中で、

家探しの条件であった

・商店街があって、歩いていて楽しい街であること

・街に文化や歴史があること

・DIYができる物件であること

を見事にかなえた物件に出会うことができ、私たちの千住暮らしが始まりました。


しばらくして住み開きは止め、地域にもっと開いた場所にすべく、2020年6月に日本茶喫茶として再オープンし、現在に至ります。

ここから下の写真は、先日社屋建て替えのために閉店した「文具トラヤ」さんでおこなっていたガレージセールで見つけたインスタントフィルムカメラで撮影してみました。現像するまで撮れているかどきどきでしたが写真とともに、私の千住暮らしをつづってみます。

顔が浮かぶ人に会いに行く

どこか別の街へ出かけるのではなく、この街の中で遊べるのがいいなと思います。観光地のような場所というわけでもなく、暮らしの延長に楽しみがあるような。

個性的なお店が沢山あるので、千住に暮らす友人とそれぞれの行ってみたい!を持ち寄って、休日に出かけるのが楽しいです。最近はわざわざ機会を設けるようにしています。いつか行こうと思っていると、いつの間になくなってしまうのではないかという危機感も最近少し増えました。

この日は千住寿町の古民家複合施設「せんつく」内にあるパン教室、「千住コトノワ」さんへ伺いました。

KiKi北千住の改装をきっかけに、DIYの仕事も千住でいただくようになりました。この場所の漆喰もコトノワの清水さんからご依頼いただきみんなで塗った愛着のある場所です。

久しぶりに訪れたら、みんなで塗った床のワックスがつやつやと良い味に成長していて、嬉しくなりました。

千住元町に建築設計事務所を構える友人の空間である「Senju Motomachi Souko」の近くに、ずっと気になってる喫茶店「ミルクホールモカ」があったので、この機会に行ってみました。

ちょうど夕日が暖簾の隙間から差し込む席に座ってしまい、その席まぶしいでしょ~と言われたけれどそれもまた心地よい小さな空間です。人気メニューのクリームソーダは氷がないので、みるみるうちにぶくぶく沈み、大慌てで写真を撮りました。

炭酸の抜けた甘いぶくぶくの泡もまたおいしい。次はもう一つの人気メニューのナポリタンを食べに、お腹をすかせて行こうと思います。

歩いているだけで発見がある街

DIYをすることが多いので、南千住のロイヤルホームセンターによく行きます。途中隅田川を渡るとき、景色がひらけるので気持ち良いなぁ~といつも思います。

ジョギングする人、お弁当を食べている人、犬の散歩をしている人、楽器を吹いている人、日向ぼっこしている人…川沿いにはいろんな人がくつろぎに来ていて、のどかな気持ちになります。

入り組んだ路地をわざと歩いてみたり、個性的な家たちを見ながら歩くのもまた楽しいです。解体されてしまう家も多いのだけれど、そうやって街は新しいものと古いものが混じりあいながら少しずつ変化していくのかと思います。

KiKi北千住からも近い「音まち千住の縁」が運営する千住の文化サロン「仲町の家」で、子どもとくつろぎながら仕事をする日もあります。広い畳でのびのびできるし、窓から見えるお庭の植物に癒されます。都内にこんな鳥いるの?という珍しい鳥が遊びに来たり、季節の花が咲いていたり、四季を感じることができる貴重な場所です。

ご近所さんに子育て用品をいただいたり、子育てのちょっとした不安を相談することもあります。

シェアハウスで街を拡張する暮らし

2020年の冬に始まり、住み込み管理人をしている千住大橋のDIY可能シェアハウス「日日nichinichi」。築90年の一軒家をフルリノベーションしました。ここは先ほどご紹介した「Senju Motomachi Souko」の石村さん、根市さんが設計を担当してくれています。大工さんに下地まで仕上げてもらい、その後は入居者が自由にDIYできる物件です。DIYをやったことがない方へも、管理人の私がサポートをしています。床を貼ったり、漆喰を塗ったり、思い思いの部屋が少しずつできてきました。(住民募集中)


家のDIYをしたり、思い立って冷蔵庫にあるものでお弁当をこしらえ、近くの公園にピクニックをしに行ったりして過ごしています。

一人じゃなかなかやらないことや、行かない場所も、気軽に誰かとやってみたり行ってみたりすることのできる関係性をつくって、街とつながっていけたらいいなと思います。

近くのシェアハウス「ショウガナイズ」や「チョイふる北千住」など、シェアハウスの住民同士の交流もあるのが街に大家族がいるみたいで、すごく楽しいです。

まだまだ行きたいと思ってリスト化しているところが沢山ある状態です。自分の暮らす街で、楽しみがたくさんあるというのはとても豊かなことだなと感じます。

自分たちが運営しているお店も、みなさんにとって楽しみの一つになれたらいいなと思いながら、過ごしています。

Profile きさらちさと
暮らし方デザイン夫婦ユニット「KiKi」のデザイン・物販担当。 北千住の裏路地にある、築90年の家をセルフリノベーションした小さなお店「KiKi北千住」店主。
美術大学でデザインを学んだ後、 デザイン日用生活品の商品開発を行う会社で、企画からものづくりの製造現場に携わる。独立後、デザイン業務(ロゴ・パッケージ・写真撮影)や記事執筆業のほか、 DIYワークショップの企画や運営などを行っています。

Instagram:@kikikitasenju
Twitter:@kikikitasenju
URL:www.kikikitasenju.site

取材:2021年1月

写真・文:きさらちさと

文中に登場したお店

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