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【GOOGL・GOOG/Q2-2021決算速報】検索エンジン(広告)、Youtube、クラウドサービス等を展開するGAFAMの一角企業「アルファベット(Google/グーグル)」、2021年第2四半期の結果は売上◎、EPS◎。市場予想を上回りAHで株価上昇。世界各地でオンライン活動が活発化を受けて業績を大きく向上。CANSLIM定点観測。

このマガジンは取り上げた企業の投資を推奨する意図は全くないことを改めて確認いたします。企業の業績チェック、ビジネスモデル、新着ニュースをシンプルに定点観測する読み物です。

(Alphabet Inc.の会社概要・歴史・ビジネスモデル考察は「【GOOGL/米国株銘柄分析】GAFAMの一角!陰キャラの下克上プラットフォームを展開する「アルファベット(Google/グーグル)」の概要, ビジネスモデル, 今後の株価見通し(将来性/成長性)を直近決算とオニール流CANSLIMの観点から考察。」を参照。)


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「Alphabet Inc.(ティッカーシンボル:GOOGL・GOOG)」のQ2-2021の決算結果が出ました。

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After Hourで株価は上げています。

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□ 2021年第2四半期決算結果:

※YoY = year over year(前年同期比)

・売上:$61.88B/YoY+62%(アナリスト予想$56.03B)◎
・EPS:$27.26/YoY+169%(アナリスト予想$19.14)◎
・TAC:$10.929B(前年同期:$6.694B)

・部門別売上高(&前年同期):

⑴GoogleSearch&other:$35.85B/YoY+68%(前年同期$21.319B)
⑵YouTube ads:$7.00B/YoY+84%(前年同期$3.812B)
⑶Google Network:$7.597B/YoY+60%(前年同期$4.736B)

⑴+⑵+⑶=Google advertising(広告売上合計)

=$50.444B(YoY+69%/前年同期:$29.867B)

・Google Services total:$57.067B/YoY+63.1%(前年同期:$34.991B)
・Google Cloud:$4.628B/YoY+54%(前年同期:$3.007B)
・Other Bets:192M/YoY+29.8%(前年同期:148M)■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■


2021年第2四半期決算結果

■ Revenue(売上高)

Q2-2021:$61.88B/YoY+62%(アナリスト予想$56.03B)

市場予想を超えてきています。この規模でこの成長率は考えられません。


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以下は過去の売上推移です。

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※YoY = year over year(前年同期比)

Q1-2018:$31.15B(YoY+26%)
Q2-2018:$32.7B(YoY+26%)
Q3-2018:$33.7B(YoY+21%)
Q4-2018:$39.3B(YoY+22%)
Q1-2019:$36.3B(YoY+17%)
Q2-2019:$38.9B(YoY+19%)
Q3-2019:$40.5B(YoY+12%)
Q4-2019:$46.1B(YoY+17%)
Q1-2020:$41.2B(YoY+13%)
Q2-2020:$38.3B (YoY-2%)
Q3-2020:$46.2B(YoY+14%)
Q4-2020:$56.9B (YoY+23%)
Q1-2021:$55.3B(YoY+34%)
Q2-2021:$61.88B(YoY+62%)←New!!

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Q1-2020後半〜Q2-2020はCovid-19が直撃。

しかし、その後人々の巣篭もりが続きました。そして、デジタルの活用が増えたことで、2020年第2四半期(Covid-19の影響が比較的少ない)を大きく上回る結果になりました。

世界中でオンラインの活動が引き続き活発化しています。


部門別の売上高は以下です。


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広告売上:

⑴ GoogleSearch&other:$35.85B/YoY+68%(前年同期$21.319B)
⑵ YouTube ads:$7.00B/YoY+84%(前年同期$3.812B)
⑶ Google Network:$7.597B/YoY+60%(前年同期$4.736B)

⑴+⑵+⑶=Google advertising(広告売上合計)=$50.444B(YoY+69%/前年同期:$29.867B)

・Google Services total:$57.067B/YoY+63.1%(前年同期:$34.991B)
・Google Cloud:$4.628B/YoY+54%(前年同期:$3.007B)
・Other Bets:192M/YoY+29.8%(前年同期:148M)

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■ EPS(1株当たりの当期純利益)


Q2-2021:$27.26/YoY+169%(アナリスト予想$19.14)

EPSも予想を大幅にクリアしています。前年同期の2倍以上です。


「バケモノ」という言葉をあまり使うのは好きではないのですが、このお方はバケモノです。

Googleの過去EPS(non-GAAP)とYoYの推移は以下の通りです。

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Q1-2018:$9.59
Q2-2018:$11.75
Q3-2018:$13.06
Q4-2018:$12.77
Q1-2019:$11.90(YoY+24%)
Q2-2019:$14.21(YoY+21%)
Q3-2019:$10.92(YoY-16%)
Q4-2019:$15.35(YoY+20%)
Q1-2020:$9.87(YoY-17%)
Q2-2020:$10.13(YoY-29%)
Q3-2020:$16.40(YoY+50%)
Q4-2020:$22.30(YoY+45%)
Q1-2021:$26.29(YoY+166%)
Q2-2021:$27.26(YoY+169%)←New!!

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EPS予想は「Yahoo Finance」で取れます。アナリストは保守的に予想を出すため、決算企業はこれを超えなければ市場から好感されません。今回は上述の通り大幅にクリア。

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Operating Income/Margin(営業利益/営業利益率)

Q2-2021:営業利益は$19.361B、YoY+203%

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!!!(2倍?)

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営業利益率は31.2%、前年同期は17%(Covid-19中の数字なので参考)。

このマージンの高さを生かして、後に触れる株主還元策(自社株買い)を実施しています。


■ 営業CF(キャッシュフロー)

Q2-2021:営業CFは$21.890B、YoY+56%

近年は営業CFが加速していることがわかります。


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Q1-2018:$11,642M
Q2-2018:$10,132M
Q3-2018:$13,210M
Q4-2018:$12,987M
Q1-2019:$12,000M(YoY+3%)
Q2-2019:$12,627M(YoY+25%)
Q3-2019:$15,466M(YoY+17%)
Q4-2019:$14,427M(YoY+11%)
Q1-2020:$11,451M(YoY-5%)
Q2-2020:$13,993M(YoY+11%)
Q3-2020:$17,003M(YoY+10%)
Q4-2020:$22,677M(YoY+57%)
Q1-2021:$19,289M(YoY+68%)
Q2-2021:$21,890M(YoY+56%)←New!!

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■ フリー・キャッシュフロー

Q2-2021:営業CFは$16.394B、YoY+91%

COVID-19時期を乗り越え、デジタル需要増加と共にFCも増加。

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Q1-2018:$4,343M
Q2-2018:$4,655M
Q3-2018:$7,928M
Q4-2018:$5,906M
Q1-2019:$7,362M(YoY+70%)
Q2-2019:$6,501M(YoY+40%)
Q3-2019:$8,734M(YoY+10%)
Q4-2019:$8,375M(YoY+42%)
Q1-2020:$5,446M(YoY+-26%)
Q2-2020:$8,602M(YoY+32%)
Q3-2020:$11,597M(YoY+33%)
Q4-2020:$17,198M(YoY+105%)
Q1-2021:$13,347M(YoY+145%) 
Q2-2021:$16,394M(YoY+91%) ←New!!

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企業KPI

■ 部門別売上高と営業利益


■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■

⑴ Google Search & other

Q2-2021:$35.85B/YoY+68%(前年同期$21.319B)

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⑵ YouTube ads

Q2-2021:$7.00B/YoY+84%(前年同期$3.812B)

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⑶ Google Network

Q2-2021:$7.597B/YoY+60%(前年同期$4.736B)

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⑴+⑵+⑶=Google advertising

Q2-2021:$50.444B(YoY+69%/前年同期:$29.867B)

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COVID-19で2020年3-6月期は成長が止まりましたが、その後大きく広告収入は増加しています。オンライン活動が活発化。

グーグルは今後旅行関連の広告でも収益を伸ばしていくのではないかと筆者は考察しています。すでにその点は織り込んでいるのかもしれませんが、次は人々の生活が完全に戻る頃の景気動向を考えていく必要があります。


■ Traffic Acquisition Costs (TAC)


TAC、こちらは日本語ではトラフィック獲得コストとIT業界では呼んでいます。トラフィックを獲得するためのコスト。つまりこれは簡単に言えば、ブロガーなどコンテンツを提供する人の給料です。

コンテンツが存在しないと、検索エンジンなど誰も使いません。「卵焼き 作り方」と調べてもスカスカの状態では、ググる気に全くなりませんよね。

そこでグーグルはブロガーの他に、Youtuberはもちろん、ブラウザを提供する企業(グーグル自身もGoogle Chromeを提供)、サードパーティの検索エンジン企業(エキサイトとか色々)などに報酬を与え、質の高いコンテンツ(お客さんを呼び寄せてくれる人)を保持しているのです。


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ブロガーやYoutuberに支払う報酬ってのは、IT業界の人ならすぐわかると思いますが「Google Adsense」ってやつですね。ブログとかに広告貼ってあったり、Youtubeで最初に5秒とか広告出ますよね。あれです。クリックしたり、表示時間が長いと報酬が高くなったりします。

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Q2-2021:$10.929B(前年同期:$6.694B)

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Q2-2019:$7,238M
Q3-2019:$7,490M
Q4-2019:$8,501M
Q1-2020:$7,452M
Q2-2020:$6,694M
Q3-2020:$8,166M
Q4-2020:$10,466M
Q1-2021:$9,712M
Q2-2021:$10,929M ←New!!

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年を追うごとにコストは増加していますが、コンテンツ拡充が進んでいることも示唆しています。


財務状況(資本配分/自社株買い/M&A)


■ 資本配分


直近で公募などは実施していません。


■ 自社株買い


自社株買い実施です。投資家には有難いニュースです。

アルファベット社の取締役会は、同社のクラスC資本株式を最大500億ドルまで追加で買い戻すことを承認。買い戻しは、一般的なビジネスや市場の状況、その他の投資機会に応じて、公開市場で随時実施される予定。

今期は自己株式取得プログラムの修正を承認し、経済的コストと市場の実勢を考慮してAクラス株式およびCクラス株式の両方を買い戻すことを認める自己株式取得プログラムの修正を承認。

As we previously announced in April 2021, the Alphabet board authorized the company to repurchase up to an additional $50 billion of its Class C capital stock under our stock repurchase program. On July 22, 2021, the board approved an amendment to the stock repurchase program permitting us to repurchase both Class A and Class C shares, in a manner deemed in the best interest of the company and its stockholders, taking into account the economic cost and prevailing market conditions, including the relative trading prices and volumes of the Class A and Class C shares.


過去の自社株買い(Repurchases of capital stock)の推移は以下の通りです。

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広告事業が中核の事業ではキャッシュ創出力が高く、自社株買いもしっかり行なっていることがわかります。近年は増加傾向にありますね。


■ M&A

アルファベットは過去に合計243社を買収。

2021年はFitbit、Provino、Dysonicsを買収。Fitbitは我々にも馴染みがある会社ですね。

7月27日(本日)決済アプリを運営するpringの買収を決めたとのニュースが入っています。日本のキャッシュレス市場に巨人がどんどん入っていきますね。

米グーグルがスマートフォンの決済アプリを運営するpring(プリン、東京・港)の買収を決めた。2022年春にも送金・決済事業を本格展開するとみられる。大手銀行は「ユーザー層の厚みを考えると脅威」(メガバンク幹部)と警戒する。キャッシュレス後進国の日本。決済サービス乱立は、勝者なき消耗戦を長引かせることになる。

(引用:デジタル決済、勝者なき消耗戦 グーグル参入の衝撃


FY21ガイダンス

発表なし。


CANSLIM定点観測


「CANSLIM」は成長株発掘法の著者、ウィリアム・オニール氏の成長株の見極めに用いられる判断指標です。


前回の2021年第1四半期で判定した結果を更新していきます。


筆者がGoogle(ティッカーシンボル:GOOGL・GOOG)で行った2021年7月27日時点の判定結果は以下の通りでした。

■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□

C:◯
A:△
N:◯
S:◯
L:◯
I:△
M:◯

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前回に引き続き、明確に「×」がないところは流石すぎる結果と言えます。ここまで「◯」が多い銘柄は初めてです。

はっきりとした大化け株ではありませんが、文句なしでGoogle(Alphabet)は有望銘柄であるといえる水準だと思います。買いポイントがあれば、積極的に投資をしていっても良い銘柄として筆者は捉えています。

それでは各項目の詳細を見ていきましょう。


■ C(=当四半期のEPSと売上) ◯

C(=Current Quarterly Earnings)を見ていきます。

ここでは以下の2つを判定します。

■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■

⑴ 当四半期のEPSが前年同期比で25〜30%以上か?
⑵ 売上が25%(または直近3四半期で伸び率が加速)以上伸びているか?

■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■

⑴ 当四半期のEPSが前年同期比で25〜30%以上か?


当四半期のEPSが前年同期比で大きな伸び率を示しているかどうかを見ます。最低目標は25〜30%です。より保守的に見るのであれば40〜500%です。

GoogleのQ2-21のEPSはYoY+169%でした。文句なしでクリアです。

■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■

Q1-2018:$9.59
Q2-2018:$11.75
Q3-2018:$13.06
Q4-2018:$12.77
Q1-2019:$11.90(YoY+24%)
Q2-2019:$14.21(YoY+21%)
Q3-2019:$10.92(YoY-16%)
Q4-2019:$15.35(YoY+20%)
Q1-2020:$9.87(YoY-17%)
Q2-2020:$10.13(YoY-29%)
Q3-2020:$16.40(YoY+50%)
Q4-2020:$22.30(YoY+45%)
Q1-2021:$26.29(YoY+166%)
Q2-2021:$27.26(YoY+169%)←New!!

■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■


⑵ 売上が25%(または直近3四半期で伸び率が加速)以上伸びているか?


次に売上の伸びを見ていきます。売上はYoY+25%以上、直近3四半期も伸び率は加速しています(COVID-19一時要因ありますが)。

■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■

※YoY = year over year(前年同期比)

Q1-2018:$31.15B(YoY+26%)
Q2-2018:$32.7B(YoY+26%)
Q3-2018:$33.7B(YoY+21%)
Q4-2018:$39.3B(YoY+22%)
Q1-2019:$36.3B(YoY+17%)
Q2-2019:$38.9B(YoY+19%)
Q3-2019:$40.5B(YoY+12%)
Q4-2019:$46.1B(YoY+17%)
Q1-2020:$41.2B(YoY+13%)
Q2-2020:$38.3B (YoY-2%)
Q3-2020:$46.2B(YoY+14%)
Q4-2020:$56.9B (YoY+23%)
Q1-2021:$55.3B(YoY+34%)
Q2-2021:$61.88B(YoY+62%)←New!!

■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■

⑴EPS、⑵売上双方クリアしているので、C(=Current Quarterly Earnings)は「◯」です。


■ A(=年間EPSの増加、高いROE水準) △


ここでは以下の2つを判定します。

■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■

⑴ 年間EPSが過去3年連続で増加しているか?
⑵ 企業のROEが最低でも17%を超えているか?

■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■

⑴ 年間EPSが過去3年連続で増加しているか?

年間EPSが過去3年連続で増加しているかどうか、その増加率が25〜50%以上の銘柄かを見ていきます。

2年目のEPSが下がっている銘柄は除外されます。Googleの過去の年間EPSを見ていきます。

■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■

2018年:$47.17
2019年:$52.38(YoY+11%)
2020年:$58.7(YoY+12%)

■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■

3年連続で年間EPSは増加していますが、増加率は10%台です。「△」でしょうか。

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2020年の1Q2Qが落ち込んだからね。

EPS:
Q1-2020:$9.87(YoY-17%)
Q2-2020:$10.13(YoY-29%)

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⑵ 企業のROEが最低でも17%を超えているか?


ROEが最低でも17%を超えているかどうかをチェックします。

Googleは23.69%です。

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広告で収益を上げる会社ならではのROEの高さですね。ここの判定は「◯」です。

⑴⑵合わせて「△」が妥当かなと思います。


■ N(=新興企業、新製品、新経営陣、正しい株価ベースを抜けて新高値) ◯


N(=New Products, New Management, New Highs)を見ていきます。

株価が驚くような上昇を見せるには何か新しいもの(収益増加率を加速的に伸ばす原動力)が必要です。


ファンダメンタルな部分はQ1-2021の判定と合わせてみてください。


Googleといえば検索エンジン開発で人々の様々な疑問を解決してきました(といってもYahooなどが先んじてサービスは始めており後発組ではあります)。近年もクラウドコンピューティングサービス(AMZN, MSFTと競合関係)や、ビデオゲーム市場(クラウドゲーミングプラットフォーム立ち上げ)にも参入。Youtube買収により、才能ある個人クリエイターを世に多数輩出もしています。

ファンダメンタルは(すでに目新しさがないのが本音ですが)一応「◯」。あとは、正しい株価ベースを抜けて新高値を取っているかどうかです。

(2021年7月27日時点)

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青い部分がオニール流の買い場(Pivot Point)ですが、Pivot内である程度の売り枯れも散見され、上昇しています。正しい株価を抜けて新値を取っています。

N(=新興企業、新製品、新経営陣、正しい株価ベースを抜けて新高値)は「◯」です。ただし、すでに保有している人であればそのまま利確ポイントまで握れば良いと思います。今から投資を始めるのは、少し妙味が足りないといった感じですね。本日機関投資家の大きな買いが確認できるようであれば検討可能かと思います。


■ S(=株式の需要と供給) ◯


S(=Supply and Demand)を見ていきます。


Sは以下の複数項目があります。一つずつチェックしていきます。

■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■

⑴ 浮動株比率(大企業(米国基準で時価総額100億ドル以上)であれば経営陣が1-3%、中小企業であればそれ以上が望ましい)
⑵ 自社株買いをしている企業かどうか。
⑶ 企業の負債比率が低く推移しているかどうか。
⑷ 直近の出来高(機関の大きい買いが確認できるか)

■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■


⑴ 浮動株比率(大企業(米国基準で時価総額100億ドル以上)であれば経営陣が1-3%、中小企業であればそれ以上が望ましい)


⑴の判定結果はQ1-2021から変更なしです。「◯」です。


⑵ 自社株買いをしている企業かどうか。

上記「財務状況」の項目でも触れましたが、オニール氏は「自社株買いをしている企業が望ましい」と考えています。

Googleは実施しています。「◯」です。

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⑶ 企業の負債比率が低く推移しているかどうか。

⑴の判定結果はQ1-2021から変更なしです。「×」です。


⑷ 直近の出来高(機関の大きい買いが確認できるか)


こちらは、本日決算を発表したばかりなので、後日、相場を終えたタイミングで更新します。機関の買いがしっかり入ったのを確認してから株は買っても問題ありません。


(2021年7月27日時点)

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簡易的に見ると、最後に機関投資家がGOOGに入ったのは、4月28日ですね。それ以降は入っていませんが徐々に株価は上がっています。

本日大きな機関投資家の買いが入るようであれば、株価のもう一段高を狙えるでしょう。


4月末に「機関の買い」が入っていることが確認でき、株価もAfter Hourで大きく上昇しているのでひとまず「◯」とします。


S(=Supply and Demand)は、⑴◯、⑵◯、⑶×、⑷◯でした。トータルで考えると「◯」でしょうか。


■ L(=主導銘柄か、停滞銘柄か) ◯


業界内で最高の業績を記録しているかどうかを測る「L(=Leader or Laggard)」を見ていきましょう。

ここでは業界内上位2-3銘柄に入っているかどうかを判断します。


これは、レラティブストレングス指数が80〜90代かどうかで判断をします。

レラティブストレングス指数とは、ある特定の銘柄の値動きを市場の残りの銘柄の値動きと過去五二週間にわたり比較するものです。 各銘柄に1~99の数値が割り当てられ、高ければ評価が良いと判断されます。


(2021年7月27日時点)

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2021年7月27日時点のGoogle(Alphabet)のRS Rateは90でした。

銘柄検討を実施する大前提となる80の数字を上回っています。


Google(Alphabet)の、L(=Leader or Laggard)は「◯」です。


■ I(=機関投資家による保有) △


I(=Institutional Sponsorship)を見ていきます。

株価を押し上げるには大きな需要が必要です。投資信託、年金基金、ヘッジファンド、保険会社など。機関投資家に保有されている銘柄であるかどうかが非常に重要になります。


また、その機関投資家は高いリターンを出す優秀な組織体(ファンド)なのか?という点も大切です。


見極め方として、最近の四半期で保有する機関投資家の数が着実に増加しているか、株主数が著しく増加しているか。

また株主となった機関投資家は誰なのかまで詳しく調べます。

「優秀なファンドが大人買いしているか」を満たさなければならないのでかなり高度な判定です。

まずはGoogleの機関投資家保有株数の直近の動きです。


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(引用:Fintel「Institutional Ownership and Shareholders」)


傾向としては機関投資家のポジションは2020年から横ばいです。


以下はMarketSmithで確認できる、Googleに投資をしている機関投資家(ファンド)の数です。一応、こちらは増えていないですね。少し不安を覚える数字です。


[GOOG]

■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■

Jun-20:3987
Sep-20:4010
Dec-20:4053
Mar-21:4176
Jun-21:4159

■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■


次に優秀なファンドが買っているかどうかです。当然買っているのは間違い無いのですが、どのような顔ぶれになっているのかを見ていきます。

直近の株主は以下の通りです(Yahoo Finance:Holders)。名だたる投資ファンドがGoogle(Alphabet)株を保有し続けています。


□ Top Institutional Holders(機関投資家保有上位)

[GOOG][GOOGL]共に2021年第1四半期から異動はありません。

□ Top Mutual Fund Holders(ファンド保有上位)

[GOOG]は2021年第1四半期から異動はありません。

[GOOGL]は「Fidelity 500 Index Fund」「Vanguard/Wellington Fund Inc.」の間で保有順位(4位、5位)ですが0.1%の異動なのでほぼ変更はありません。


引き続き、以下の優良ファンドに保有されています。

■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■

□ ファンド名(保有数良順)・・・10year Performance(Before Tax)

・Growth Fund Of America Inc・・・14.71%
・Price (T.Rowe) Blue Chip Growth Fund Inc.・・・17.07%
・Vanguard/Wellington Fund Inc.・・・10.09%

■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■


直近四半期で機関投資家の保有数量は横ばいですが、現在の上位株主から、優秀なファンドにも購入されていることが確認できます。総じて考えると、I(=Institutional Sponsorship)は「△」という判定になります。


■ M(=株式市場の方向) ◯


M=Marker DirectionはGoogleに関わらず全銘柄に関わることです。

「強気相場」であればハイパーグロース株を積極的に買っていっても良いとされています。2021年7月27日現在は「Confirmed Uptrend(確固たる上昇相場)」です。基本的には積極的に買っていってよい相場です。

その根拠は週刊レポートで確認してください(毎週末に定期更新)。

米国株式市場:今週の合戦の振り返り!


2021年7月27日時点の株価チャート

(2021年7月27日時点)

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Google(Alphabet)は2020年3月の下落からいち早く回復したものの、他ハイパーグロース株に比べるとその値上がり率は限定的でした。

しかし、2021年の2-4月の調整からいち早く抜け出し新高値をつけました。すでに買いポイントから大きく上昇してしまっているので、妙味はそこまでありませんが、本日機関投資家の強い買いが確認できるのであれば、検討しても良い銘柄だと思います。


ー完ー

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