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【千田琢哉の頭脳】Vol.0499(2010年6月17日発行のブログより)

私の人生は遠回りで無駄だらけです。本当にいい歳こいて嫌になるほどです。後輩にも侮られているのがよくわかります。どうにかして要領よく仕事や人間関係をこなしていってスマートな人生を歩みたいです。いろんな本を読んだりセミナーを聴いて段取りや効率、タイムマネジメント、メンタルタフネスの勉強をしているのですが・・・

(島根県・会社員・Sさん・男性・41歳)

Sさんの勉強熱心なところは引き続き継続してください。

それを約束した上で以下述べていきます。

遠回りで無駄と思えることは、むしろやらなければならないことです。

絶対に経験しなければならないことです。

いかに遠回りの人生を送ったかが、その人の気づき力を高めます。

学生時代は模範解答にいち早くたどり着けることが優秀とされました。

でも、模範解答というのはすでに世の中で何億人といった人たちが
正解を知っているものばかりです。

たとえば、大学受験の数学で難問といわれるものが出されて、
解けた解けなかった、オレは優秀だ!と一喜一憂するのは
本来おかしな話です。

なぜなら、問題を解くどころかその問題を作った人がいるのです。

作った人はもちろんその問題を解くプロセスも踏まえた上で
何十倍、何百倍の知識と知恵を持って模範解答を作成しているわけです。

完全に完成された上に乗っかって答え合わせするのは義務教育で卒業です。

社会に出たら模範解答を作る側に1日でも早く回ったほうが勝ちです。

模範解答を探す側では永遠にうだつが上がりません。

では模範解答をつくる側、
何か新しいことを創り出す側に回るにはどうすればいいか。

遠回りの人生を送ることです。

無駄と馬鹿にされることをできるだけたくさんやることです。

なぜ、優等生がクリエイティブな仕事が苦手なのか。

簡単です。

最短距離を求め過ぎてきたからです。

でも最短距離を走るには、
既に誰かが見つけてくれた模範解答があるという前提なのです。

どの業界でも長い期間にわたって大成している人をよく観察していると
遠回り人生を送っていることに気づかされます。

日本の細菌学の父として有名な北里柴三郎先生は、
22歳で現在の東大医学部に入学して、30歳で卒業しています。

北里先生は1月生まれで早生まれですから、
今でいうと4年浪人した上に2年留年した感覚で6年遅れです。

医学部を2回卒業できてしまいます。

とてつもなく遠回りです。

遠回りしなければ、広さと深さが出てこないのです。

無駄に思われるようなことをしなければ、
偉大なことを成し遂げられないのです。

ビールでいえば、キレがあってコクがある状態にならないということです。

遠回りすると、いろんな人の気持ちがわかりますし、
感謝の心が芽生えてきます。

おまけに同じ事象を目にしても気づく力が何十倍、何百倍も身につきます。

どんどん無駄なこと、遠回りだと馬鹿にされることをやりましょう。

...千田琢哉(2010年6月17日発行の次代創造館ブログより)

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