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情報量のジレンマ

情報が少なけりゃ、わかりやすく書けます。
でも、読み応えはなくなる。

情報が多ければ、読み応えはあります。
でも、文章が難しくなる。

「難しいことをわかりやすく伝える」なんてのを生業にしてる人って、このジレンマと戦ってると思うんです。たぶんね。

例えば、

「関ヶ原の戦い」って出来事を説明するためには、起こった年、関わった人物、経緯と結果が必要になってきますよね。
もっと細分化すれば、元号、西暦、誰が中心にいて、誰と誰が味方で敵だったのか、当事者の立場や身分、起こった原因、経過、結末、その後への影響、などなどを記さなきゃいけないわけです。

んでも、これらすべてを丁寧に説明していたら、とんでもない紙幅になりますわね。ある程度端折る部分を見定めなきゃいけません。

ポイントはここです。

端折れば端折るほど文章は簡単になっていって読みやすくなる
けど、
端折りすぎると、本当の内容が伝わらないし、面白みまで消えてしまう。
だから、読んだ人が
「すっごくわかりやすかったし、勉強になった&面白かった!」となる、"ギリギリのライン"を見つけなきゃいけないんです。

どの人物をけずって、どの人物を活かすのか。
どの用語を詳しく説明して、どの用語をまま使うのか。はたまた現代語訳するのか。
どのエピソードを採用して、どの話を捨てるのか。

このラインの見極めが、もう、マジで、何度やってもメチャクチャ難しい。
この編集作業に答えなんてありませんから、頭を抱えて抱えて、そのままでんぐり返ししてもなお、頭を抱えるくらい、頭を抱えるわけです。

て、感じで、エンタメを届ける人たちはみんな苦労してると思うんです。たぶんね。

何が言いたいかって、そりゃもちろん房野の本の話です。
僕も毎度ギリギリのラインを見つける編集作業に悪戦苦闘して、数えきれないほどのでんぐり返しを繰り返し、執筆中はつね回転酔いしてます。

まもなく発売となる
「読んだらきっと推したくなる!がんばった15人の徳川将軍」はね、とにかくギリギリを攻めました。
情報量は、はっきり言って多い。しかもバリ多い。
主要参考文献や論文の数を取ってみても、ボンっ!て感じ。以前の著書「13歳のきみと、戦国時代の「戦」の話をしよう。」の倍以上なんだもの。

これをどうにかわかりやすく、とがんばったんだけど、結果は読む人によっても違います。
ある程度前提の知識がある人、ほぼない人。
江戸のことをざっくり知りたい人、詳しく知りたい人。
しかし、マスに向けて発信する以上、多くの方に喜んでいただける本にしなきゃいけませんし、そんな本が出来上がったと思うんです。「わかりやすさと学びと面白さ」が共存したような本が。

そんで、またまた何が言いたいかと言うと。

あなたに協力してほしい。
房野の言うギリギリを体感するためにも、あなたにはまず、予約注文というハートフルなミッションをこなしていただきたいのです。
そして、あなたのまわりにいる人たちが、房野の本を読んで、どんな反応を示すのか。多くの方のリアクションを確かめるためにも、あなたには「自分の知人に配る用の本」を、最低3冊は予約注文していただきたいのです。
この文章をここまで読むほど、あなたは優しい。てことは、あなたのことを慕う人が多いと推測されるので、最低5冊にいたしましょう。

心優しいあなたに、先にお礼を言っておきます。
ご予約、まことにありがとうございます。

以上、文化人類学の実験に類する記事でした。

本当にありがとうございます!! 先にお礼を言っときます!