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(米国株式市場7月26〜30日)今週の合戦の振り返り!中国ハイテクショックをこなしFOMCは無風。注目のGAFAM-Tの決算はAMZNを除き概ね堅調もガイダンスが見通せない銘柄は下落し主要3指数も下落。テスラは輝きを放つ

おはようございます。決算Weekお疲れ様でした。東京オリンピック盛り上がってますが、今週は中国テックの大暴落、FOMCに決算と大忙しの一週間でしたね。

そんな中、混沌とする株式市場。今週の合戦(米国株式市場)も振り返っていきましょう。

先週の合戦については以下↓↓↓

今週当マガジンで取り上げた決算は以下となります。

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総じて決算はよかったものの、最後のAMZNには猿とワシも泣かされたの。。悔しいわい。。そして今週は早起き体にこたえたわい(笑)

今週と来週の週報はワシ(@nobutaro_mane)が担当するぞい!

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1. 今週の合戦の要約


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・主要3指数は下落するも中小型株指数のラッセル2000だけは上昇
・現状、年初来ではS&P500、ダウ平均、ナスダック、ラッセル2000の順番
・金曜日にS&P500指数は売り抜け日を観測し累積7に、ナスダックは4のまま
・トレンドは「Confirmed Uptrend」維持もナスダックを中心にボラタイルな動きとなっている。
・決算を失敗した銘柄は素直に暴落しているが、決算をクリアしても見通しを示せない銘柄は下落する傾向が強い
・FOMCは市場的にはNo News。来週金曜の雇用統計に目線は移る
・プットコールレシオやVIXは特に大きな動きはなし
・アクティブファンドマネージャーの動きも小動き
・GDPは下振れしたが個人消費はプラスとまちまちな結果
・失業保険は先週から引き続き申請者数が上振れており雇用統計に暗い影を落とす(株式市場にはプラスの可能性が高い)

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2. 代表株価指数動向(&強気相場 or 弱気相場判定)

□ 各株価指数の動き

今週は指数は今まで弱含んでいた中小株指数のラッセル2000は反発しましたが、主要3指数はナスダックを先頭に下落した一週間でした。

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わかりやすく主要3指数の一週間の動きを比較したものが以下となります。

青:S&P500指数
緑:ナスダック総合指数
赤:ダウ平均

ナスダックは火曜日は中国のテックの大暴落に影響を受けて連れ安という様相をていしました。

また、同指数の主要な部分をなすGAFAM決算が集中したこともあり、非常にボラティリティとなり上下に大きく触れています。

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更に主要4指数を年初来の動きで比べたものが以下となります。年初来から強かったラッセル2000が最下位に沈む込み、S&P500指数がトップの成績となっています。

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年初来リターン
✔︎ S&P500指数:17.02%
✔︎ ナスダック総合:13.85%
✔︎ ダウジョーンズ:14.14%
✔︎ ラッセル2000:12.73%

□ 現在は強気相場?弱気相場?

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累積売り抜け日はS&P500が7(先週比+1)、NASDAQは4。ステータスは「Confirmed Uptrend (確固たる上昇相場)」の継続となっています。現状はまだ積極的に買って良い水準です。

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(売り抜け日カウント数とは?)

前日比で0.2%以上のマイナスを前日以上の出来高ともなって記録した日を「売り抜け日」とカウント。4-5週間で4-5日あれば天井から下落の可能性あり。2-3週間という短期間で売抜日が4日ある場合も注意が必要。

「フォロースルー日」を迎えたらカウントはリセット。「フォロースルー日」は下落局面で前日比プラスで引けた日から4-7営業日後に出来高を伴って大幅に上昇した日のことを指す。また、カウントから25営業日経過後にも消滅する。

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ただ、ミネルビ二氏が以下ツイートで指摘するとおり、ナスダックで50日移動平均線を下回る銘柄が31%、長期の流れをよむ200日移動平均線を下回る銘柄が49%というのは懸念されます。

もう、半分の銘柄が下落トレンドに突入しているということですね。スター銘柄によって支えられている指数が持ち堪えるかは、決算でスターがスターであり続けることが必要になってくるでしょう。

3.セクター別(1week)

□ S&P500

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AMD+15.24%、TSLA+6.81% 、GOOGL+1.29%
PYPL△10.70%、AMZN△9.0%、FB△3.65%、AAPL△1.82%、MSFT△1.64%

決算で失敗すると大暴落、少しでも怪しい点があれば下落するという本当に高い期待で厳しい目線に晒された一週間でした。

そんな中、自動車で利益を伸ばすことができたTSLA、Googleに関しては力強い決算を発表して素直に上昇しています。

決算予想をクリアし、明るい見通しが示せる企業に資金が集中する相場環境となっています。決算については以下でまとめていますのでご覧ください。

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□ セクターETF騰落率 Highlight(1week)

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XME(素材):7.32%
GDX(金鉱株指数):+5.34%
MCHI (中国指数):△4.77%

□ 業種別 Highlight(1week)

業種別のリターンは以下となっています。

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今週(5day)のリターンをみると以下の通り、オールドエコノミーが強くハイテクセクターが弱いという状況になっています。

Materials(素材):+2.78%
Energy (エネルギー):+1.59%

Consumer Discretionary(一般消費財):△2.57%
Communication Service(通信サービス):△0.96%
Information Technology(情報技術):△0.73%

一般消費財はアマゾンの影響が大きいですね。。

4. FRB動向

(FRBの金利動向に気をつける)過去を振り返ると、FRBの金利が引き上げられたことがきっかけで弱気相場が始まり不景気に突入した歴史があります。弱気相場が終わるのは金利が下げられた時が多いです。

最も簡単で役に立つ金融指標はFederal Fund(FF)レート(政策金利)。コンピューターによる自動売買や様々なヘッジサービスによってリスクの高い弱気相場で発生する株価の下落から資金を守るために、ポートフォリオの大部分をヘッジするファンドが現れました。

金利が急騰する場面は相場が下落しやすい仕組みになっています。

□ 今週のHighlight

今週はなんといってもFOMCがありました。FOMCを受けて市場は大きな反応は示しませんでしたが、内容と市場の見方については次の項目で詳しくお伝えしています。(実際に長期金利はほとんど動いていない)

経済データを注視していく流れの中で来週の雇用統計は注目を集めることとなります。


□ 7月FOMC

7月28日の米国時間にFOMCが開催されました。

✔︎ テーパリングペースや手法を点検
✔︎ 条件達成に向けて前進している
✔︎「今後数回の」会合で評価を続ける
✔︎ 景気判断はやや前進
✔︎ 最大雇用には「まだ遠い」

声明文では6月に記載されていたsignificantlyが削除されています。

The path of the economy will depend significantly on the course of the virus

訳:経済の先行きは、コロナウィルスの今後の経過に顕著に左右されます

ちなみにFOMCの全文の和訳を読みたい方はこちらを参考願います。一度読んでみることをおすすめします。

【パウエル議長の発言】
✔︎ テーパリングについては今後のデータ次第
✔︎ 「さらなる著しい進展」についての数値基準は示せない
✔︎ まだ、見極めるべき点が多い。雇用の面ではほど遠い。
✔︎ デルタ拡大は重しとなる可能性
✔︎ 物価上昇圧力は大きいが元に戻ると考えている
✔︎ ただ、前例がないのでいんぐれが予想以上に上昇する可能性はある

では、市場関係者はどのように見ているのでしょうか?ロイターの記事で確認していきたいと思います。

FOMCでは新型コロナウイルスの感染者が増加しているにもかかわらず、米経済の回復は引き続き順調との見方を表明。また、引き続き明るい見通しを示すとともに、金融支援策の最終的な撤回に向けた議論を継続する意向を示した。TDエコノミクスのシニアエコノミスト、ジェームズ・マープル氏は「声明でテーパリング(量的緩和の縮小)に向けた議論のヒントが明かされたものの、状況の評価を継続すると述べる以上に将来的な計画には触れなかった」と指摘。「8月下旬にワイオミング州ジャクソンホールで開かれる年次経済シンポジウムでは、より本格的な議論が行われると予想され、新たな経済予測が発表される9月には、テーパリングに関する計画が声明に反映される可能性もある」と述べた。

参照:ロイター

タカ派的な見方ですね。野村総合研究所の金融イノベーション研究部主席研究員の井上哲也氏は利上げとの関係性や、長期金利の動向を含めて以下のように考察しています。(重要な点は太字にしています。)

米連邦準備理事会(FRB)は7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、資産買い入れの減速(テーパリング)の条件である「政策目標に向けたさらなる顕著な前進」に対して、米国経済が着実な歩みを進めていることを確認した。

経済活動が力強く拡大する下で、物価は既に目標をクリアし、雇用の改善も続いているだけに、FRBの評価は市場に支持されている。このため、今回の声明文が、今後数回の会合で「前進度合い」の評価を続ける考えを示し、年内のテーパリング開始を示唆しても目立った反応はなかった。

<利上げの影>

FRBは、イエレン前議長による「量的緩和第3弾(QE3)」の終了から利上げ開始までに長期間を要した際に、金融政策の正常化戦略の適切さに対して疑念が生じただけでなく、利上げ開始時期を巡る思惑によって、市場がしばしば不安定化した経験を持つ。その点を踏まえると、テーパリングの終了から利上げ開始までの間隔が、間延びする事態を避けたいはずだ。

このようにFRBには、テーパリングを意図的に後ズレさせ、資産買い入れの終了から利上げ開始までの間隔を短縮する誘因が存在する。FRBがこうした要素も暗黙に意識しつつ、テーパリングの開始を判断した場合には「政策目標に向けた前進」だけを注目する市場との対話が、難しくなることは言うまでもない。

<長期金利の動向>

米長期金利の足元での軟化が短期的な動きであったとしても、FRBが金融政策の正常化を進めていく期間を展望した場合、長期金利にはむしろ下方圧力が想定
される。背景としては、まず、来年以降も潜在成長率を上回る成長が予想されるが、巨額の財政支出のはく落等によって成長ペースは自然に鈍化する点が挙げられる。

また、パウエル議長が強調するように、足元の物価高騰が一時的であれば、インフレ率も幾分かは低下する。さらに、海外の新興国を中心に変異種の拡大とワクチン接種の遅延によって景気回復が遅延すれば、米国経済の成長も幾分か下押しされるほか、資本流入を通じて長期金利を直接押し下げることも考えられる。

さらに、今回の利上げによる政策金利の最高到達点が、以前よりかなり低いとの見通しが共有さている面もあろう。仮に、2022年初から9カ月程度かけてテーパリングを完了し、9カ月程度の間隔を空けて2023年央から利上げを開始しても、次の景気後退に直面するとみられる2025年初まで合計12回のFOMCで毎回25bpずつ利上げできたとしても、政策金利がFOMCメンバーの「中立」と考える2.5%に達するに過ぎない。


□ 米雇用統計

次回は2021年8月6日 21:30(日本時間:JST)発表予定

経済指標の重要性がましてきてるので、来週金曜日は要注目です。

<7月2日発表のおさらい>

・新規雇用者数85万人 (予測70万人)
・失業率 5.9% (予想5.7%)
・平均時給 前月比+0.3%(前年比3.6%)
・求人件数は過去最高の930万件

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□ ドットチャートの動き


更新は3月・6月・9月・12月です。3月から引き続き、2021年での利上げは見込んでいません。次回は9月ですが、現状認識のために6月の結果のおさらいです。

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月の会合で、2023年時点で現状から2回の利上げが見込まれると発表されました。2023年の中央値が2021年3月時点では0.125%、今回は0.625%です。

利上げ見通しに加え、経済見通しについても発表がありました。

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・2021年GDP見通し:前回6.5%→今回7.0%
・2021年のインフレ率:前回2.4%→今回3.4%
・2021年のコアインフレ率:前回2.2%→今回3.0%

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□ FRBのバランスシート(BS)拡大・縮小動向

テーパリングが話題にのぼっているので日々FRBのバランスシートが拡大しているかは確認する必要があります。バランスシートは以下の通り現状も定常ベースで伸びていっています。

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□ ブレイクイーブンインフレ率

ブレイクイーブンインフレ率とは、債券市場が期待するインフレ率を意味します。

この1年間「5年ブレークイーブンインフレ率」と「10年ブレークイーブンインフレ率」は上昇基調で進んできましたが、5月に入り一服、6月から7月中盤までは横ばいでしたが、徐々に上昇を始めています。

(2020/01/01-2021/07/23)

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今週は5年も10年も横ばいで推移しています。

(2021/07/16-2021/07/23)

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□ 長期金利(5・10年債利回り)

長期金利の動向は株式市場関係者は非常に注意深く見ています。10年債利回りと株式のバリュエーションはシーソーゲームの関係にあるからです。金利が上がれば(債券が売られれば)株の評価は下がります(あえて、非常に簡易的に表現しています、評価が下がるのはそれだけではありません)。

(2020/01/01-2021/07/15)

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1.2-3%台で現在は落ち着いています。先週と同様の動きです。FOMCを受けてもほとんど動きがなかったことからみても、FOMCがNo newsであったことがわかります。

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5. プットコールレシオ

ここからはあくまで補助的な指標です。5、6、7の項目が売りを示しているからといって下落するというわけではありません。あくまで重要なのは指数の値動きと出来高です。そのため以下の項目は補足的にご覧いただければと思います。

ここでは年初来からの比率(%)を観察します。直近の投資家心理を確認。

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・プット(Put)=投資家が株式相場下落を期待(%が高い時)
・コール(Call)=投資家が株式相場上昇を期待(%が低い時)

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(年初来/S&P500)

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(年初来/NASDAQ)

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・S&P500は0.800%(投資家は下落を期待)
・NASDAQは0ですが、こちらはまだデータが更新されていない可能性ありますので別途また更新します。

6. Volatility index(VIX指数/恐怖指数)

VIXとは市場で取引されている価格から逆算された「株式市場のボラティリティ」のことを指します。株価指数は上昇時は緩やかに上昇し、下落時は急落します。市場参加者が高いボラティリティを見込んでいるということは、市場に対して不安を抱いていると想像できます。

VIX指数は株価の先行きにどれほどの振れ幅(ボラティリティー)を投資家が見込んでいるかを示す「株価変動率指数」のうち、米国株を対象にした指数。通常、株安が懸念される局面で上昇し、20を超えると不安心理が高まっていると解釈される。その場合、「株価が今後1年間に約7割の確率で上下20%の範囲で変動する」と投資家が予想していることを示す。

2008年の金融危機の際にVIX指数が80超に上昇して注目を集めた。18年2月と10月にもVIX指数の上昇をきっかけに米国株が下落する場面があった。VIX指数の上昇に連動して機械的な株売りを出す「リスク・パリティ」などと呼ばれるファンドが存在するからだ。

(引用:日経新聞)


S&P500指数とNASDAQのVIX指数の推移は以下となります。

<5年推移>

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<直近1ヶ月推移>

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・(今週)NASDAQ:20.81、S&P500:18.23
・(先週)NASDAQ:19.06、S&P500:17.19

先週に比べてVIXは上昇しています。今週一番上昇したのは中国テックが暴落した火曜日に上昇しましたが、その後落ち着きを取り戻しています。


7. 空売り比率 (Short Volume)

空売り比率・ショートボリュームはNYSE(ニューヨーク証券取引所)で空売りされている株式の数をNYSEの総出来高との割合で示したものです。

この比率が高ければ投資家が市場をネガティブに見ていることが読み取れます。(「空売残」はShort Interestです。ここでは触れません)


特に暴落局面で注視するのが有効で弱気相場が底をつける時というのは空売りの急増を示す数値の上昇が通常2回か3回現れると成長株の巨匠・オニール氏は言及しています。

それではまずS&P500指数の空売り比率は以下となります。S&P500指数で最も取引Volumeが多いETFであるSPYで見ていきます。直近ショートボリュームが70%近辺で比較的高い比率で推移しています。

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また、ナスダックについては取引ボリュームが大きいQQQでみていきたいと思います。同じくQQQでもショートボリュームは傾向にあります。

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8. 機関投資家やアクティブファンドマネージャーの動向

□ センチメントインジケーター

センチメントインジケーターは、個人投資家、機関投資家、海外投資家の過去12か月の株式ポジションと比較したもの。スコアが1を超えていたら、ポジションが増大していることを示し、-1を下回るとポジションが縮小していることを示しています。以下は最新の7月24日に更新されたものです。

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先々週0.4に比べて0.1だけ縮小しています。決算を受けて今週どのような動きになっているか来週のレポートで確認していきたいと思います。


□ NAAIM Number

次にNAAIM Numberです。NAAIM Numberはアクティブファンドの投資動向です。100を超えるということはアクティブファンドがレバレッジをかけていることを意味します。

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上半期の動向を見ると、1、2月はアクティブファンドの積極的な買いが入っていたことがわかります。3月は50%くらいまで引き下げ。4月は再び100を超えました。4月に比べ、5月は大きく下げています。

6月に入り、一旦ポジションを引き上げる局面もありましたが再び100%に近づいています。

7月もポジション調整が見られましたが、再び100%に近い水準まで戻し、そしてまたレバレッジをかける動きを封じています。今週28日(火曜日時点)でのデータでは若干ポジションを拡張させていますが、大きな動きとはなっていません。

9. 注目経済指標の動向

FOMCが経済指標を重視していることからも分かる通り、ますます経済指標については重要度が増しています。耐久受注やGDPが弱含みましたが、個人消費は堅調というまちまちな結果になっています。

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失業保険申請件数が上ぶれているので雇用統計の下落ち圧力になる可能性があります。先週も予想に比して上振れていたので、傾向として引き続き失業保険を申請する人がかなり多いことがわかります。

(先週)

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ただ、また雇用統計が下振れればテーパリングが遅れる思惑が発生して株式市場には追い風となります。

10. 米国企業決算スケジュール

来週も引き続き決算Weekです。非常に多くの銘柄が決算を迎えるので全部記載するのは不可能でしたので主だった銘柄を載せておきます。全ての決算についてはEarningwhisperをご参照ください。

来週はSQを秀次郎(@hidejiromoney)、FVRRを信太郎(@nobutaro_mane)が決算速報を担当します。



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まとめ


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・主要3指数は下落するも中小型株指数のラッセル2000だけは上昇
・現状、年初来ではS&P500、ダウ平均、ナスダック、ラッセル2000の順番
・金曜日にS&P500指数は売り抜け日を観測し累積7に、ナスダックは4のまま
・トレンドは「Confirmed Uptrend」維持もナスダックを中心にボラタイルな動きとなっている。
・決算を失敗した銘柄は素直に暴落しているが、決算をクリアしても見通しを示せない銘柄は下落する傾向が強い
・FOMCは市場的にはNo News。来週金曜の雇用統計に目線は移る
・プットコールレシオやVIXは特に大きな動きはなし
・アクティブファンドマネージャーの動きも小動き
・GDPは下振れしたが個人消費はプラスとまちまちな結果
・失業保険は先週から引き続き申請者数が上振れており雇用統計に暗い影を落とす(株式市場にはプラスの可能性が高い)

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