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(米国株式市場11月8〜12日)今週の合戦の振り返り!代表株価指数下落、先週までの強すぎる上昇から一服。米CPIは10月は前年比6.2%上昇で31年ぶりの伸び率を記録。NAAIMナンバーは引き続き100超えでアクティブファンドの強気姿勢は変わらず。来週はNVDA、SE、DLO、HD、WMT、BABA、JDなどが決算。

おはようございます。今週はBNPL銘柄の決算などもあり、お祭り騒ぎでしたね。株価もお祭り騒ぎで困ったものでした。

それでは、今週のマーケットも振り返っていきましょう。

先週の合戦については以下↓↓↓

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今週は私(@hidejiromoney)がマーケット週報を担当します。

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1. 今週の合戦の要約

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・代表株価指数下落、先週までのS&P500指数は7連勝、NASDAQは10連勝などから一服。
・売り抜け日はS&P500が2、NASDAQが1。引き続き「Confirm Uptrend(確固たる上昇相場)」を継続。特に金曜日は引けにかけて指数が強く一旦は一安心と言える。
・米CPI発表。10月は前年比6.2%上昇で90年11月以来の31年ぶりの伸び率を記録。10年債利回りは若干の上昇。
・VIX、Put Call Ratioは異常なし。
・NAAIMナンバーは引き続き100超え。アクティブファンドの投資はまだ強気。
・決算シーズンピークを通過。来週はNVDA、SE、DLO、HD、WMT、BABA、JDなどが決算。

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2. 代表株価指数動向(&強気相場 or 弱気相場判定)

□各指数の動き

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先週はラッセル2000が+6%、ナスダックが+3%などとしていました。今週は急速にブレーキがかかり、上記代表指数は一服しています。金曜日の引けにかけて株価指数が上昇していたため、まだまだ弱気になるのは時期尚早です。

全て50MA上にあり、来週のラリーに期待したいですね。


□現在は強気相場?弱気相場?

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「Confirmd Uptrend(確固たる上昇相場)」継続です。この程度の売り抜け数ではまだまだ手を緩める段階ではないです。

強気相場の特徴である引けにかけて強い動きが金曜日に出ていました。ポジティブな心持ちで月曜日を待てそうです。警戒感の強いマーケットになったらツイッターかこの週報で発信できたらと思います。

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(売り抜け日とは?)

売り抜け日カウントが以下を満たせば天井圏の下落警戒となります。

● 前日より出来高が増加し且つ指数が0.2%以上下落する売抜日カウントが4週間-5週間で3-5日起こる。(上昇中に発生)
● 2-3週間という短い期間で売抜日が4日あっても注意が必要。

(売り抜け日カウント数とは?)

前日比で0.2%以上のマイナスを前日以上の出来高ともなって記録した日を「売り抜け日」とカウント。4-5週間で4-5日あれば天井から下落の可能性あり。2-3週間という短期間で売抜日が4日ある場合も注意が必要。

「フォロースルー日」を迎えたらカウントはリセット。「フォロースルー日」は下落局面で前日比プラスで引けた日から4-7営業日後に出来高を伴って大幅に上昇した日のことを指す。また、カウントから25営業日経過後にも消滅する。

ただ、上位の条件を満たさなくても売り抜け日がカウントされることもあります。これは「指数が失速する」という意味のカウントとなっています。

指数が活発な出来高の中で上昇していくなかで、前日と同じような出来高なのに停滞した場合にカウントがなされることがあります。

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3.セクター別(1week)

□ S&P500

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今週はイーロン・マスク氏の持株売却事件でTSLAが-15.44%です。


PYPL、DISは決算結果で急落。AMDは+8.47%と強さを取り戻しました。AMDはオニール式で教科書通りの投資でしたが奏功しています。


参考までに、今週決算があり編集部で分析したのは以下の銘柄です。人気銘柄の決算が多かったですね。


□ セクターETF騰落率 Highlight(1week)

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金鉱株ETFが強い動きを見せました。銀も強い動きを見せましたね。行き過ぎた米CPI結果(前年比+6.2%...)をもとに素直に上昇しました。

GDXJ+7.24%, GDX+6.17%, SLV+4.79%


4. FRB動向

(FRBの金利動向に気をつける)過去を振り返ると、FRBの金利が引き上げられたことがきっかけで弱気相場が始まり不景気に突入した歴史があります。弱気相場が終わるのは金利が下げられた時が多いです。

最も簡単で役に立つ金融指標はFederal Fund(FF)レート(政策金利)。コンピューターによる自動売買や様々なヘッジサービスによってリスクの高い弱気相場で発生する株価の下落から資金を守るために、ポートフォリオの大部分をヘッジするファンドが現れました。金利が急騰する場面は相場が下落しやすい仕組みになっています。


□ Highlight

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参考:米FRB特集

□ 先週のHighlight(11月1〜5日)

◇ 全般

・(FOMC)予想通りテーパリング決定、来年6月まで段階的に実行。
・米国債月100億ドル、MBS月50億ドルのペース(ペース調整あり得る)。
・利上げは経済状況次第、躊躇はしない。

◇ FOMC・パウエル議長発言(11月3日)

・インフレは大半は一時的で2022年半ばの低下を予想。
・供給制約は「予想以上に長期化」。
・最大雇用達成まで利上げは忍耐強く見極める姿勢を強調。
・ボトルネック解消によってインフレ沈静化は2022年半ばの予定。
・来年後半には完全雇用達成の可能性ある。
・賃金は力強く上昇。

◇ FOMCを受けた各資産の動き

・米2年債は0.44%台から0.47%台まで上昇。
・一方10年債は1.52%台から1.6%まで上昇。短期債に比べて長期債の上昇が大きいベアスティープ二ングが発生。将来の金融引き締めと景気回復を見込む動き。
・ドルの強さを表すドルインデックスは94台から93台後半に押し戻されるも朝方にかけ回復。
・インフレに対する忍耐強い姿勢を受けて株価指数は揃って上昇。

◇ 雇用統計

・結果+53.1万人(予想+45万人)
・全般的に雇用者に伸びも政府部門の△73千人を民間+60.4千人がカバー。
・輸送・移動部門やレジャー部門など経済再開に向けたセクターが堅調。
・失業率4.6% (予想4.7%)。
・9月分は+19.4万人から+31.2万人に修正。
・平均時給9月比+0.35%。


□ 今週のHighlight(11月8〜12日)

◇ 米CPI

・米CPI、10月は前年比6.2%上昇で90年11月以来の31年ぶりの伸び率を記録。
・ガソリンや食品価格が上昇、前月の5.4%上昇から加速し、市場予想の5.8%上昇も上回った。
・前月比は0.9%上昇。9月の0.4%上昇から加速し、予想の0.6%を上回った。
・10月の内訳では、ガソリンが6.1%上昇。9月は1.2%上昇していた。食品は0.9%上昇。
・肉、卵、魚、野菜、穀物、ベーカリー製品が上昇。一方、アルコール飲料は下落。

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□ ドットチャートの動き (9月FOMCの復習)

ドットチャートはFOMCメンバーによる金利予想です。

更新は3月・6月・9月・12月です。6月は3月から引き続き、2021年での利上げは見込んでいませんでした。しかし今回の9月のFOMCで見通しが大きく変更されました。全体的に高い金利に向かってFOMCメンバーの予想が動いていますね。

(最新ドットチャート)


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11月のFOMCでテーパリングが決定されました。来年6月まで段階的に実行。
米国債月100億ドル、MBS月50億ドルのペース(ペース調整あり得る)で実施されます。利上げは経済状況次第、躊躇はしないとのこと。12月のドットチャートにも注目ですね。


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◇ GDP見通し(前回→今回)
2021年:7.0%→5.9%
2022年:3.3%→3.8%

◇ インフレ見通し(前回→今回)
2021年:3.4%→4.2%
2022年:2.1%→2.2%

◇ コアインフレ見通し(前回→今回)
2021年:3.0%→3.7%
2022年:2.1%→2.3%

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□ FRBのバランスシート(BS)拡大・縮小動向

FRBは金利を引き上げる前に、まずはバランスシート(BS)の縮小(テーパリング、資産買い入れプログラムの変更)を実行することを見込まれています。

BSが拡大するということは、市場に流通する資金が増大して、景気を加熱させることに繋がります。

(2002/12/18-2021/11/10)

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Assets: Total Assets: Total Assets

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※資産買い入れプログラムについて、現在では米国債を月800億ドル(約8兆4千億円)、住宅ローン担保証券(MBS)は同400億ドルのペースで買い入れています。こちらのペースを下げることを「テーパリング」といいます。

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繰り返しになりますが、11月のFOMCでテーパリングが決定しました。来年6月まで段階的に実行されます。米国債月100億ドル、MBS月50億ドルのペース(ペース調整あり得る)で実施されます。買い入れのペースは緩まりますが、緩和は継続です。まだまだ金融相場は続きます。


□ ブレイクイーブンインフレ率

ブレイクイーブンインフレ率とは、債券市場が期待するインフレ率を意味します。

この1年間「5年ブレークイーブンインフレ率」と「10年ブレークイーブンインフレ率」は上昇基調で進んできましたが、5月に入り一服、6月に入り下落。横ばいが続いていましたが、10月に入り遂に上昇に転じました。上昇は11月の今も続いています。大丈夫なのでしょうか。

(2020/01/01-2021/11/12)

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10/5-Year Breakeven Inflation Rate


(2021/10/01-2021/11/12)

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これは歯止めが効かなくなっているのではないでしょうか?インフレが一時的というFRBの発言は無くなりましたが、これは...。米国債の動きを確認しましょう。


□ 長期金利(5&10年債利回り)

長期金利の動向は株式市場関係者は非常に注意深く見ています。10年債利回りと株式のバリュエーションはシーソーゲームの関係にあるからです。金利が上がれば(債券が売られれば)株の評価は下がります(あえて、非常に簡易的に表現しています、評価が下がるのはそれだけではありません)。

(2020/01/01-2021/10/28)

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10・5・2Year Treasury Constant Maturity Rate


短期債(2、5年)が上昇し長期債(10年)が下落するという動きが先週は見られ、利上げと景気過熱を織り込む「ベアフラットニング」の傾向がありました。ベアフラットニングの意味はまぁ、ググってください。すぐ出るので。今週は各長期債が同様の上昇をしました。

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債券金利は景気が過熱すると上昇していきますが、「急騰する」時のハイパーグロース株は売られやすい傾向にあるので注意です。

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5. プットコールレシオ

ここでは年初来からの比率(%)を観察します。直近の投資家心理を確認します。

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プットコールレシオ = Put売買金額 /Call売買金額

⑴プットコールレシオ > 1 = Putの売買代金が大きい = 投資家が株式相場下落を期待(悲観的)
⑵プットコールレシオ < 1 = Callの売買代金の方が大きい = 投資家が株式相場上昇を期待(楽観的)

で算出されます。つまりプットコールレシオが1を超えているということはPutの売買代金の方が大きく下落を警戒する投資家が多いことを意味します。これは相場が悲観的なことを意味しており相場の底局面ではプットコールレシオが高くなる傾向があります。

一方、プットコールレシオが1を下回っているということはCallの売買代金の方が大きく上昇を期待する投資家が多いことを意味します。ただ、これは楽観的であるということを意味しており、相場の高値圏ではプットコールレシオは低くなる傾向があります。

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PUT CALL RATIO CBOE


S&P500のプットコールレシオは0.76となっています。1を下回っています。以下に当てはまります。

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⑵プットコールレシオ < 1 = Callの売買代金の方が大きい = 投資家が株式相場上昇を期待(楽観的)

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投資家は楽観的です。まだ今のところ大口の売り抜けも大きくなく、積極的に投資ができる環境だと思います。


6. Volatility index(VIX指数/恐怖指数)

VIXとは市場で取引されている価格から逆算された「株式市場のボラティリティ」のことを指します。株価指数は上昇時は緩やかに上昇し、下落時は急落します。市場参加者が高いボラティリティを見込んでいるということは、市場に対して不安を抱いていると想像できます。


VIX指数は株価の先行きにどれほどの振れ幅(ボラティリティー)を投資家が見込んでいるかを示す「株価変動率指数」のうち、米国株を対象にした指数。通常、株安が懸念される局面で上昇し、20を超えると不安心理が高まっていると解釈される。その場合、「株価が今後1年間に約7割の確率で上下20%の範囲で変動する」と投資家が予想していることを示す。

2008年の金融危機の際にVIX指数が80超に上昇して注目を集めた。18年2月と10月にもVIX指数の上昇をきっかけに米国株が下落する場面があった。VIX指数の上昇に連動して機械的な株売りを出す「リスク・パリティ」などと呼ばれるファンドが存在するからだ。(引用:日経新聞)


S&P500指数(VIX:青)とNASDAQ(VXN:ピンク)のVIX指数の5年推移は以下となります。

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VIX/VXNの5年推移


コロナショックの際のVIXは本当にすごいですね。秀次郎が週報の時は毎日これを呟いている気がしますが、反対に言えばVIX20-25程度でビビってはいけないということでもあります。30を超え始めると本気で全撤退した方が良い水準になってきます(積立インデックスは残して)。


以下は3ヶ月の推移です。

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VIX:21.42、VXN:16.27

ナスダックが一時24まで上昇していましたが、落ち着きを取り戻しています。20を超えているのでやや不安心理が市場にはあります。


7. 空売り比率 (Short Volume)

空売り比率・ショートボリュームはNYSE(ニューヨーク証券取引所)で空売りされている株式の数をNYSEの総出来高との割合で示したものです。

この比率が高ければ投資家が市場をネガティブに見ていることが読み取れます。(「空売残」はShort Interestです。ここでは触れません)


特に暴落局面で注視するのが有効で弱気相場が底をつける時というのは空売りの「急増を示す数値の上昇」が通常2回か3回現れると成長株の巨匠・オニール氏は言及しています。

それではまずS&P500指数の空売り比率は以下となります。S&P500指数で最も取引Volumeが多いETFであるSPYで見ていきます。


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SPY - Short Interest - SPDR S&P 500 ETF Trust - Short Squeeze, Short Sale Volume, Borrow Rates, Fails-To-Deliver

落ち着いていますね。

ナスダックについても取引ボリュームが大きいQQQでみていきたいと思います。

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QQQ - Short Interest - PowerShares QQQ Trust - Short Squeeze, Short Sale Volume, Borrow Rates, Fails-To-Deliver

ナスダックは11/2、3、8、9に大きな空売りが見られます。そもそも空売り比率がSPYよりも高く推移するのがQQQですので、急激とまではいきませんが、一応この動きは頭に入れておいた方が良いかもしれませんね。少し警戒心を持っておきましょう。


8. 機関投資家やアクティブファンドマネージャーの動向


□ センチメントインジケーター

センチメントインジケーターは、個人投資家、機関投資家、海外投資家の過去12か月の株式ポジションと比較したもの。スコアが1を超えていたら、ポジションが増大していることを示し、-1を下回るとポジションが縮小していることを示しています。


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Sentiment Indicator and Stock Positioning


1月8日更新「0.3」(11月1日は「0.2」)。ファンドポジションは復活してきています。11月〜1月は例年相場が強いですが、1を超える水準まで来ると良いですね。


□ NAAIM Number

次にNAAIM Numberです。NAAIM Numberはアクティブファンドの投資動向です。100を超えるということはアクティブファンドがレバレッジをかけていることを意味します。


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NAAIM Exposure Index


103.69%。先々週から継続してアクティブファンドも今は勝負しています。我々個人投資家もこの大口に乗っかってどこまでも利益を伸ばしていきましょう。積極的に機関投資家が買っている銘柄を買ってください。それしか上がりません。


9. 注目経済指標の動向

以下が今週の経済指標発表でした(マネックス経済指標カレンダーを参考)。今週は米CPI発表がありました。前年比6.2%と震え上がってしまいました。落ち着いて欲しいですが、どうでしょう。

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来週は小売売上高やNY連銀製造業景気指数などの発表があります。


10.来週の決算

だいぶ決算シーズンも落ち着いてきました。マネリテ編集部からはSEとNVDAで速報を出したいと思います。

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総括

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・代表株価指数下落、先週までのS&P500指数は7連勝、NASDAQは10連勝などから一服。
・売り抜け日はS&P500が2、NASDAQが1。引き続き「Confirm Uptrend(確固たる上昇相場)」を継続。特に金曜日は引けにかけて指数が強く一旦は一安心と言える。
・米CPI発表。10月は前年比6.2%上昇で90年11月以来の31年ぶりの伸び率を記録。10年債利回りは若干の上昇。
・VIX、Put Call Ratioは異常なし。
・NAAIMナンバーは引き続き100超え。アクティブファンドの投資はまだ強気。
・決算シーズンピークを通過。来週はNVDA、SE、DLO、HD、WMT、BABA、JDなどが決算。

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