表に立ちたくない職種の、これからの生存戦略。
「スワンさんって喋るの上手ですよね、羨ましいなあ。」
カラッとした、春風が抜けるような声色のその人は言葉を放った。それは人と会うたび、イベントに出るたびにつけて何かと言われてきた言葉でもあった。ありがとうございますとヘラヘラとした返事を返しながら、内心ではどこかどす黒いものが腹の底でぐるぐると唸り声を上げていた。
デザイナーにしては、という意味だろうか。
そんな不埒な思考が、ふと頭を掠める。いかんいかん、また勘繰る癖が出ていると思いながら私は脳内のふわふわとした重い感情