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お笑い芸人にとっての幸せってどこにあるんだろう?~ジャルジャルの「情熱大陸」を観て感じたこと~

お笑い好きの私なので、賞レース的な番組は結構欠かさず観ている方だと思います。

今年のM-1の決勝に残った顔ぶれを見て、ラストイヤーの「見取り図」がいないことが話題に上がっていました。でも、正直ネタをじっくり練る時間は今年はなかったんじゃないかと感じたわけです。今年はテレビに出まくっていたので。

賞レースで決勝に残った、優勝した、準優勝した、爪痕を残した・・・このいずれかでその後のテレビ出演回数が大きく変化するのがお笑い芸人だと思います。でも、例えば優勝してからそのコンビのネタを観る機会ってめっきり減ってしまい、バラエティー番組で重宝される存在に変貌してしまうコンビが多いと思われ・・・。

確かにテレビに出演すればさらに顔が売れて、ギャラももらえて、メリットは沢山あると思うわけですが、どんなに忙しくても毎年単独ライブを必ずやるコンビとか以外はネタ作りをする時間も、実際にネタを披露する機会も減ってしまい、お笑い芸人としての本分から少しそれた方向に進んでしまいがちなのがずっと残念だと感じていまして。

お笑い芸人はネタを作って、それを披露してなんぼだと思っているので。

先日の「情熱大陸」に出演していたジャルジャルはその真逆で「キングオブコント」で優勝してからもテレビのバラエティーで見かけることもなく、ただひたすらコントを作ってYou Tubeにアップし続けている・・・。しかも、言葉の壁があるスコットランドのコメディの祭典に1ヵ月出演し、お客さんからもらった言葉を組み合わせて即興でコントを作るという、とてつもなく半端ないことをやってのけていた!というのを知って、非常に驚いたと共に、コントへの飽くなき追求心に対して脱帽だったのでした。

仲良し高校生がノリでお笑い芸人になり、そのまま大好きなコントをやり続けていると言えばごくごく簡単な言葉になってしまうけれど、その裏にある彼らのコントへの情熱は他の追随を寄せつけない唯一無二のモノだと思い知らされました。

これって、できそうでなかなかできないことだと思います。

二人がゼロから生み出す新しいコント作りの瞬間をテレビとしては捉えたかったみたいですが、そこは絶対見せなかった二人。でも最後「情熱大陸」というタイトルでコントを作って欲しいという要求に、即興で作ってみせたあの瞬間、二人の心と言葉のキャッチボールを目の当たりにすることができて鳥肌が立ちました。

相手がどう出てくるかを100%分かり合えているからこその阿吽の呼吸。最後のオチは見事としか言いようのない凄いコントを見せてもらいました。

ジャルジャルはこれから先も、ずっとこの変わらないスタンスを継続していくと思います。

お笑い芸人にとっての幸せは、自らのネタを磨き続けて、お客さんの前でネタを披露することであって欲しいと勝手ながら思ってしまいます。

そして、もちろんお笑い芸人だけではなく、どんな生き方・道を選んだとしても、現状維持ではなく常に向上心を持って生きていかなければ!と私も自分自身に言い聞かせてみるわけです。

自分を磨いて磨いて磨き続けないと!


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