【ZM/Q3-2021決算速報】クラウドでWeb会議サービスを提供する「Zoom Video Communications(ズーム)」、2021年第3四半期の結果は売上◎、EPS◎、ガイダンス◎。市場予想を上回るもAH大幅下落。今回もEarnings CallチェックとCANSLIM定点観測。
(ZMの会社概要・歴史・ビジネスモデル考察は「【ZM/米国株銘柄分析】巣篭もり需要爆発で2020年に大相場をつけた進撃のハイパーグロース株「Zoom Video Communications(ズーム)」の概要, ビジネスモデル, 今後の株価見通し(将来性/成長性)を直近決算とオニール流CANSLIMの観点から考察。」を参照。)
「Zoom Video Communications(ティッカーシンボル:ZM)」のQ3-2021の決算結果が出ました。
Zoom Video Communications Q3 FY22 Earnings November 22, 2021
After Hourで株価は決算を受けて少しだけ上昇中ですね。以前ほどの爆発力はなくなり、決算も予想を上回るもなんとかクリアというところでしょうか。と見ている内に下がってきました。ZM株への需給がそもそも厳しいのかもしれません。(グロースの受給も今はすこぶる悪いです)結局15%程度引けにかけて売られました。
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※YoY = year over year(前年同期比)
※予想=アナリスト、市場予想
□ Zoom Video Communicationsの2021年3Q決算(FY22)
・売上:$1.051B/YoY+35%(予想$1.02B)◎
・EPS:$1.11/YoY+12.12%(予想$1.09)◎
□ 2021年第4四半期(Q3-FY22)ガイダンス
・売上:$1.051~1.053B(予想$1.02B)◎
・EPS:$1.06~1.07(予想$1.05)◎
□ 2021年(FY22)通期ガイダンス
・売上:$4.079~4.081B(予想$4.02B)◎
・EPS:$4.84~4.85(予想$4.78)◎
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前回決算↓↓
ZMの2021年第3四半期の結果
「Zoom Video Communications」は、上記で見てきた通り、クラウドコンピューティングを使用したWeb会議サービスを提供する企業です。
法人、個人にWeb会議サービスシステムを導入し、そこから発生する「サブスクリプション収入」がZoomの主な収益源となります。
「サブスクリプション」とは、例えばアマゾンプライム、ネットフリックスなど月額で毎月顧客から支払いを受ける形態です。
収益形態から、非常に業績見通しがつきやすく、投資家からも未来が予測しやすくなるので好まれやすいです。
サブスク企業の重要KPIはユーザー数、NRR(Net Revenue Retention (Rate)、既存顧客の売上増減)ですね。ZMの場合はNet Dollar Expansion Rate(NDR)と呼んでいます。
(ZMの11月23日株価チャート)
株価は昨年にピークをつけてからは冴えない状況です。
■ Revenue(売上高)
Q3-2021:$1.051B/YoY+35%(予想$1.02B)◎
市場予想を超えてきています。製品面では、「Zoom Video Webinars」、「Zoom Rooms」、「Zoom Phone」に対する需要が堅調に推移。
Zoom Phoneは、前年同期比で3桁の増収となり、30社の顧客に達し、有料アカウント数は10万を超えました。
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※YoY = year over year(前年同期比)
Q4-2018:$106M
Q1-2019:$122M(YoY+103%)
Q2-2019:$146M(YoY+96%)
Q3-2019:$167M(YoY+85%)
Q4-2019:$188M(YoY+78%)
Q1-2020:$328M(YoY+169%)
Q2-2020:$664M (YoY+355%)
Q3-2020:$777M(YoY+367%)
Q4-2020:$882M (YoY+369%)
Q1-2021:$956M (YoY+191.4%)
Q2-2021:$1,021M (YoY+54%)
Q3-2021:$1,051M (YoY+35%)←New!!
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売上の内訳は米州$700M(YoY+30%)、欧州$200M・Asia-Pacific$150M(YoY+47%)です。
売上高が$100Kを超える大口顧客数は2,507社(YoY+94%)。従業員10名以上の(事業規模が大きい)顧客数は51.21万社(YoY+18%)。
一番右のグラフから、66%が10人以上の雇用を抱える企業となっています。小企業もしくは個人は34%となっており、大企業がメインの顧客であることがわかりますね。昨年と比率は変わっていませんが、安定して「太客」を抱えていることがわかります。(大企業にとってリモートワークはすでにロングトレンドですね)
■ EPS(1株当たりの当期純利益)
Q3-2021:$1.11/YoY+12.12%(予想$1.09)◎
売上に続き、こちら予想クリアです。
Zoomの過去EPS(non-GAAP)とYoYの推移は以下の通りです。
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Q1-2019:$0.03(YoY +400%)
Q2-2019:$0.08(YoY +300%)
Q3-2019:$0.09(YoY +800%)
Q4-2019:$0.15(YoY +275%)
Q1-2020:$0.20(YoY +567%)
Q2-2020:$0.92(YoY +1,050%)
Q3-2020:$0.99(YoY +1,000%)
Q4-2020:$1.22(YoY +713%)
Q1-2021:$1.32(YoY +560%)
Q2-2021:$1.36(YoY +48%)
Q3-2021:$1.11(YoY +12.12%)←New!!
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YoY+12.12%と前四半期に続いて成長率は鈍化しています。昨年があまりにも凄すぎたため、その反動が来ています。特需は終わりました。またゼロからのスタートです。(誰)
2020年のZoomの快進撃の様子は以下記事の「会社の歴史」項目でその凄さを改めて確認できると思います。本当に凄かったんだから。
■ 営業CF/フリーキャッシュフロー
今回はこの項目のグラフがプレゼンテーションから除外されていました。つまり悪いということです。
Q3-2021:営業キャッシュフロー$394.6M(前年同期は$411.5M)、フリーキャッシュフロー$374.8M(前年同期は$388.2M)。
昨年比マイナスです。仕方ないでしょう。ZM株を買える時期ではありません。
企業KPI
■ Net Dollar Expansion Rate(NDR、売上継続率)
NDRは既存顧客の売上を前年比で維持できているかを計る指標です。
Zoomは14期連続で130%を上回っています。毎回言ってますが、本当に化け物ですね。
Zoomを導入した企業が解約どころかさらに課金(アップデートや他サービス追加)を続けているという、Zoom addicted状態です。
Covid-19の追い風前から130%を上回っていますが、ワクチン普及後もトレンドが継続していくことが実証されつつあります。そもそも、ワクチン普及してもZoomは相当な顧客数を獲得し、ネットワーキングができています。
リモートワークは長期トレンドですね。
■ Remaining performance Obligations(RPO)
RPOは受注残です。売上に計上される予定の契約になります。
Deferred Revenueは会計上まだ売上に計上していない分です。Unbilledはこれから納品する分です。契約は結んでいます。
Q3-2021:Unbilledは$1,270M(YoY+64%)、Deferred Revenueは$1,186M(YoY+39%)。
勢いはなくなりましたが、まだまだ堅調に伸ばしています。
財務状況(資本配分/自社株買い/M&A)
■ 資本配分
Zoomは2021年1月(Q4-2020)に15億ドルの公募を実施しました。公募価格は$340。2021年11月23日現在は株価は$242.28。公募価格である$340を下回っています。しばらくはZM株は待ちでしょうね。
■ M&A
2021年6月にリアルタイム機械翻訳(MT)ソリューションの開発に特化した新興企業Karlsruhe Information Technology Solutions - Kites GmbHを買収発表(正式契約締結)。
Zoom to Acquire Kites GmbH / Kites Team to Help Enhance Zoom’s Machine Translation Capabilities
Zoomユーザーに多言語翻訳機能を提供、会議の生産性と効率を向上させることに貢献を目指すもの。
7月にはクラウド・コンタクトセンターのFive9を約147億ドル相当の全株式取引で買収(最終合意)することを発表しました。240億ドル規模のContact Center as a Service(CCaaS)領域への進出です。
(Zoomの強力なコミュニケーションプラットフォームとFive9社のインテリジェントなクラウドコンタクトセンターの組み合わせにより、企業は顧客との関わり方を再構築することが可能になる。と発表)
Five9社の株主は、Five9社の株式1株に対して、Zoom Video Communications, Inc.のクラスA普通株式0.5533株を受け取ることになっています。取引は、2022年暦年の前半に完了する予定。
Five9の続報として、買収は白紙となりました。
FY-2022ガイダンス
■ Q4-2021(FY22):
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・売上:$1.051~1.053B(予想$1.02B)◎
・Non-GAAP EPS:$1.06~1.07(予想$1.05)◎
・Non-GAAP Operating Income:$361 - $363 million
・Non-GAAP Weighted Average Share Count:307 million
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■ FY-2022:
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・売上:$4.079~4.081B(予想$4.02B)◎
・Non-GAAP EPS:$4.84~4.85(予想$4.78)◎
・Non-GAAP Operating Income:$1,598 - $1,600 million
・Non-GAAP Weighted Average Share Count:306 million
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Earnings Call(役員説明とQ&A)
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◇ Overview
・Zoomtopia twenty-21は、これまでにない規模と成功を収めた。
・Choice Hotels、Ally、Hubspotなどのお客様を含め、3万4,000人近くのライブ・バーチャル参加者と2万7,000人のスピーカーをプラットフォーム上で招待した。
・そして、それを実現したのが、バーチャルおよびハイブリッドイベントのためのオールインワンソリューションであるZoom Events。
・Zoomtopiaでは、お客様がどのようにZoomを使って柔軟な共同作業を可能にし、ビジネスを成長させているかを共有した。
・わずか数ヶ月ですでに67のアプリを提供しているZoom Appsが、会議の生産性とコラボレーションを強化する可能性を秘めていることを示した。
・世界的なリーディングカンパニーであるCarrier Global Corpが、長年にわたってZoom Meetingsをご利用いただいており、今回新たにZoom Phoneをご利用いただけることになった。
・数ヶ月に渡るUCaaSベンダーのレビューを経て、Carrier社は18カ国で働く約5万3千人の従業員の電話システムを近代化するためにZoom Phoneを選択した。
・キャリア以外にも多くのアップセルがあった。例えば、世界最大級のグローバル小売企業の1社は、世界各地のオフィス、配送センター、小売店の管理を強化するため、既存のミーティング、ルーム、ウェビナーに加え、2万本のZoom Phoneライセンスを追加することを決定した。
・これは、Tapestry社やTarget社のような過去のサクセスストーリーに続き、小売業への当社の強力な付加価値を示すもの。
・第3四半期には、いくつかの注目すべきZoomミーティングの獲得があった。大手連邦政府系システムインテグレーターの大規模な拡張により、ユーザー数は4万5,000人となり、当社のZoom For Governmentプラットフォームのセキュリティと信頼性が実証されました。また、大手4社の監査法人や大手3社のコンサルティング会社では、既存の強力なミーティング機能に加えて、第3四半期中に3万5千件以上のミーティングライセンスを追加しました。
◇ Zoom Video Engagement Center
・この製品は、当社のオムニチャネルソリューションを通じてお客様のコミュニケーション能力を向上させるとともに、コンタクトセンター分野への当社の幅広い取り組みを示すもの。
・来年初めには一般発売される予定。
・会議中やその周辺で仮想的にホワイトボードを使ったり、AIを活用して会議をライブで書き起こしたり翻訳したりと、Zoomtopiaはこれまでの未来的な機能が登場した。
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◇ Q&A
Q1)レガシー技術を使用している4億人以上のビジネス電話ユーザーについて、その機会をどのように生かすことを考えている?彼らがZoomやZoom Phoneのようなビデオプラットフォームに移行すると予想している?
Eric Yuan(CEO):第3四半期の結果の通り、当社のお客様は通信事業者のような方が大半。彼らはZoom Phoneの導入を拡大していますが、10万台、数万台の導入ではない。
電話業界を見てみましょう。つまり、PBX(Private Branch eXchange/機内交換器)業界は、レガシーなオンプレミスのシステムを置き換えるために、非常によく成長している。また、既存のクラウド事業者は、何年も前に技術スタックを開発している。
特に大企業のお客様は、*オンプレミスからクラウドに移行する際に、映像と音声が1つのサービスになっているため、他のソリューションを導入したくないと考えている。
(*サーバーやソフトウェアなどの情報システムを、使用者が管理している施設の構内に機器を設置して運用すること)
すでにZoom Videoプラットフォームを導入しているお客様の場合、技術的にはZoom CloudのPBXシステムがすでに存在しているので、それを有効にして設定するだけで済む。お客様がこれらのクラウドベースの電話ソリューションを検討される際には、常にZoomが最良の選択であるという高い自信を持っている。これこそが、ビデオと音声を組み合わせたユニファイドコミュニケーション・プラットフォームの大きな成長機会であり、オンプレミスからクラウドへの移行の波を捉えることができると考えている。
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CANSLIM定点観測
「CANSLIM」は成長株発掘法の著者、ウィリアム・オニール氏の成長株の見極めに用いられる判断指標です。
前回に引き続き、CANSLIMを通して、Zoomはオニールが定義する「大化け株」と言えるのかどうかを見ていきましょう。
今回のQ3で筆者が行った判定結果は以下の通りでした(Q1→Q2→Q3)。
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C:◯ → △ → X
A:◯ → ◯ → ◯
N:X → X → X
S:△ → X → △
L:X → X → X
I:◯ → ◯ → X
M:△ → ◯ → ◯
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(前回の判定)
(ZMの11月22日株価チャート)
2020年がクライマックストップだったのかもしれませんね。
それでは詳細を見ていきましょう。
■ C(=当四半期のEPSと売上) △
C(=Current Quarterly Earnings)を見ていきます。
ここでは以下の2つを判定します。
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⑴ 当四半期のEPSが前年同期比で25〜30%以上か?
⑵ 売上が25%(または直近3四半期で伸び率が加速)以上伸びているか?
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⑴ 当四半期のEPSが前年同期比で25〜30%以上か?
当四半期のEPSが前年同期比で大きな伸び率を示しているかどうかを見ます。最低目標は25〜30%です。より保守的に見るのであれば40〜500%です。
ZoomのQ3-21のEPSはYoY+12%でした。ここまで失敗が考えられないほどのZMでしたが、失速で「×」です。
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Q1-2019:$0.03(YoY +400%)
Q2-2019:$0.08(YoY +300%)
Q3-2019:$0.09(YoY +800%)
Q4-2019:$0.15(YoY +275%)
Q1-2020:$0.20(YoY +567%)
Q2-2020:$0.92(YoY +1,050%)
Q3-2020:$0.99(YoY +1,000%)
Q4-2020:$1.22(YoY +713%)
Q1-2021:$1.32(YoY +560%)
Q2-2021:$1.36(YoY +48%)
Q3-2021:$1.11(YoY +12.12%)←New!!
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⑵ 売上が25%(または直近3四半期で伸び率が加速)以上伸びているか?
次に売上の伸びを見ていきます。今期のZMの売上はYoY+35%でした。25%以上伸びていますので、こちらはクリアですね。しかし余裕がありません。
Covid-19であまりにもQ2〜Q4-2020が跳ねすぎました。直近三四半期も伸びが圧倒的に鈍化。「△」にしたいと思います。
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※YoY = year over year(前年同期比)
Q4-2018:$106M
Q1-2019:$122M(YoY+103%)
Q2-2019:$146M(YoY+96%)
Q3-2019:$167M(YoY+85%)
Q4-2019:$188M(YoY+78%)
Q1-2020:$328M(YoY+169%)
Q2-2020:$664M (YoY+355%)
Q3-2020:$777M(YoY+367%)
Q4-2020:$882M (YoY+369%)
Q1-2021:$956M (YoY+191.4%)
Q2-2021:$1,021M (YoY+54%)
Q3-2021:$1,051M (YoY+35%)←New!!
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⑴「×」、⑵「△」でした。C(=Current Quarterly Earnings)は厳しく「×」にしておきます。昨年成長しすぎたZMならではの判定でもあります。
■ A(=年間EPSの増加、高いROE水準) ◯
ここでは以下の2つを判定します。
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⑴ 年間EPSが過去3年連続で増加しているか?
⑵ 企業のROEが最低でも17%を超えているか?
■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■
⑴ 年間EPSが過去3年連続で増加しているか?
年間EPSが過去3年連続で増加しているかどうか、増加率が25〜50%以上の銘柄かを見ていきます。
2年目のEPSが下がっている銘柄は除外されます。Zoomの過去の年間EPSを見ていきます。
■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■
2019年:$0.35
2020年:$3.33/YoY+851%
2021年:$4.78/YoY+42.6%(11月23日時点アナリスト予想)
■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■
アナリスト予想の数字も用いていますが、過去3年連続で増加、増加率が25〜50%以上の銘柄と言えます。「◯」です。
⑵ 企業のROEが最低でも17%を超えているか?
ROEが最低でも17%を超えているかどうかをチェックします。
ZoomのROEは最新の情報で34.28%です。素晴らしいですね。
⑴EPS成長、⑵ROE共にok。A(=Annual Earnings Increase)は「◯」ですね。
■ N(=新興企業、新製品、新経営陣、正しい株価ベースを抜けて新高値) X
N(=New Products, New Management, New Highs)を見ていきます。
株価が驚くような上昇を見せるには何か新しいもの(収益増加率を加速的に伸ばす原動力)が必要です。
Zoomは目下「Zoom Phone」、そして「OnZoom」に取り組み中です。
詳しくはビジネスモデル解析記事の「主要プロダクト(Meetings/Video Webinar/Rooms/Phone/OnZoom)」項目を参照してください。
ZoomのN(=New Products, New Management, New Highs)は当たり前のごとく「◯」にしたいです。新しい「Work From Home」というトレンドの起爆剤的存在であるからです。
しかし、Nを◯にするには、正しい株価ベースを抜けて新高値をつける必要があります。
(ZMの11月22日株価チャート)
新高値には遠すぎますね。今が最安値水準の$242です。+30%以上上昇($314付近)した後にベースを形成してブレイクアウトをするタイミングを待ちたいですね。そのタイミングがくるということは、ZMが新しい何を生み出している、ということになっているはずです。期待しましょう。
判定をまとめると、現状、ZoomのN(=New Products, New Management, New Highs)は「×」です。
■ S(=株式の需要と供給) △
S(=Supply and Demand)を見ていきます。
Sは以下の複数項目があります。一つずつチェックしていきます。
■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■
⑴ 浮動株比率(大企業(米国基準で時価総額100億ドル以上)であれば経営陣が1-3%、中小企業であればそれ以上が望ましい)
⑵ 自社株買いをしている企業かどうか。
⑶ 企業の負債比率が低く推移しているかどうか。
⑷ 直近の出来高(機関の大きい買いが確認できるか)
■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■
⑴ 浮動株比率(大企業(米国基準で時価総額100億ドル以上)であれば経営陣が1-3%、中小企業であればそれ以上が望ましい)
例えば、発行済株式数が5,000万株ほどの比較的供給量の少ない銘柄ならある程度の買いが入ります(その分リスクも隣り合わせです)。
Zoomの総発行株式は240.74百万株です。
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・Shares Outstanding(総発行済株式数):240.74百万株
・Float:(浮動株式数):217.14百万株
・浮動株比率:90%
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Zoomの時価総額は2021年5月18日時点で719億ドル(約7兆円)なので「大企業」です。
同社の浮動株比率は90%(つまり残りは10%)。経営陣が保有している株式比率が1-3%を大きく上回っているため、会社として、株式を持って本気で経営をしていることを示し、非常に好感が持てます。「◯」です。
⑵ 自社株買いをしている企業かどうか。
上記「財務状況」の項目でも触れましたが、オニール流の「自社株買いをしている企業が望ましい」という点については、 Zoomは満たしていません。アップルやペイパルのように積極的な自社株買いを行う方針は出していません。
「×」です。
⑶ 企業の負債比率が低く推移しているかどうか。
次に、総資本に対する負債比率の低い企業かどうかを見ていきます。
過去2-3年で負債比率が減少していれば、利息支払い費用が削減されEPS向上が見込まれます。
こちらは年間で見る指標なので、今回はパスします。2020年末時点では「◯」でしたので今回も引き続き同じ判定です。
⑷ 直近の出来高(機関の大きい買いが確認できるか)
最後に、直近の出来高についてです。
好決算で株価が大きく上昇する(機関が買い向かう)ようであれば、強気スタンスならその時点で買いにいくのがセオリー通りの投資です。機関は1日で投資し終わりません。
安全に買うのであれば、上昇後に少し下落してベース(地固め)を終えてまた再度出来高を伴い上昇する際に投資をしても遅くはありません。
Zoomを見ていきましょう。
(ZMの11月22日株価チャート)
Market Smithで確認すると、2021年11月23日時点で「Acc/Dis Rating」は「D-」です。全然買われていませんね。もはや売られています。ファンダメンタルズが強い銘柄でも皆んなが買わなければ株価は上がりません。ZOOMは明確に休憩ですね。
「×」です。
⑴「◯」⑵「×」⑶「◯」⑷「×」でS(=Supply and Demand)は「△」とします。
■ L(=主導銘柄か、停滞銘柄か) X
業界内で最高の業績を記録しているかどうかを測る「L(=Leader or Laggard)」を見ていきましょう。
ここでは業界内上位2-3銘柄に入っているかどうかを判断します。
これは、レラティブストレングス指数が80〜90代かどうかで判断をします。
レラティブストレングス指数とは、ある特定の銘柄の値動きを市場の残りの銘柄の値動きと過去五二週間にわたり比較するものです。 各銘柄に1~99の数値が割り当てられ、高ければ評価が良いと判断されます。
2021年11月23日時点のZMのRS Rateは8でした。(8月31日時点では20でした)
有無を言わせず、L(=Leader or Laggard)は「×」ですね。
■ I(=機関投資家による保有) X
I(=Institutional Sponsorship)を見ていきます。
株価を押し上げるには大きな需要が必要です。投資信託、年金基金、ヘッジファンド、保険会社など。機関投資家に保有されている銘柄であるかどうかが非常に重要になります。
また、その機関投資家は高いリターンを出す優秀な組織体(ファンド)なのか?という点も大切です。
見極め方として、最近の四半期で保有する機関投資家の数が着実に増加しているか、株主数が著しく増加しているか。
また株主となった機関投資家は誰なのかまで詳しく調べます。
「優秀なファンドが大人買いしているか」を満たさなければならないのでかなり高度な判定です。
Zoomの機関投資家保有株数の直近の動きです。2021年9月末までの動きを見ていきたいところです。こちらで見ると増えていますが、10月、11月に需給はかなり悪くなったはずです。
(引用:Fintel「Institutional Ownership and Shareholders」)
以下はMarketSmithで確認できる、ZMに投資をしている機関投資家(ファンド)の数です。やはり機関投資家の数が今年の3月から止まっています。時が止まっていますね。
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Jun-20:956
Sep-20:1,239
Dec-20:1,487
Mar-21:1,671
Jun-21:1,686
Sep-21:1,679
■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■
直近の株主は以下の通りです(Yahoo Finance:Holders)。
Top Institutional Holders(機関投資家Zoom株保有上位)
Top Mutual Fund Holders(投資信託(ファンド)Zoom株保有上位)
入っている優秀ファンドは以下ですね。
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□ ファンド名(保有数良順)・・・10year Performance(Before Tax)
・ARK ETF Tr-ARK Innovation ETF・・・46.27%(5 years)
・Morgan Stanley Inst Fd Inc-Growth Port・・・21.77%
・Vanguard U.S. Growth Fund・・・17.61%
・Morgan Stanley Insight Fund・・・22.88%
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直近四半期(3-9月)で機関投資家の保有数量が横ばい、上位株主からは優秀なファンドにも購入されていることが確認できます。
I(=Institutional Sponsorship)はそれでも「×」という判定になりますかね。さすがにファンド数が増えていないのはまずい兆候です。
■ M(=株式市場の方向) ◯
M=Marker DirectionはZoom株に関わらず全銘柄に関わることです。
「強気相場」であればハイパーグロース株を積極的に買っていっても良いとされています。2021年11月23日現在は「確固たる上昇相場」です。積極的に買っていっても良いという判定が現状は出ています。
その根拠は週刊レポートで確認してください(毎週末に定期更新)。
米国株式市場:今週の合戦の振り返り!
2021年11月23日時点の株価チャート
上記で伝えた通り、お休みです。買い場は$310程度まで登ってくるのであれば、出てくるかもしれません。
ーFINー
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