見出し画像

『小説みたいに楽しく読める 脳科学講義』刊行!

7月27日に近著が刊行されました! 『小説みたいに楽しく読める 脳科学講義』という羊土社さんの『小説みたいに楽しく読める』シリーズの4冊目となります。『実験医学』などの生命科学系の雑誌で有名な羊土社さんですが、なんとこのシリーズは縦書き!です。

話は2022年に遡ります。3月16−18日、第99回日本生理学会が東北大学の川内キャンパスで開催されました。なんと、3月16日の夜23時36分に、福島県沖でマグニチュード7.4の地震が発生し、宮城県と福島県で震度6強の揺れとなりました。学会に来られなくなった方もおられた一方、大会長の虫明元先生は急遽、東京までのバスチャーターの手配などにも追われました。

私は学会には属していないのですが、地元ということもあって、教育講演を18日に頼まれていました。講演が終わって近づいてこられたのが、羊土社の編集部の金子さんという方でした。『小説みたいに楽しく読める…』というキャッチフレーズの書籍シリーズを刊行されており、ぜひ脳科学をテーマに書いてほしい、とのことでした。「いつ頃の刊行を目指すのでしょうか?」と伺ってみると、「そうですね、2023年の分子生物学会のタイミングなどはいかがでしょうか?」と言われ、「それならむしろ、来年の日本神経科学大会が仙台での開催なので、そこをターゲットにできると良いですね♫」と答えてしまいました……!!! (なぜ自ら仕事を増やす???)

本好きなのは小さい頃からで、たぶん父譲りの性質です。さらに、母の恩師で両親のお仲人を務められた湯浅明先生という方のところに、小学校くらいまで毎年、お年始に伺っていたのですが、「自分の書いた本を積み重ねて自分の背丈くらいになるまでにしたい」ということを話され、感動したことを強く覚えています。「どうやって、そのようにたくさんの本を書くことができるのですか?」とお尋ねすると、昭和の時代ですのでレターケースのようなものを見せてくださり、種々、メモを取った紙を分類して溜めておくのだとお話しになりました。なるほど、そうやって日々、努力をされているのだな、と子供心に感心したことを覚えています。今なら、気付いたときにEvernoteに放り込んでおくというような営みですね。

そして、執筆が始まりました。最初の企画書を受け取ったのが2022年の7月初旬。8月の休みの間にざっくりとした原稿を準備し、その後、10月から今年(2023年)の3月にかけて、図を準備しながら書き進めました。本業もありますので、基本的には研究や業務関係以外の原稿を書くのは、帰宅後や週末になります。もしかしたら、そのような時間を確保するのは、首都圏のように通勤時間が長い地域に住んでいたら難しいかもしれませんが、職住近接な仙台をベースにしているからこそ可能なのかもしれません。取り上げようと思っていた脳の進化に関して、スバンテ・ペーボが2022年のノーベル賞を受賞し、オプトジェネティクスではカール・ダイセロスらが2023年の日本国際賞に輝くなど、嬉しいお知らせも舞い込みました。

脱稿したのが3月頭、その後、編集部の方々には怒涛の数ヶ月であったと拝察いたします。最初の方でお送りしていた原稿をもとに、4月からは校正が届いて、さらに細かく整える作業が続きました。金子さんと伴走しながら増本さんが辣腕を発揮してくださり、丁寧に編集していただいたことを感謝申し上げます。野村真先生、石津智大先生、新幸二先生には初校をもとにファクトチェックをしていただきました。有難うございました。

再校がだいたい6月。そういえば、校正確認について、サーバに置かれたPDFファイルをダウンロードして、ツールを使って校正していくという作業は、今回、初めての経験だったかもしれません。出版業界のDXの進み方を感じました。

表紙と帯のイラスト。やはり帯も情報として大事。

そして、再校のチェックの終わりが見えた頃に各種体裁の確認。表紙だけでなく、実は扉にも素敵なイラストが配されています。多数のアイテムが、どこに書かれている内容を表しているのか、「ウォーリーをさがせ」的な楽しみもありますね。

しかも初刷には、そのイラストを配した4種類の栞のどれか1種も添えられているのです♫ 執筆の際に、「ただ事実を説明するのではなく、研究を行った研究者の"顔”が浮かぶようにしたい!」と思っていたので、こういう形で残せたことはとても嬉しく思います。

こちらの栞のどれが入っているかはお楽しみ!(というか、店頭なら、どれが入っているかで書籍を選んでいただく?) 画像は出版社よりご提供。

自分の手元に最初の1冊が届いてみると、紙の手触りも素敵でした!

オフィスのテーブルに置いて記念撮影。著者の特権で栞は4種いただきました♫

まもなく、第46回日本神経科学大会が仙台国際センターにて開催となりますが、書籍展示にも出していただく予定となっています♫ 学会に参加された方には、是非、手にとっていただければ幸いです。

追記(2023.8.6)
学会では羊土社さんのブースにタワーで積んでいただきました♫ サイン本も好評でした!

第46回神経科学大会@仙台にて羊土社さんブースの拙著タワー(もっと高い日もあったので撮っておけば良かった)、サインの下にあるのはネズミのイメージ、一つおいて隣のブースはメディッシュさんで、『カンデル神経科学』(パート監訳)、『理系女性のライフプラン』(対談部分とアドバイザー)が置いてありました。『カンデル本』販促のためのビデオも流れていました。

関連情報:


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?