拙監訳本刊行! 『女性が科学の扉を開くとき』
11月14日に監訳本が上梓されます。手元に現物が届き、我が子のように愛おしい。ボリュームのある本なのですが、紙や字体を編集者の方が工夫され、手に取って読みやすいように仕上がっています。
本書が出来上がった経緯については、「監訳者あとがき」に書きましたので、下記のリンク先よりどうぞ御覧ください。
そちらに含められなかったエピソードを、これからこちらに追記していこうと思っています。
原著者、編集者、翻訳者、監訳者が皆、女性
本書は元米国国立科学財団(NSF)長官のリタ・コルウェル先生。イタリア系の米国の科学者で、女性研究者にとっての偉大なロールモデルです。ライターのシャロン・バーチュ・マグレインという方が実際には文章を練っておられ、こういうスタイルは米国では一般的ですね(ライターがゴーストではないという意味で)。
本書の刊行を企画された編集者の杉本夏穂子さんは東京工業大学のご出身とのことを、かなり後になって知りました。監訳のお話をいただいたときに「翻訳はどなたにお願いするのが良いか、心当たりはありますか?」と言われて、真っ先に浮かんだのが、古川奈々子先生でした。古川先生は日経サイエンスの翻訳記事など多数手がけておられるのですが、実は、東京医科歯科大学歯学部の先輩です。しかも同じテニス部。本書を日本で刊行するのに、3人の理系女性が関わったということ、そして来年の秋に東京工業大学と東京医科歯科大学が統合されて東京科学大学になるので、我々3名が同じ同窓会で顔を合わすこともあるというご縁となりました。
でも、この原著を紹介してくださったのは、日本学術振興会ワシントン研究連絡センター所長の平田光司先生という男性だったので、平田先生のお力が無かったら本書は誕生していなかったのです(このことは監訳者あとがきに書きました)。ちょうど、110年前に日本で初めて女性の大学生が東北帝國大学(当時)に入学できたのも、背中を押した男性の先生方がおられたからでした。「HeForShe」の先駆けですね。
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