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簡単戦国解説11【精鋭部隊・赤備え】

 このコーナーでは戦国初心者さんに向けての簡単戦国解説を書かせていただいております。戦国時代や戦国武将さんに詳しくないという方にも、分かりやすくお伝えできるよう心がけました。出回っている文章情報よりふりがなを少し多めに記載しております。「それぐらい読めるよ!」って方も暖かく見ていただけると幸いです。

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 今回のテーマは【精鋭部隊・赤備え】 


皆さま、赤備え(あかぞなえ)という言葉を聞いたことはありますでしょうか? 戦国ファンの方にはおなじみですが、「え、何それ?」って方もおられると思います。
赤備えとは、赤の装備で統一された将兵、および部隊のことです。彼らは精鋭部隊で勇猛果敢といわれ、優れた戦働きをしたとされます。
 

徳川家康と赤備え

元亀(げんき)三年(西暦1573年)の三方ヶ原の戦いにて、徳川家康は武田信玄に惨敗します。武田軍の赤備えを率いるは山県昌景(やまがたまさかげ)。武田四天王の一人に数えられる猛将です。家康は絶体絶命のピンチに追い込まれるも、なんとか生き延びます。

そして慶長(けいちょう)二十年(西暦1615年)の大坂夏の陣。徳川家康はまたも敵の赤備えによってピンチに追い込まれます。率いるは真田信繁。家康は自害を覚悟するも、なんとか生き延びます。

そんな家康さんが率いる徳川軍にも赤備えの部隊がおります。率いるは井伊直政。徳川四天王の一人にして、赤鬼と呼ばれ恐れられた猛将です。

メリット・デメリット

「強さと甲冑の色は関係なくない?」

と思う方もおられるかも知れません。たしかに、強い人は強いし、そうでない人はそうでないというのは、ある意味正しいでしょう。ですが、まったく関係ないわけでもありません。

赤い甲冑は目立ちます。と言いますか、目立つために赤くしているとも言えます。戦場で目立つということは、敵から狙われやすくなることもあり、不利に働く可能性もありますが、逆に

「死を恐れず戦う覚悟がある」

という意思表示にもなります。それに、良い戦働きをしたときにも目立つことになり、高評価に繋がりやすい。もっと言えば、精鋭部隊を名乗っているようなものだから、恥ずかしい戦い方はできません。

なのでそういった理由から、覚悟が決まりやすい、士気が上がりやすいという側面はあったと思われます。
 

真田信繁は赤くないかも?

赤い甲冑と聞いて真田信繁を思い浮かべる方もおられると思います。
真田幸村は知ってるけど、信繁は知らないな~って方もおられるかも知れませんが、同一人物です。幸村というのは創作作品にてつけられた架空の名前。
そんな真田信繁ですが、彼の甲冑は赤くないかも?なんて話があります。

真田の赤い甲冑、これは古文書に記述が残っています。絵も残っており、『大坂夏の陣図屏風』というものに赤い装備の真田隊が描かれています。
なので、

「じゃぁ真田信繁さんは大坂夏の陣で赤備えだったんでしょう!決定ぇ~~~!」

としたいところですが、残念ながら本人が着ていた甲冑が残っておりません。記述があって絵も残ってるんだったら決定でいいじゃん! と言いたいところですが、これが必ずしも正解かと言えば、確証とまでは言い難い。
なので、

「おそらくは赤備えだったんだろう」

とまでしか言えません。私も現状は、彼らが赤備えだったという説を支持しております。が、「現状は」という言葉を外せません。もしかしたら、そうではなかったという史料が今後見つからないとも限りませんので。

以前TikTokにてこの話をした際に、赤備えではなかった説を支持するコメントがありました。当時、赤い塗料は高価だったため、浪人である真田信繁が赤い甲冑を所持することはできないだろうという主張でした。

それに関しては、負ければ滅ぼされてしまうであろう豊臣家が出資した可能性はあるので大いにあり得ると、私は考えております。

また、嬉しいニュースとしまして、一族ゆかりの方の個人宅から赤い甲冑が見つかりました。残念ながらそれが、大坂の陣のときに真田隊が使用したかまでは分からないので、あくまで「その可能性が示唆される」に留まります。

それでも、私は嬉しいなと思います。
 

歴史は常に闇の中

なので私は

 「こうゆう史料があります」

 「こうゆう説があります」

 「私はこう考えております」

 でも!

 「実際にはわかりませんよ」

というスタンスで歴史と向き合っております。

はい、そんなわけで今回のテーマは【精鋭部隊・赤備え】でした。ここまで読んでくださりありがとうございました。

戦国パンダ部長のⅩ(旧Twitter)
https://twitter.com/@sengokupandabc

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