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イタリア映画祭2021が開幕!


こんにちは。Yです。

霞がかかったような2020年の延長戦。

そんなこといっても仕方がない、と

吹っ切れる日もあれば
ドヨーンとする日もありますね

モヤの隙間をかきわけて、
目を細めたり見開いたり。


個人的には
2月に燃え尽きた気分でしたが

エヴァ・グリーンのおかげで

もとい、

『約束の宇宙』のおかげで


るるぶ宇宙を熟読し
宇宙兄弟を読み返し

ワクワクしながら
クルードラゴンの打ち上げ中継を
見守ることに。

そんな4月でありました


そして
5月といえば 

イタリア映画祭…‥!!!

例年のこの時期はきまって
有楽町朝日ホールで実施していましたが
今年はあえなく断念

(東京は中止 または 延期)

(大阪は6/5、6 予定、いまのところ)

そんなドヨーーーーーン な中で



<オンライン上映> という手段で、
5/13よりスタートしました。



今回は
ここぞとばかり、
イタリア映画祭についてです。


イタリア映画祭2021とは


映画祭といえば何を思い浮かべますか?

やっぱり、
カンヌ、ベルリン、ヴェネチアの
3大映画祭でしょうか

加えて、
アカデミー賞のお祭り感が
記憶に残るものかなと思います
(映画祭じゃないけど)


それ以外にも
トロント、サンセヴァスチャン、
アヌシー、釜山等々・・・・

世界中では
映画祭がそれは沢山行われています

余談ですが
擬人化していて面白かった記事(マンガ)は
こちら。


おもしろいです、これ。

各映画祭の、
デフォルメされた風土や主張の
漠っとした
イメージが描かれています。



話を戻します


日本における、イタリア映画祭とは
2001 年からスタートして今年で21年目。

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いまやなかなかの歴史をもつ
イタリア映画だけを上映するイベントです



うれし、たのし が

日本未公開作や旧作の特別上映を
独自のセレクトをギュッと味わえること。

コメディ、ドラマ、バイオレンス、
ドキュメンタリー、短編 と

とがった前衛的なものから
しっかりドラマまで
ジャンル問わず揃えてあり

いわゆる劇場で
興行をしなそうな(いい意味)ものまで
一気に観ることができます


いまは、緊急事態宣言下で
据え置いた公開日に
天変地異が起き
作品に携わった色々な職業の人が
なんとかそれに対応しようとしている
最中ではありますが

邦画がメインのフィールドで
生活をしている中で(日本ですもんね)
こういった作品に触れる機会を
大切にしたいと思う一個人としては
わくわくするイベントです



毎年実施が決まると、
ラインナップ含め情報を発信するのが
ここ数年の私の役目

少し裏側をしたためますと、

年が明け、
正月がおわり、
節分の豆も存分にまいてやった

三寒四温とはこのことね、
なんて頃に
そろそろかなーと思います

今年もひとつ。
ということで打ち合わせ

イタリア語でタイトルが書かれた
リストをもらって
キックオフ

イタリア語、読めんがな、
という顔をしながらふむふむと眺めます


そして、
「この作品は・・・」と
1本ずつ解説してもらい

最初の情報解禁で「みどころ」として
打ち出す作品を決めています

この作業、とても楽しいです


字幕付きの映画を観られるのは
私自身も映画祭期間までおあずけなのですが

キタ! と
見知ったスタッフ、キャストの
名前をみつけては
imdbで即検索

イタリア映画通とおぼしき方々の
SNSを徘徊し

なるほど、そういう感じか、と
映画を観るその時まで

ムフフと気分を高めるのは
一緒なのです


さながら
旅行でいう行程決めや
音楽フェスのタイムテーブルを眺めて
どう回ろうかな~
なんて気分によく似ています

やはり楽しみというものは
多少のインターバルが必要なのです




・・・・嘘です。



そんな余裕はわたしには
ございません

同時進行している他作品とともに

気が付けば、
あれよあれよと4月に突入。

でた、GW進行‥‥色々まずい。
輪をかけて コロナのバカ!


いざ・・・・!



今年のみどころ


オンライン上映は、2部制となりました

1部:5.13[木]~6.13[日]
新作10本、短編2本の計12本

2部:6.17[木]~7.18[日]
旧作をメインにセレクト、鋭意調整中


各作品については
公式にあらすじが載っているので
ぜひ参考にしてください。



その中で個人的にいくつか。

―『靴ひも』

I.靴ひも_Lacci


メインのポスターにもなっています

今年はピンクでまあ!華やか。

アルバ・ロルヴァケル
(『おとなの事情』『幸福なラザロ』)と

ルイージ・ロ・カーショ
(『シチリアーノ 裏切りの美学』『いつだってやめられる』シリーズ)

が夫婦役で共演する家族の物語。

原作は、
ナポリ出身のイタリア人作家ドメニコ・スタルノーネ

ドメニコさんについては、
まちゃおさんこと野村雅夫さんの記事を発見しました
(興味がわいたらぜひ~↓)


インド系アメリカ人の小説家
ジュンパ・ラヒリ(「その名にちなんで」は映画にもなりました)
が惚れ込み、
英訳して「ニューヨーク・タイムズ」
2017年“注目の本”に選ばれた話題沸騰のイタリア小説。

(ロンドンうまれ→NY→イタリアへ移住をしたラヒリ‥という
重要な経緯もありますがここでは割愛)

胸躍る
新潮社クレスト・ブックスを追いかけている方、

これは!!!と
お気づきの方も多くいらっしゃったかもしれません。

角田光代さんの書評の一部です

タイトルの「靴ひも」は、作中で、あるエピソードで語られるちょっとしたものだが、こんなふうな、日々の暮らしのなかのどうということのないちっぽけなものが、ひとりの人間の内にある矛盾をやわらかく結びつけ、ときに、人と人を強く結びつけることもあるのだと思う。この「靴ひも」のなんでもなさ、重みのなさ、存在感のなさが、軽やかで、どこか明るくすらある読後感と関係しているのかもしれない。

出典:波 2019年12月号より
単行本刊行時掲載




どうやって映画にするんだろう
本ならではの構成はどうなるんだろう
アルバ・ロルヴァケルとロカーショが夫婦…?

気になりますよこりゃ‥‥。


―『私は隠れてしまいたかった』

E.私は隠れてしまいたかった_Volevo nascondermi



ジョルジョ・ディリッティ監督(『やがて来たる者へ』)の
7 年ぶりの長編4作目は、
ゴッホの名前も引き合いに出されることもある
20世紀素朴派の重要な存在であり

孤高のイタリア人画家
アントニオ・リガブエの数奇な生涯
たどります。

主演のリガブエに扮した
エリオ・ジェルマーノが
圧巻の演技を披露し、
ベルリン国際映画祭で最優秀男優賞を受賞。 

リガブエ‥‥。


似てます


先に発表となった
イタリアのアカデミー賞、
ドナテッロ賞でも見事、冠。

この場面写真からして 
個人的には刺さります
そっぽを向く鳥 いいですね

なにしてんだこの人は


―『略奪者たち』

J.略奪者たち_I predatori

ピエトロ・カステッリット監督作、
ドナテッロでは最優秀新人監督賞を受賞。

ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ部門の
最優秀脚本賞を受賞.。

オリゾンティ部門‥‥
と聞いて頭をよぎるのは

オダギリジョー監督の『ある船頭の話』です


よくトイチのまねをしました

話を戻します



へぇ~~~。

AirPod、落とす気…?
なにしてんだこの人は

―『ソーレ-太陽-』

C.ソーレ-太陽-_Sole


養子縁組と人身売買の物語、
親子の関係や親になることについて
問いかける。

貧乏なエルマンノと、
赤ちゃんを売るためにイタリアに来た妊娠7カ月のポーランド人のレナ。
2人は見知らぬ関係だったが
子供を望む叔父が親戚間の養子縁組で
新生児を譲り受けるために、
エルマンノは父親のふりをすることになる…


こういった物語を紡ぐのは
なにも社会問題を描こうと思って
映画を作るのではなくて
生活と地続きだから
自然と題材になっていくのだなあ、と思います

日本でいわゆる学園モノと言われる
ジャンルの映画を作るのは
等身大の作り手ではなく、
大人の仕業なんじゃないかしら‥‥

同じ若い二人を描くでも
距離感ふくめ
切り取るものがだいぶ違う

予告をみたら
画角がカットによって違うかも(?)

画面の余白が頭に残りますね
38歳、若手の監督作
気になりました




―『あなたの不幸はわたしの幸せ』

シドニー_あなたの不幸はわたしの幸せ


短編です!無料!15分もない!

抱腹絶倒コメディ
『いつだってやめられる』シリーズの
われらが
シドニー・シルビア監督作です。万歳!

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これだけ、仕事の合間に我慢ができず
まず観ました


軽妙~~~~~。


そのテンポと間合いは
『いつやめ』キャストの腹心感でしょうか

シルビア監督は2018年に来日しています

その時に取材してもらった
インタビュー記事はこちらです↓↓↓


言いたいので 書いておきます

空転!急転!逆転!1作目

愉快!爽快!痛快!2作目

集結!団結!完結!3作目


この作品が楽しかった人には
シドニー・シルビア監督の過去作をぜひ。

3作、今ならアマプラレンタルでみれますよ~



ここまで書いておいてなんですが
個人的なとりとめのなさが目立つので
このへんできりあげます。



映画祭ところどころ

イタリア映画祭は
世界の名だたる映画祭に
選ばれた作品を多く観ることができます

硬軟バランスをみて、真摯にセレクトされています

「‥‥????」

見終わって思うことは

案外、
度々、
一度ならず、あるので

それらもひっくるめて
〝映画祭“ が体感できることが
醍醐味とでもいいましょうか
よいところ。


会場へ足を運び
きっとそれを味わいに来ている人も
けっして少なくないのでは。


なにやらクセになってきたら…
「イタリア映画祭」という趣味が
ひとつ増えたということでありましょう

さらりと
2部は旧作を中心にラインナップ。
と書きましたが
この発表はもう少し先の見通しです

じつは公式サイトには
アーカイブというページが存在していまして
過去の上映作品のテキスト情報を
遡ることができます

発表までもうしばし、
のんびりまっていてください



イタリアだけではなく
フランス、ドイツ、ポーランド、
トーキョーノーザンライツ、
イスラーム・・・・

そのほか、いままさに開催中の
台湾巨匠傑作選といった
エリアや国に特化した
特集上映が
毎年、そこかしこで企画されています

もっと大きな規模や歴史でいうと
東京国際映画祭や
フィルメックス、PFFなどもありますね。

万感の思いが込められ
毎年迷い考え抜いたであろう
ランナップや企画の発表を追いかけるのも
なかなか楽しいです


旅にはすぐに出れませんが
あたまの中で世界中を駆け巡るのも
たまにはいいもんです



さいごに

映画祭会場では
毎度、本編の前に
後援企業のCMがつくのですが
オンラインでもそうでした

もう1本の短編
『フィオーリ!フィオーリ!フィオーリ!』
ルカ・グァダニーノ監督が撮った

フェラガモの長尺CMが
もれなくくっついていますので
驚かないでくださいね

ルカ_フィオーリ、フィオーリ、フィオーリ!

『フィオーリ!フィオーリ!フィオーリ!



同じ作品でも
スクリーンで観る体験とは
似て非なるものですが

それでも
何かに出会えることを期待して
自分のペースで楽しみたいと思います


仕事が終わったらもう1本みよう

ではまた~~。

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