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レクチャー⑥文化がビジネスに与える影響

Day3最初の講義はアルフレッドさんによる「文化がビジネスに与える影響」。ビジネスをする場所やビジネスマンのバックグラウンドによって、どのような態度を取るべきか、どのような言葉を使うべきなのか、などについて学びました。

民族や地理的な要因によってコミュニケーションの仕方は変わります。
例えば、フィンランドでは契約ベースの文化ですが、ブラジルでは関係性ベースの文化になります。

言葉の意味も異なります。シリコンバレーでは“Yes”は“I agree.”や“I understand.”の意味で用いられますが、他の文化圏では“Yes”に加えて、“No”や“Maybe”の意味で用いられることもあります。シリコンバレーでは“amazing!”は関係性を作るときに使われますが、他の文化圏ではポジティブな意味にとらえられます。異文化間でのビジネスを進める際にはコミュニケーションでも注意すべきポイントは多くあるのです。

文化には、①出自の文化、②教育の文化、③企業の文化の3種類があります。それぞれ見ていきましょう。

①出自の文化
どこで生まれ育ったか?でコミュニケーションスタイルが変わってきます。例えば、日本では“Yes”は“Yes”に加えて“No”や“Maybe”の意味を持ちますが、シリコンバレーでは“I agree.”や“I understand.”の意味になります。シリコンバレーでは商談を断る際にポジティブな表現を使います。なぜなら、投資家としては良い関係を続けたいからです。ポジティブなEメールが来ても“No”の返事かもしれないので気をつけましょう。

②教育の文化
アメリカでは、投資家が一人でいることは好まれません。テクニカルな専門家と、物を販売できるビジネスマンがチームでいることが好ましいとされています。したがって、どの学校で何を学んだかが非常に大切です。モノを作るエンジニアにとって「完璧」は重要ですが、ビジネスマンにとって「完璧」は重要ではありません。完璧を追求している間にライバルに負けてしまうからです。起業家精神としては、「完璧」ではなく「ちょっと満足」くらいで良いでしょう。
エンジニアは周りの個人を競争相手とみなすのに対して、起業家はチームメイトとみなします。この2つの考え方が混ざり合っているチームがアメリカでは好まれるのです。

③企業の文化
シリコンバレーのスタートアップ創業者の52%はアメリカ出身ではありません。母国で使われている言語の種類は60を超えており、様々な国の方がいることを表しています。
そのため、シリコンバレーでは企業内の異文化間課題がしばしば起こります。そんなときにはその人について「どこから来たのか?」、「この人のコミュニケーションスタイルは何か?」ということをLinked in等で事前に調べることが重要です。

文化がビジネスに与える影響についてLewisさんは3つのモデルを発表しました。
Ⅰ Linear-Active Cultures
 アメリカやドイツにおける、時系列順で物事を進めていくという文化です。
Ⅱ Multi-Active Cultures
 ブラジルやイタリアにおける、衝動的で、多くのタスクを一度にやるという文化です。
Ⅲ Reactive Cultures
 日本や韓国における、先に状況を勉強して、そこから実践していくという文化です。
 安全なやり方ではありますが、時に機会を失ってしまうことがあります。

国別で分けていくとこのような図になります。

交渉の際にもその人の文化は影響します。
失礼で、悪いことばかり言われたとしてもそれが文化で、彼らの一部なのです。その背景を知っているとイライラしないで済みますし、文化に応じてこちらの行動を変えることができます。つまり、相手の人の文化的背景を調査して把握することが重要なのです。

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