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BARTIMAEUSいまでも熱い

先日バーティミアス ソロモンの指輪(フェニックス、ヤモリ、スナネコ編)を読み終えました。16歳のときにサマルカンドの秘宝、ゴーレムの眼、プトレマイオスの門を読んだのでやっと全シリーズの読破です!長かった。ソロモンの指輪が出版されたのが2012年なので8年越しです。今日はバーティミアスについて特に紹介したいことを書きます。

バーティミアスとは

ジョナサン・ストラウド氏による作品で日本では理論社より2003年から出版された小説。日本では児童文学に主に分類され、図書館や本屋さんでは児童文学コーナーで見ることができます。現在はサマルカンドの秘宝、ゴーレムの眼、プトレマイオスの門の3作とバーティミアスの外伝であるソロモンの指輪が出版されています。

魔術師のナサニエルがジンのバーティミアスを召喚し、ロンドンを舞台に政府や高官を欺きながら復讐を果たしていくという、入りだしがなんともダークなお話です(前作の内容です。ソロモンの指輪は外伝としてまた別のお話です)。

注意点ですが、ナサニエルは魔法使いではありません。魔術師です。呪文、ペンタクル、魔具を使い、精霊を呼び出します。その精霊と主従関係を結び精霊に仕事をさせます。自身でも呪文を唱え精霊に罰を与えたりすることはできますが、主に精霊が魔術を使うシーンが多いです。決して杖を振って羽を浮かせません。決してほうきに乗って空を飛びません(精霊の上に絨毯を敷きその上に魔術師が座っている描写はあります)。なので全くといっていいほどハリーポッターとは全くの別物なのです。ここ大事です。

ハードカバーが熱い!

さて本好きとしてたまらない点があります。それはなんといっても前作3部作のハードカバー!そして本の分厚さ!手に載せると手首が痛くなります。1冊600ページ越えは当たり前で挿絵が一切ありません。ネバーエンディングストーリーを思い出しますね。3冊合わせたら本棚の場所取りすぎでしょというぐらい取ります。それでもやっぱりハードカバーがかっこいいんですよね。本を開く時の重さがその世界に連れてってくれるような気がして。

少し外れますが私が1作目のサマルカンドの秘宝を読んだのは16歳の時。父のコレクションの中にあった1冊を無造作に引っ張り出したのが出会いです。そこからはまりにはまり、家に1冊しかなかったため残りの2冊を必死で買って読み耽りました。

さてそんなハードカバーのバーティミアスですが、ソロモンの指輪だけは違います。日本で出版されたソロモンの指輪は単行本よりは大きいソフトカバー3冊で1話分でした。そのため、なぜか買う意欲がわかず。つい先日立ち寄った図書館で見つけて8年越しに読んだ次第です。現在は前3作も単行本サイズのものが発売されているみたいですが、バーティミアスを読む時はハードカバーがおすすめです!(ただ現在出版社からハードカバーが出版されているかは不明)できればソロモンの指輪もハードカバーで出版して欲しかったなあ。

世界観がダーク

なんといってもその世界観がたまりません。前3作はとりあえずダークです。霧のロンドンが想像できます。学校に行って友達と授業を受けるとか、信頼できる友達がいるとかの青春感がほとんどない!ナサニエル孤高すぎ!その代わり1人で復讐に燃えるナサニエルの意思の強さがうかがえます。

言わずもがなバーティミアスもダークさに一役買っています。妖霊というその異様さは見過ごすことができません(悪魔と呼んではいけません。バーティミアスが怒ります)。主人が呪文を間違えようものなら、口を開けて主人をぺろっと腹に納め主従関係を解消させます(読んでいてちょっと震えました)。

一方でバーティミアスはお茶目な一面も多くて、結構おしゃべり好きです。このシリーズ本少し特殊で、バーティミアス視点で書かれた章と第三者視点で書かれた章が交差しながら物語が進んでいきます。なので読んでいくと事実の裏と表が分かるようになっています(この辺りも魅力の1つです)。その中でもバーティミアス視点の章では注釈がつきます。物事に対するバーティミアスの自慢だったり、さらなる詳細だったり。バーティミアスのおしゃべり好きが見て取れます。

しかし注釈が長いことも結構あって。注釈も加えたら読者はなかなかの文字数を読んでいると思います。

スピード溢れる物語

そして、なんといってもやっぱり物語の展開が面白い!最初は世界観や、魔術師、バーティミアスのような妖霊の把握が大変難しいです(ジン以外にも他の種類の妖霊がいます)。なので最初は根気よく読む必要がありますが、その世界観がつかめるころには物語も次の展開に進んでいます。その展開がスピード感溢れ、失速することがありません!3分の1を読んでしまうと後はもう読む手が止まらなくなります。ただこの本、とても細かく描写をしているわけではないので読み手の想像力も欠かせません。読み手によって世界観が変わるのも読書の醍醐味ですね。

さいごに

バーティミアスシリーズの少しをご紹介しました。興味を持っていただけた方はぜひ読んでください!そしてバーティミアスファンになった際にはバーティミアスを語り尽くしましょう。物語の内容、好きなところをさらーっとしか触れていないので、まだまだお話ししたいことはありますがそれはまた今度。

最後に。バーティミアスは一度映画化する話が出ましたが結局映画化がされることはありませんでした。しかし!2019年、新たに映画化、ドラマ化の話が出てきたようです。どんな世界観で描かれるのかとても楽しみです。当時では表現できなかったことが年月のおかげで表現できるようになっているかもしれません。これを見逃す手はありません。あぁ楽しみだなあ。

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