見出し画像

後脛骨筋腱炎のケースに筋膜調整したポイント(ハイアーチのランナー編)

マラソンをされるランナーで内側のくるぶしの下周辺が何か月も痛みがありました。病院で後脛骨筋腱炎と診断があり、一般的な治療(中敷き、安静、痛み止め、湿布、電気、マッサージ)を受けていました。

休んで痛みが治まっては走り、また痛め、だましだまし走ってきました。ついには走った後に痛みが1週間ほど残ってしまい、走れないし歩くのも引きずるくらいの痛みになっていきました。なかなか治らないので施術を受けに来られました。

歩くだけでも痛みが出てしまうのはツライですよね。後脛骨筋腱炎は進行すると腱が伸び切ったり、断裂してしまうことがあります。ここまで来ると手術になるか、中敷きでガッチリ持ち上げ続けるかになってしまうので、その前に早期に炎症を抑えることが大切になります。いつまでも痛いままのんびりしている場合ではありません。早い時期から適切なケアを受けてもらいたいのです。

マラソンに復帰していったポイントをお伝えしていきます。

ハイアーチのランナーの足の状態を確認

施術した日は歩いても痛いということでしたので、詳しくどういった動きで痛みが誘発されるのかを無理のない範囲でまずは検査しました。

➀つま先立ち、➁足の内側を持ち上げて歩く、➂しゃがむ動作だけでも痛みが出ていました。

➀つま先立ちのように足首を伸ばしている状態でグラグラしないように後脛骨筋が働きますので、痛みが出てくるのかなとイメージ。

➁足の内側を持ち上げて歩くとこれも後脛骨筋を働かせながら歩くことになるので、やっぱり痛みが強くなります。

➂しゃがむと痛いのも足首周りの組織が伸ばされて痛みが出るのかどうか考えていました。

そしてパッと見るかぎり外反母趾のようになってきており、親指に負担をかけている状態。

親指を上方向に動かせる関節可動範囲も少なくなっていました。

走っている時に親指が曲がりにくく、外反母趾のようにして力を逃がしている。さらに、外反母趾でも力を逃がしきれなくなって、足首の内側に負担がかかって来たと仮説。

その場で歩き方の動作分析をするとつま先が外を向いていて、これも親指の動きの悪さが一部分関係していると考察。

加えて、股関節も力が入りにくくなっていて、股関節でも負担を分け合えない状態で、足首に負担をかけてしまったのかなと考えました。

筋膜調整の初回と2回目

検査結果を踏まえて、まずは初回。足、ふくらはぎ、股関節、骨盤まで筋膜調整。足の指が大きく動けるようにしました!腫れがあったものの、調整後からつま先立ち、内側を持ち上げて歩くのは痛みなくOK!しゃがみ動作は7割ほど痛み取れましたが、まだ残る状況。

腫れがあるので、炎症からの痛みの影響かもしれません。

自分でどんなケアをしていけばいいかをお伝えして終了。

3週間後に2回目

腫れも引いてきていましたが、しゃがみ動作で痛みが残っていました。

脚にも筋膜の硬さが残っていましたが、どうも反応が悪い。

ランナーは上半身にも硬さがあることがありますので、チェック。

どこに問題が!?

背中にありました!肩甲骨の内側がカチコチの筋膜に!そして、しゃがんだ時の痛みが取れました!

走っている時って結構カラダは捻られています。体幹や肩甲骨の動きが悪いと他でカバーすることになります。股関節や骨盤周りだけでなく、もっと上まで最初から目を付けておく必要がありましたね。

このケースでは上半身も含めて管理していく必要があったということです。

ランニング開始までのリハビリ

まずは腫れが完全に引くまでは無理せず過ごしてもらいました。その間は、自分でマッサージする場所と筋トレするポイント、持久力を落とさないで保っておくトレーニングなどお伝えして行ってもらっています。

その後、早歩きからスタートしてもらって、痛みや腫れの具合を確認。

痛みが無い状態でジョギングへ。

4回目までの施術でカラダ全体のバランスを取っていき、無事にランニングに復帰されました!ここまで3ヶ月程かかっています。

数か月ぶりにメンテナンス

先日久しぶりにメンテナンスにいらっしゃいました。

その後の連絡では、

お陰様で今日はインターバル1000m×8、200m×3設定どおりにこなせました!

スピードもしっかり出して、ちょっと走り過ぎじゃないですか⁉(笑)

だましだまし過ごしていた日々から解放されて、気持ち良く走ることができているようで、私も嬉しく思います!

ランナーでも全身の状態を確認する必要がある

ランニングフォームのこと

下半身をたくさん使うスポーツではあるのですが、背骨や肋骨、肩甲骨など上半身の動きの悪さも実は大きく関係しているスポーツなのです。

痛みのあるところだけ追いかけて治療を受けたり、お手入れしてもなかなか結果が出ないこともあります。一般的な治療(中敷き、安静、痛み止め、湿布、電気、マッサージ)で治るのならそれに越したことはありません。

でも、なかなか治らない場合や、再発をしないような身体作りをするためには全身どのように使って動いているかをみていく必要があります。

特に長い距離で繰り返しの運動が増えた時に痛む方はこのような考え方が必要になります!

筋膜の硬さができるポイントは人それぞれ違う

どこをお手入れすればいいの?と聞かれることがありますが、残念ながら人それぞれ硬くなるポイントが違うので、個別に検査する必要があります。

今回は私の施術するときに考えていることをお伝えしていきました!

進行する前なら良くなることを知ってもらいたい

後脛骨筋腱が伸び切ったり、断裂してしまうと手術がメインになってしまいます。でも、その前なら可能性があります!

まずは病院で診てもらい、どんな状態か診てもらうことをオススメします!

そこで理学療法を受けられれば良いですね。リハビリに力を入れている病院を探してもらうと良いかもしれません。

残念ながら受けられない場合はどんな原因で症状が出ているかをちゃんと検査してもらえる方を見つけることになると思います。

痛いまま、腫れているまま放置せずに良い対処をされて早く回復されますように!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?