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【千田琢哉の頭脳】Vol.0532(2010年7月20日発行のブログより)

会社でコンサルタントの研修を受けると、新しい情報をキャッチできるというよりも、誰もが知っている思い込みの殻を破ってくれる快感があり、それがお金に繋がっているということに気づかされました。新しい情報を入手することも大切ですが、既にある情報の解釈の仕方こそが本当に頭のいい人を目指すには大切だと思うのですが、常識を打破できるようになるためには、いったいどのような訓練をしたらいいのでしょうか。何か一例でも教えていただければと思います。

(大阪府・会社員・Kさん・女性・30歳)

常識を疑ってみるというのは、たとえばこんなことです。

日経新聞を読まなければ、時代に取り残されてしまう

これは、社会人に限らず、就職活動の学生の間でも
一種の信仰のようになっています。

このブログを読んでいる人もそんなことは誰もが当たり前と思っており、
信じて疑わないことでしょう。

では、事実を見てみましょう。

実際の就職活動の学生は、新聞をいっさい読んでいない人が
アナウンサーになっていたり、難関外資系企業に入っていたりします。

実は、特にここ5年くらいは珍しい現象ではなくなりました。

日経新聞の読み方といった類の本や新聞を読まないと
時代についていけなくなると煽るのは、新聞社の販売戦略です。

あるいは著者が新聞社によって広告を大きく掲載してもらったり
記事にしてもらえるというのが実態です。

バレンタインデーとホワイトデーがお菓子会社の苦肉の策であったように、あるいは、父母の日や子どもの日はデパートの在庫処分や
遊園地の生き残り戦略であったように、です。

納豆が健康にいいといいますが、世の中には納豆よりずっとおいしくて
健康にいいものがたくさんあるという事実を忘れてしまいます。

誰かが儲かるように情報操作されているということに
気づかなければ情報の奴隷になります。

実は、新聞の広告のレスポンスが軒並み落ち込んでいます。

ピーク時の半分や3分の1の価格を提示しても出してもらえない
という話はザラです。

某大手新聞社は、3分の1の破格の広告料にしたにもかかわらず、
まったく広告が集められないからさらに値下げをしている有様です。

「そんなはずはない」

「そんなことがあってはならない」

「それはけしからん」

と思った人はすでに老化現象です。

学生時代にIQ206をマークした世界屈指の経営コンサルタントは
ここ10年以上新聞を読んでいません。

様々な著名人のブログに目を通していると、高学歴な人や知識人の間では、すでに新聞離れをしているのが珍しくないのです。

反対にそうした人がすでに見放して飽きた頃にようやく周回遅れで
新聞重要説を唱える人が増えてきたのです。

もちろん情報は大切ですから、どこかから仕入れる必要があります。

私は新聞よりはるかに料金が高い情報を定期購読していますが、
別にそれをすすめるつもりは毛頭ありません。

あと、まったく性格の違う異なった思想の持ち主の複数のブログも
毎日読んでいます。

自分がカチンとくる情報網は、絶対に切り離しません。

それが今の自分にとって、一番大切な本質を含んでいることが
多いからです。

何から情報を得るのかなんて、手段に過ぎないのですから、
自分が馴染みやすいものでいいのです。

絶対の正解などないのです。

ニュースのダイジェストを30分も見ていれば、
新聞とまったく同じ情報が入ってきます。

ネットニュースであれば、
新聞よりも半日も速く情報をキャッチできますし、
いつでもどこでも便利でかさばりません。

あるいは、知識人のブログやメルマガは新聞と同じか、
むしろ速いくらいに情報提供していることもあります。

賢者と定期的に話をするのもいいでしょう。

いくらでも手段はあるのですから、
新聞を読まなければならないという強迫概念は不要です。

今まで自分が勉強不足だった人に限って、新聞デビューをすると、
さぞかし新聞を読むことが人生で最重要であるかのように
周囲に強要します。

見ていて滑稽(こっけい)でもありますが、
常識を疑ってみるというのは情報奴隷から脱皮するのには
絶対に必要だと思えます。

追伸.
なお、このブログすら疑ってみる価値がありますから、
新聞は欠かせないという結論に達しても
それはその人にとっては正解なのです。

...千田琢哉(2010年7月20日発行の次代創造館ブログより)

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