【1%ノンフィクション】Vol.0611(2009年9月23日発行のブログより)
君は本屋の店員だった。
甲は学⽣時代毎⽇本屋に通った。
部活で遅くなっても明⽇試験で帰って勉強しなければならない⽇も。
それは店員の⼄をひと⽬⾒るためだった。
本が好きだったのではない。
⼄に会いに⾏くために本屋に通っていたのだ。
⼄はPUFFYの⼤貫亜美似だった。
わざわざレジに並ぶ時も⼄の列に並んだ。
いつも読みもしないカッコいい本を選んだ。
「次にお待ちのお客様こちらにどうぞ」
と⾔われても聞こえないふりをした。
⼄は冬になると、いつも軽い霜焼けでバンドエイドを薬指にしていた。
甲はこの書店に⾃分の本が並べられる⽇が来たとき、
⼄に「甲という有名作家の〇〇という本を探しているのですが」
と声をかけようと誓った。
19歳だった。
...千田琢哉(2009年9月23日発行の次代創造館ブログより)
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