中年女性の間で増加中! 肝臓の敵、自己免疫性肝炎
自己免疫性肝炎は中年以降の女性に多くみられる疾患として知られています。この記事では、この病気の原因、症状、検査・診断方法、治療法などを詳しく解説します。
自己免疫性肝炎の概要
自己免疫性肝炎は慢性の肝臓病で、中年以降の女性に特に多く見られます。具体的な原因は明確には分かっていませんが、遺伝的な要因が関与しているとされます。この病気では、本来は体を守るべきリンパ球が、間違って肝細胞を攻撃してしまいます。その結果、肝細胞で生成される酵素ASTとALTの値が上昇します。
病気の進行は概ね緩やかですが、肝硬変や肝細胞がんといった合併症のリスクが伴います。一方で、症状が急激に現れる急性のケースもあります。2018年のデータによると、日本国内での患者数は約3万人とされ、その数は増加傾向にあります。
自己免疫性肝炎の症状
多くの患者さんは、初期において明確な症状を感じないことが多いのですが、病状が進行すると、だるさや食欲低下といった症状が出現します。特に、肝硬変の段階になるとむくみや黄疸(肌や目の白が黄色くなる)、かゆみや意識障害などの重篤な症状が現れることがあります。
検査・診断
多くの場合、健康診断の結果をきっかけに自己免疫性肝炎の診断が進められます。診断のプロセスとしては、他の肝障害の原因を除外するための検査が行われ、その後、自己免疫性肝炎の特徴的な指標であるIgGの値や抗核抗体のテストが実施されます。最終的な診断は、肝生検による病理検査で確定されます。
治療法
治療の第一選択として、副腎皮質ステロイドの投与が行われます。しかし、これだけでは症状が改善しない場合や、副作用が出る場合は、ウルソデオキシコール酸や免疫抑制剤のアザチオプリンが併用されることもあります。
まとめ
自己免疫性肝炎は、中年以降の女性に多い疾患ですが、早期発見と適切な治療で、その進行を遅らせることが可能です。定期的な健康診断を受けることで、この病気の早期発見に繋がります。特に中年女性の方は、注意深く自分の体の変化を観察し、何か異常を感じたら専門医に相談することをおすすめします。
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