【気づき】Vol.0844(2010年11月12日発行のブログより)
齋藤孝著『孤独のチカラ』。
2005年7⽉に出た明治大学教授の齋藤孝さんの本。
この本は齋藤孝さんが売れなかった頃の怨念が、たっぷり渦巻いている。
すばらしい。
浪人生活から最初に職を得る32歳までの暗黒の⼗数年から得たものが
綴られている。
成功者に共通しているのは、
たいてい10年くらいの間は孤独で悶え苦しんだような、
そんな期間があることだ。
孤独というのは、必ずしも見かけが独りぼっちだとは限らない。
自分が本来つるんでいたくもない連中と合わせながら、
単に群がっているだけの人でも孤独な人はたくさんいる。
そして、その孤独の期間はとても危険な期間でもある。
⼀つ間違えたら、犯罪者になったり自殺してしまうことも珍しくはない。
⼀歩間違ったら、犯罪者になってしまうくらいのエネルギーのある人が、
天才には多い。
まさに、負のエネルギーに転換してしまうか、
正のエネルギーに転換できたかの違いでしかない。
齋藤孝さんも相当にヤバかった時期があったのだ。
僕が感動したのは、
「どうして10年前の私に、いまのような仕事をさせてくれなかったのか」
というフレーズだ。
これは今なら痛いほどよくわかるような気がする。
10年前のほうが若くてエネルギッシュで旬だった、そんな気持ちだ。
でも、旬にできなかったという悔しさがその後、
続けることができるエネルギーになるわけだ。
なかなかチャンスを得ることができなかったということは、幸運なのだ。
簡単にチャンスを得ることができたということは、不幸なのだ。
チャンスを得ることができるまでの時間こそが、
その後の継続力に比例するからだ。
作家の中谷彰宏さんの『⼈は誰でも作家になれる』という本の中でも
僕が大好きなフレーズがある。
「私は、作家になっていなければ、精神的に落ち込んだあげく、
自殺をしていたでしょう」
「私は、作家になっていなければ、連続婦女暴行犯になって、
死刑になっていたでしょう」
まるで自分のことのようだったからだ。
僕の場合は、作家になれなくても自殺も連続婦女暴行犯にも、
ならないけれど・・・ピタリと⼀致する経験がある。
特に10代や20代は危険だ。
齋藤孝さんがかろうじて生きてこられたのは、
家族から無償の愛を注がれていたという、
確かな記憶があったからなんだね。
成功するためには、人生のある時期に孤独であることは必須。
でも、そのためには、
最低限の愛情をきちんと注がれていなくてはならない。
そういえば、僕も祖父母と両親、妹の6人家族で育った。
愛情に包まれていた。
これはとても幸運だった。
人生で最高の幸運だった。
追伸.
天国のおじいちゃん、おばあちゃんは元気ですか?
たとえ地獄でも大丈夫です(笑)
そのときは、僕もそこに寄ります。
では、100年後。
...千田琢哉(2010年11月12日発行の次代創造館ブログより)
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