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【シニアの山歩き】天空の城 備中松山城〜4時間のツアー記


かたづけをしたとき、何年も前に買ったトレッキングシューズが出てきた。
また山歩きがしてみたいという気になり、11月中旬、日帰りツアーに参加し、4時間くらいの山歩きを楽しんだ。
初めて訪れた場所だったが、歩いてみると多くのことが得られ、こころも体も元気になった。

備中松山城の魅力

備中松山城の本丸は岡山県中西部の高梁市にある。4つの峰からなる臥牛山(がぎゅうざん)にあり、国の重要文化財で、日本百名城の中でも、唯一天守を持つ山城として残っているものだという。
秋から春にかけての早朝には雲海も楽しめるそうだ。

山登りウオーキングのルート

高梁市観光駐車場(標高60m)出発⇒中洲橋⇒ふいご峠(標高290m8合目駐車場)⇒備中松山城(標高432m)【昼食】⇒臥牛山(標高487m)⇒大松山城跡(標高470m)⇒大松山吊り橋⇒市道駐車場(標高450m)⇒雲海展望台
 ➡帰路へ

1 城下町の『街並み』を楽しむ

観光駐車場から、ガイドさんと添乗員の方を含めて12人で出発した。
「男はつらいよ」の映画で2度もロケ地となった街並みらしく、武家屋通りやお屋敷の門など風情を感じた。
明治22年に建てられた高梁キリスト教会堂は県内で最も古い教会だそうだ。ゆっくりまわってみるのもおもしろそうだ。

風情ある町並み


寅さんの映画に使われた門


キリスト教会堂

2 中洲橋から『ふいご峠』まで

武家屋敷を通り過ぎて、澄み切った流れの小高下谷川に沿って歩き、中州橋に着いた。ここから遊歩道に入り、まずは『ふいご峠』をめざして登る。

登城口(遊歩道入口)


前日が雨だったにも関わらず、道はほとんどぬかるみもなく、歩きやすかった。紅葉は例年より枯葉が多いとのことだったが、それでも太陽に照らされキラキラと光る葉っぱたちで十分楽しめた。
サルやシカも時おり見られるそうだ。

大石内蔵助腰掛の石

途中、大石内蔵助が座ったといわれる大きな『腰掛石』があった。歴史上の人物もこの道を登ったんだと思うとワクワクした。登城口近くの高梁高等学校の所在地は、お城の城主が滞在していた御殿の跡地で、有事や行事の際にはこの道を通って天守に上がっていたそうだ。

遊歩道はほとんど昔のままだろうから、歴史を知ると同じ道でも違って感じられるから不思議なものだ。

ふいご峠は、シャトルバスの乗降場所となり、観光客でにぎわっていた。外国人の姿も多かった。

3 ふいご峠から『天守」まで

ふいご峠で一息ついた後、我々ツアー組は山道に戻り、標高432mにある『天守』をめざした。
体を動かすので汗が流れる。気持ちいい汗だ。
お城に近づくと整備された石段が多くなり、ところどころに石を切り出した時の楔の跡が見られた。

楔(くさび)の跡


大きな岩山に建つ山城は、石垣の築き方などが工夫され、興味深いものだった。

もうすぐお城に着く!大手門前


天然の岩盤の上に築かれた石垣

4 『備中松山城』入城

出発から途中休憩をはさんで約2時間歩いた後に、二の丸で昼食を取った。
その後、本丸で猫の『さんじゅーろー』のお出迎えを受けて天守に入った。

おとなしい「さんじゅ-ろー」

天守には靴を脱いで上がったが、内部は明るくキレイだった。
囲炉裏や装束の間、神棚などがあり、建物は大きな木を組んで作られていた。城主が着替えをする装束の間は、床下に石を敷き詰めて賊が入れないようにされているそうだ。
改修を繰り返された大きな柱の継ぎ目も見てとれた。石を落として敵を攻撃する仕掛けや敵から内部が見えにくいようにする格子窓も作られていた。

5 周辺の『遺構めぐり』

天守を見た後、オートロックの”しかけ”がある引き戸を開け、遺構をめぐる山道に出た。
敵を防ぐ切通(きりとおし)や番所跡、戦いをくり広げた戦場跡、城主もお参りしたという天神社跡、備中松山城の始まりとなった大松山城跡などを見て歩いた。
5~600年以上も前から状況に合わせて姿を変えてきた風景だろうが、ガイドさんの説明で当時の武将たちの動きが想像でき、歴史が身近なものに感じられた。

古戦場跡


「大松山吊り橋」は下をのぞくと気が遠くなりそうなほど高いが、景色もよい。長い橋をわたって、しばらく歩くと雲海展望台に着いた。

大松山吊り橋

6 雲海展望台

展望台からは、先ほど歩いて来た1,500m先にある天守や高梁市街が見渡せた。

雲海展望台


雲海展望台から備中松山城と市街を眺める(あそこから歩いてきた!)


今回は見れなかったが、雲海はYouTubeで午前4時から午後11時まで、高梁市のホームページでライブ映像も配信されている。
秋から春にかけて、早朝の幻想的な雲海を楽しみたい。(下をクリックすると見られます。)


ツアーのメンバー

全行程4時間ほどのウォーキング。
険しい山ではないが、特にお城までは坂道も階段もありそれなりに体力を必要とした。

登り始めてしばらくして、後方から「もう少しゆっくり歩いてください。」という声がした。この山に慣れている地元のガイドさんが先頭だったので、速すぎたのかも知れない。
声をあげたのは、重いリュックを背負う85歳の男性だった。それ以降はこの方がガイドさんの後ろについた。83歳の女性もおられたが、話を聞くと二人とも1、2週間に1回は自宅近くの山を登っているという。
この先輩方の歩き方には年齢を感じさせない力強さがあった。

男の人が声をあげたのをきっかけにして、知らない人同士も声をかけ合うようになり、チーム感がでてきた。
登頂をただ目指すだけでなく、ゆとりもあってリスクも低く、知ることを楽しめるツアーはシニアに向いている。帰りに立ち寄った温泉に浸かりながらそう思った。

おわりに

久々にはいたトレッキングシューズは、まだ使えそうだ。動ける体づくりをしてこれからも活躍してもらおうと思う。

断捨離をまぬがれた!


最後まで読んでくださりありがとうございました。

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