見出し画像

【SHOP/Q2-2021決算速報】ECプラットフォームを展開するカナダ企業「ショッピファイ(Shopify)」、2021年第2四半期の結果は売上◎、EPS◎。市場予想を上回りPMで株価上昇。個人消費が堅調に推移しプラットフォーム活発化で業績向上。最後にCANSLIM定点観測。

このマガジンは取り上げた企業の投資を推奨する意図は全くないことを改めて確認いたします。企業の業績チェック、ビジネスモデル、新着ニュースをシンプルに定点観測する読み物です。

(Shopifyの会社概要・歴史・ビジネスモデル考察は「【SHOP/米国株銘柄分析】アマゾンキラーとも呼ばれるECプラットフォーム展開企業「ショッピファイ(Shopify)」の概要, ビジネスモデル, 今後の株価見通し(将来性/成長性)を直近決算とオニール流CANSLIMの観点から考察。」を参照。)


「Shopify(ティッカーシンボル:SHOP)」のQ2-2021の決算結果が出ました。


Pre Marketで株価は上げています。

スクリーンショット 2021-07-28 19.44.59


Q2-2021:Shopify investor deck

■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■

□ 2021年第2四半期決算結果:

※YoY = year over year(前年同期比)

・売上:$1.119B/YoY+57%(予想$1.04B)◎
・EPS:$2.24/YoY+94.29%(予想$0.96)◎

・GMV(商品取扱高):$42.2B/YoY+40%
・Gross Payments Volume:$20.3B/YoY+45%
・Subscription Solutions:$334.2M/YoY+70%
・Merchant Solutions: $785.2M/YoY+52%
・MRR: $95.1M/CAGR+46%

■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■


(2021年7月29日時点)

スクリーンショット 2021-07-29 16.30.45

株価は現状、中々新高値をブレイクアウトしてから上昇気流に乗り切れていないですね。好決算後に機関投資家はどう動くか、注目です。


■ Revenue(売上高)


Q2-2021:$1.119B/YoY+57%(アナリスト予想$1.04B)

市場予想を超えてきています。


以下は過去の売上推移です。

スクリーンショット 2021-07-28 20.01.36


■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■

※YoY = year over year(前年同期比)

Q1-2018:214.3M
Q2-2018:245M
Q3-2018:270.1M
Q4-2018:343.9M
Q1-2019:320.5M(YoY+50%)
Q2-2019:$362M(YoY+48%)
Q3-2019:$390.6M(YoY+45%)
Q4-2019:$505.2M(YoY+47%)
Q1-2020:$470M(YoY+47%)
Q2-2020:$714.3M (YoY-97%)
Q3-2020:$767.4M(YoY+96%)
Q4-2020:$977.7M(YoY+94%)
Q1-2021:$988.6M(YoY+110%)
Q2-2021:$1119.4M(YoY+57%)←New!!

■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■


Q1-2020後半〜Q2-2020はCovid-19が人々の生活に直撃。

人々の巣篭もりが続きました。デジタルの活用が増えたことで、2020年第2四半期からShopifyの売上高は加速度的に増加しています。


今回の決算で、Shopifyより「個人消費が堅調に推移する中、当社の事業は成功の軌道に乗っている。当社プラットフォームはより多くの価値を引き出し、当社の急成長に貢献しました」とリリースが出ています。

“Shopify fired on all cylinders in our second quarter, keeping our merchants well equipped to seize the opportunities presented in a post-pandemic retail era,” said Amy Shapero, Shopify’s CFO. “As consumer spending remained strong, our merchants thrived and extracted more value from our platform, contributing to our rapid growth. We built on our momentum, making significant updates to our platform infrastructure, expanding strategic partnerships, and advancing our portfolio of growth initiatives to future-proof the success of tomorrow’s entrepreneurs.”


■ EPS(1株当たりの当期純利益)


Q2-2021:EPS:$2.24/YoY+94.29%(アナリスト予想$0.96)

EPSも予想を大幅にクリアしています。


Shopifyの過去EPS(non-GAAP)とYoYの推移は以下の通りです。

スクリーンショット 2021-07-28 20.09.30

■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■

Q1-2018:0.09
Q2-2018:0.04
Q3-2018:0.07
Q4-2018:0.26
Q1-2019:0.09(YoY+0%)
Q2-2019:$0.14(YoY+250%)
Q3-2019:$-0.29(N/A)
Q4-2019:$0.43(YoY+65%)
Q1-2020:$0.19(YoY+217%)
Q2-2020:$1.05(YoY+950%)
Q3-2020:$1.13(YoY+490%)
Q4-2020:$1.58(YoY+267%)
Q1-2021:$2.01(YoY+958%)
Q2-2021:$2.24(YoY+113.3%)←New!!

■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■


EPS予想は「Yahoo Finance」で取れます。アナリストは保守的に予想を出すため、決算企業はこれを超えなければ市場から好感されません。

スクリーンショット 2021-07-28 20.12.05


Q1-2021のEPSの成長率がYoY+950%だったので物足りなく感じるかもしれません。しかし、今回もYoY+113.3%と非常に高い成長率水準を維持しています。株価もしっかり反応しています。


■ Operating Leverage(営業レバレッジ)

Shopifyの営業レバレッジは「売上高に対する調整後営業費用の比率で測定した数値」です。


スクリーンショット 2021-07-28 20.15.35


セールス&マーケティング費用が増加し、営業レバレッジはQ2-2020に比べて若干ですが、下がっていますね。

Q1-2021では、直契約アフィリエイトプログラムをShopifyストアに実装できる「Simple Affiliate」のニュースがありました。様々なマーケティング施策を試しているフェーズなのではないでしょうか。


企業KPI

■ GMV(商品取扱高)


GMVはShopifyプラットフォーム上で行われた注文の総額です。

スクリーンショット 2021-07-28 20.18.31

Q2-2021:$42.2B/YoY+40%


2020年は前年比で+96%でした。Covid-19がShopifyにとても追い風だったことがわかります。2021年はQ1、Q2を合わせて$72.3Bです。2020年のGMVの65%まで第2四半期終了時点で来ています。好調を維持しています。


■ GPV=Gross Payment Volume


GPVはShopify Paymentsで処理されたGMVの金額です。

スクリーンショット 2021-07-28 20.21.30

Q2-2021:$20.3B/YoY+45%

GMVに占めるGPV比率は48%。Shop Payは2017年のサービス開始以来、約300億円の累積GMVを促進。


Shop Pay Installmentsは、Shop Payを通じて米国最大級の消費者ネットワークへのアクセス、コンバージョンや注文額の増加、カート放棄の減少などのシームレスなチェックアウト体験。

Shop Pay InstallmentsとShopifyストアとの直接統合など、加盟店に大きなメリットをもたらしているとのことでした。


■ Merchant Solutions(マーチャンツ・ソリューションズ)

ShopifyのMerchant Solutionsは、通販サイトの構築支援サービス、及び決済手数料を指します。サブスクリプションよりこちらの方がはるかに売上規模は大きいです。

スクリーンショット 2021-07-28 20.24.46


Q2-2021:$785.2M/YoY+52%


■ Subscription Solutions(サブスクリプション売上)

Shopifyでの「サブスクリプション」とは、プラットフォーム利用料を指します。

サブスクリプションで収益力が高い企業は成長株の中でも有望視されていますよね。Zoom Video CommunicationsOKTAなど。


右肩上がりの成長を2021年も継続。

スクリーンショット 2021-07-28 20.26.20

Q2-2021:$334.2M/YoY+70%


2021年第2四半期末時点で、Shopの登録ユーザー数は、ShopアプリだけでなくShop Payを利用する購入者を含めて1億1,800万人以上を突破。

そのうち約2,300万人が月間アクティブユーザーです。


Shopifyのパートナーエコシステムは引き続き拡大。過去12ヶ月間に約46,400社のパートナーがShopifyにマーチャントを紹介、2020年6月30日までの12ヶ月間の紹介は30,300社でした。53%増加していることになります。


■ MRR(月次定期収入)


MRRは、各期末時点でShopifyとサブスクリプションプランを締結している加盟店の数に、有効(来月も維持と仮定可能)な月額プラン料金を乗じて算出。

将来入ってくるであろう「固い」収益はどれくらいかという指標ですね。

スクリーンショット 2021-07-28 20.28.52


Q2-2021:MRR: $95.1M/CAGR+46%


■ 米国のネット通販に於けるシェア

スクリーンショット 2021-07-28 20.29.28

アマゾンは39%、Shopifyは8.6%。次いでウォルマートが5.8%でした。こちらは特にQ1-2021から変更はありませんでした。


かつてのECの覇者・イーベイは4.9%と4位にランクイン。イーベイはPayPalにスピンオフされたりと、年々力を失っているように感じてしまいますね。(PayPalも明日早朝に決算発表ですね)


財務状況(資本配分/自社株買い/M&A)

■ 資本配分


直近では、2020年5月に公募増資(1,850,000 株のClass A 劣後債を販売)。

2020年9月に9億9,000万ドルの転換社債の公募を完了。


2021年7月27日にUS$10Bの資金調達が発表されています。次の買収が噂されています。

As filed with the Securities and Exchange Commission on July 27, 2021


■ M&A


ARプラットフォーム、Primirを買収。

Primer is an Augmented Reality platform that helps décor brands, designers, and design enthusiasts instantly visualize products at scale directly in one’s space.

(引用:Shopify buys Primer, the augmented reality home design app

Shopifyは3DモデルやARを使った商品確認機能を提供しています。今回の買収で更なるAR活用を検討するということでしょう。

Shopify AR

スクリーンショット 2021-07-28 21.01.03



2019年にマサチューセッツ州に拠点を置くフルフィルメントソリューション企業である6 River Systemsの買収(約4.5億ドル)しました。

6RiverSystemsの物流マシーンは圧巻です。


ガイダンス


・2021年第二四半期までの業績推移を考慮すると、2021年は2020年に比べてペースは下がるものの、引き続き収益が急速に増加すると見込んでいる。

・通年見通しはマーチャントソリューション、サブスク売上の成長は、2020年には劣るものの、2020年以前のどの年よりも高い数値となる。

・2021年通年の調整後営業利益は、2020年に達成した水準を上回ると予想している。


CANSLIM定点観測


CANSLIMの定点観測を行います。


以前にCANSLIM判定を行った2021年第1四半期からアップデートがあった部分を付け足していきます。


今回筆者が行った判定結果は以下の通りでした。

■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□

C:◯
A:◯
N:△
S:×
L:◯
I:△
M:◯

■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■


(2021年7月29日時点)

スクリーンショット 2021-07-29 16.30.45


■ C(=当四半期のEPSと売上) X


C(=Current Quarterly Earnings)を見ていきます。

ここでは以下の2つを判定します。

■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■

⑴ 当四半期のEPSが前年同期比で25〜30%以上か?
⑵ 売上が25%(または直近3四半期で伸び率が加速)以上伸びているか?

■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■


⑴ 当四半期のEPSが前年同期比で25〜30%以上か?


当四半期のEPSが前年同期比で大きな伸び率を示しているかどうかを見ます。最低目標は25〜30%です。より保守的に見るのであれば40〜500%です。


ShopifyのQ1-21のEPSはYoY113.3%でした。文句なしでクリアです。

スクリーンショット 2021-07-28 20.09.30

■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■

Q1-2018:0.09
Q2-2018:0.04
Q3-2018:0.07
Q4-2018:0.26
Q1-2019:0.09(YoY+0%)
Q2-2019:$0.14(YoY+250%)
Q3-2019:$-0.29(N/A)
Q4-2019:$0.43(YoY+65%)
Q1-2020:$0.19(YoY+217%)
Q2-2020:$1.05(YoY+950%)
Q3-2020:$1.13(YoY+490%)
Q4-2020:$1.58(YoY+267%)
Q1-2021:$2.01(YoY+958%)
Q2-2021:$2.24(YoY+113.3%)←New!!

■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■


⑵ 売上が25%(または直近3四半期で伸び率が加速)以上伸びているか?


次に売上の伸びを見ていきます。Q2-2021はYoY+57%でした。25%以上は加速しています。直近3四半期でいえば、今期は成長率はピークアウトしていますが、基本的にはこの項目は「◯」です。

スクリーンショット 2021-07-28 20.01.36

■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■

※YoY = year over year(前年同期比)

Q1-2018:214.3M
Q2-2018:245M
Q3-2018:270.1M
Q4-2018:343.9M
Q1-2019:320.5M(YoY+50%)
Q2-2019:$362M(YoY+48%)
Q3-2019:$390.6M(YoY+45%)
Q4-2019:$505.2M(YoY+47%)
Q1-2020:$470M(YoY+47%)
Q2-2020:$714.3M (YoY-97%)
Q3-2020:$767.4M(YoY+96%)
Q4-2020:$977.7M(YoY+94%)
Q1-2021:$988.6M(YoY+110%)
Q2-2021:$1119.4M(YoY+57%)←New!!

■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■


⑴EPS、⑵売上双方クリアしているので、C(=Current Quarterly Earnings)は「◯」です。


■ A(=年間EPSの増加、高いROE水準) ◯


ここでは以下の2つを判定します。

■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■

⑴ 年間EPSが過去3年連続で増加しているか?
⑵ 企業のROEが最低でも17%を超えているか?

■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■

⑴ 年間EPSが過去3年連続で増加しているか?


年間EPSが過去3年連続で増加しているかどうか、増加率が25〜50%以上の銘柄かを見ていきます。


2年目のEPSが下がっている銘柄は除外されます。Shopifyの過去の年間EPSを見ていきます。

■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■

2018年:$0.46
2019年:$0.37(YoY-20%)
2020年:$3.95(YoY+968%)
2021年(3-4Qは予想):$5.73(YoY+45%)

(2021年は$2.01+$2.24+$0.65+$0.83=$5.73で計算)

■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■

スクリーンショット 2021-07-29 16.23.05


2019-2021年で見ると、年間EPSが過去3年連続で増加しています。増加率も25〜50%以上に入る水準です。「◯」です。


⑵ 企業のROEが最低でも17%を超えているか?

ROEが最低でも17%を超えているかどうかをチェックします。

ShopifyのROEは26.42%です。非常に高いですね(ROAは3%台ですが)。

スクリーンショット 2021-07-29 16.28.31


ここの判定は「◯」です。


⑴⑵どちらも「◯」。A(=年間EPSの増加、高いROE水準)は「◯」です。


■ N(=新興企業、新製品、新経営陣、正しい株価ベースを抜けて新高値) △


N(=New Products, New Management, New Highs)を見ていきます。

株価が驚くような上昇を見せるには何か新しいもの(収益増加率を加速的に伸ばす原動力)が必要です。

Shopifyは世界の「EC化」を後押ししている大きな大きな存在です。その規模はアマゾンに次ぎ2位です。


ファンダメンタルの部分は前回判定時と変わりません。魅力的な企業です。


問題はチャートです。適正なベースを抜けて新高値を取る必要があります。

(2021年7月29日時点)

スクリーンショット 2021-07-29 16.30.45

Shopifyの決算は7月28日市場オープン前でした。上記は決算結果が反映されています。好決算でしたが、今後強い成長が見込みにくいことから微下げしています。

機関の大きな買いも入っていないですね。ここで揉み合いが落ち着き良いベースを形成し始めたら再度、チャンスが来ると思います。


N(=New Products, New Management, New Highs)は新高値も近いので「△」でしょうか。売り枯れ+出来高の突出高を期待したい銘柄です。


■ S(=株式の需要と供給) ×


S(=Supply and Demand)を見ていきます。


Sは以下の複数項目があります。一つずつチェックしていきます。

■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■

⑴ 浮動株比率(大企業(米国基準で時価総額100億ドル以上)であれば経営陣が1-3%、中小企業であればそれ以上が望ましい)
⑵ 自社株買いをしている企業かどうか。
⑶ 企業の負債比率が低く推移しているかどうか。
⑷ 直近の出来高(機関の大きい買いが確認できるか)

■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■


⑴ 浮動株比率(大企業(米国基準で時価総額100億ドル以上)であれば経営陣が1-3%、中小企業であればそれ以上が望ましい)


例えば、発行済株式数が5,000万株ほどの比較的供給量の少ない銘柄ならある程度の買いが入ります(その分リスクも隣り合わせです)。

こちらは前回判定時から異動がありません。

■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■

・Shares Outstanding(総発行済株式数):112.83百万株
・Float:(浮動株式数):112.55百万株
・浮動株比率:99.7%

■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■


判定結果も変わりません。「×」です。


⑵ 自社株買いをしている企業かどうか。


上記「財務状況」の項目でも触れましたが、オニール流の「自社株買いをしている企業が望ましい」という点については、 Shopifyは満たしていません。アップルやペイパルのように積極的な自社株買いを行う方針は出していません。

「×」です。


⑶ 企業の負債比率が低く推移しているかどうか。


次に、総資本に対する負債比率の低い企業かどうかを見ていきます。

過去2-3年で負債比率が減少していれば、利息支払い費用が削減されEPS向上が見込まれます。


特にIPOしたばかりのグロース株は収益が小さいため、この利息費用のインパクトが大企業に比べて大きいので、しっかり見ておく必要があります。


こちらも年間ベースで測りたいものですので、前回判定時から変更はありません。「×」です。


■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■

■ 2020年12月31日

総資本:7,763 million
負債:1,362 million
負債比率:17.5%

■ 2019年12月31日

総資本:3,489 million
負債:474 million
負債比率:13.5%

■ 2018年12月31日

総資本:2,255 million
負債:164 million
負債比率:7.2%

■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■


⑷ 直近の出来高(機関の大きい買いが確認できるか)

こちらは昨日決算があったばかりなので、後日またアップデートします。現在の状況から言えることは「N」で述べた通りです。


(2021年7月29日時点)

スクリーンショット 2021-07-29 16.30.45

6月中旬から下旬にかけて機関の買いが入り連騰してきました。しかし、新値を抜けてからも株価は右往左往しており落ち着かず、決算が出ても反応が弱いです。

売り枯れが観測でき、力強い出来高とともに新値を取るタイミングを狙っていきたい銘柄です。


⑴は×、⑵も×、⑶も×、⑷は×。S(=Supply and Demand)は「×」ですかね。



■ L(=主導銘柄か、停滞銘柄か) ◯


業界内で最高の業績を記録しているかどうかを測る「L(=Leader or Laggard)」を見ていきましょう。

ここでは業界内上位2-3銘柄に入っているかどうかを判断します。


これは、レラティブストレングス指数が80〜90台かどうかで判断をします。

レラティブストレングス指数とは、ある特定の銘柄の値動きを市場の残りの銘柄の値動きと過去五二週間にわたり比較するものです。 各銘柄に1~99の数値が割り当てられ、高ければ評価が良いと判断されます。

2021年7月29日時点のShopifyのRS Rateは83です。「◯」です。


■ I(=機関投資家による保有) ◯


I(=Institutional Sponsorship)を見ていきます。

株価を押し上げるには大きな需要が必要です。投資信託、年金基金、ヘッジファンド、保険会社など。機関投資家に保有されている銘柄であるかどうかが非常に重要になります。


また、その機関投資家は高いリターンを出す優秀な組織体(ファンド)なのか?という点も大切です。


見極め方として、最近の四半期で保有する機関投資家の数が着実に増加しているか、株主数が著しく増加しているか。

また株主となった機関投資家は誰なのかまで詳しく調べます。

「優秀なファンドが大人買いしているか」を満たさなければならないのでかなり高度な判定です。


まずはShopifyの機関投資家保有株数の直近の動きです。2021年3月末までの動きを見ていきたいところです。

スクリーンショット 2021-07-29 16.42.52

(引用:Fintel「Institutional Ownership and Shareholders」)

3月末まで微増しています。2020年から継続的に資金が入っています。機関投資家が好感を持っている銘柄であることがわかります。


以下はMarketSmithで確認できる、Shopifyに投資をしている機関投資家(ファンド)の数です。一応、こちらは増加傾向にあることが確認できます。

■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■

Jun-20:1405
Sep-20:1636
Dec-20:1824
Mar-21:1987
Jun-21:1983

■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■


6月末まで見ると、機関投資家の数は微減しています。直近は人気銘柄とは言えない状況になってきており、その点は不安ですね。


直近の株主は以下の通りです(Yahoo Finance:Holders)。名だたる投資ファンドがShopify株を保有し続けています。

Top Institutional Holders(機関投資家保有上位)

画像22

前回判定時より異動なし。


Top Mutual Fund Holders(投資信託(ファンド)保有上位)

画像23

メンツはNew Perspective Fund Inc、Fidelity Growth Company Fundの順位入れ替えがあったのみです。優良ファンドはまだまだ保有しています。


■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■

□ ファンド名(保有数良順)・・・10year Performance(Before Tax)

・Europacific Growth Fund・・・7.13%
・Vanguard U.S. Growth Fund・・・17.61%
・Harbor Capital Appreciation Fund・・・17.53%
・Growth Fund Of America Inc・・・14.71%
・Fidelity Growth Company Fund・・・19.92%
・New Perspective Fund Inc・・・12.26%
・Morgan Stanley Inst Fd Inc-Growth Port・・・21.77%

■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■


しかし、Europacific Growth Fund(-431,814,760株)、Fidelity Growth Company Fund(-57,940,082株)はポジションを少し落としています。これは少し不安になりますね。

Harbor Capital Appreciation Fund(155,241,697)、ARK ETF Tr-ARK Innovation ETF(179,513,048)は反対にポジションを増やしています。

前回の保有数の確認


直近四半期で上位ファンドの保有数量は減少、優秀なファンドにも購入されていますが、機関投資家数も増えておらず、不安が残ります。I(=Institutional Sponsorship)は厳しく「×」という判定にします。


■ M(=株式市場の方向) ◯


M=Marker DirectionはShopifyに関わらず全銘柄に関わることです。

「強気相場」であればハイパーグロース株を積極的に買っていっても良いとされています。2021年7月29日現在は「Confirmed Uptrend(確固たる上昇相場)」です。

基本的には積極的に買っていってよい相場ですが、今は出来高から市場参加者の少なさに違和感を覚えもします。その根拠は週刊レポートで確認してください(毎週末に定期更新)。

米国株式市場:今週の合戦の振り返り!


2021年7月29日時点の株価チャート

(2021年7月29日時点)

スクリーンショット 2021-07-29 16.30.45

売り枯れ待ち、突出高(出来高の急増)が起こり新値を取るタイミングを狙っていきたい銘柄です。


ー完ー

ここから先は

0字

¥ 400

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?