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レクチャー⑦シリコンバレーでの資金調達方法

Day3の2つ目の講義はジャン・マルクさんによる「シリコンバレーでの資金調達方法」。ビジネスをする上で資金は必要不可欠です。ビジネスプロセスの一段階である資金調達で失敗しないために、注意すべきポイントについて学びました。

コロナ禍では、投資が活発だったので資金調達は簡単でした。しかし、経済が後退しインフレが起こっています。インフレが起こるとビジネスにかかるコストが高くなるため、投資は減少します。2022年あたりはシリコンバレーのVCも投資に慎重でした。
現在は少しずつ経済状況が改善しており、6~9ヶ月前よりはシリコンバレーで資金調達をしやすくなっています。

資金調達では投資家の興味を引くことが重要です。投資家は、いわばリターンの大きいビジネスを見つけるゲームの参加者なので、リターンの大きいテック業界は特に人気です。

起業家は、良いビジネスアイデアが浮かび、良いピッチができ、たくさんの資金を手に入れ、ワールドクラスのチームを作り、会社が成長し、売却して、エンジェル投資家になる、というおとぎ話を思い浮かべます。しかし、実際の投資率は1%にも満たないのです。自分の歩いている道が成功につながっていると期待しすぎるのは良くありません。

これは投資家のマインドを可視化したものです。要素は、「解決しようとしている問題の難しさ」と「市場の大きさ」です。投資家は、あるビジネスが解決しようとしている問題が、真に解決すべき問題かどうかをこの2つの要素から判断しているのです。

投資家はギャンブラーではありません。ビジネス上のリスクを分析し、減少させた上でお金を出しています。そのリスクは、市場リスク、競争リスク、テクノロジーリスク、財政リスク、人的リスクなど様々です。
ここでは人的リスクについて詳しく取りあげます。人的リスクはスタートアップが失敗する要因のトップ3に「正しいチームを組成できなかったこと」としてランクインしています。

また、投資家の一般的なスコアカードの中でも最も割合が大きいのは「チーム」です。
つまり、投資家は、「機能するテクノロジーがあり、市場にいる顧客の問題を解決できるソリューションを持っていたとしても、それを実行するチームが良くないと、それはマイナスの投資だ。」と考えているのです。

投資家がチームについて知りたいことは2つです。1つは「実行できるか?」。そしてもう1つは「逆境という生涯を乗り越える精神力があるか?」です。投資家はそのチームがお互いの経験や知識のギャップを補完しあっているかや、クリエイティブに仕事をするのに十分なほど多様性があるかも見ています。
日本人のスタートアップはシャイであることが多いですが、自信を持って「自分たちはやれます!」といえる様に準備しておきましょう。

では適切なチームメイトはどのように選べば良いのでしょうか?良いチームメイトとはあなたの弱みを埋めてくれる人のことです。例えば、エンジニアと営業マンの関係がそうでしょう。考え方という観点でも同じことがいえます。あなたと反対の考えを持ちつつも議論のできる人を探しましょう。この多様性が創造力につながります。
ジェンダーの多様性も重要です。女性のいるチームは投資回収率(ROI)が男性だけのチームの2倍以上であるともいわれています。

投資家はデジタルも確認します。スタートアップは十分に洗練されたウェブサイトを持ちましょう。米国のカスタマー向けに英語に訳しておくのもよいでしょう。また、LinkedInやFaceBookアカウントを作成し、常に最新の情報を更新し続けることで、マーケティングの機会を生み出すことが必要です。

資金調達は挑戦数が全てです。早期から投資家と関係をもち、ピッチを行ってフィードバックを受けることが重要です。

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