【気づき】Vol.1084(2011年6月21日発行のブログより)
神曲。
本日のブログのタイトルはご存知のように、
イタリアの詩人ダンテ・アリギエーリによる代表作『神曲』のことだ。
物知り顔であの世とこの世の話をする人は多いけれど、
実はこの作品が原点となっている内容がほとんどだ。
生きたままあの世を彷徨う叙事詩。
あの世っていっても、
ざっくり地獄と煉獄と天国の3つ。
地獄は永遠に苦しみ続けなくちゃいけないんだって。
煉獄は魂を清めれば天国への道が残されている。
宗教によっては煉獄の存在を認められていないことも。
天国は愛情が溢れていて光輝く世界。
ダンテという人は、結局9歳で初恋した相手にずっと、
「好きだ」
ってひとことが言えなかったからこうした作品を⽣み出したんだ。
その⼥性の名前は、ベアトリーチェ。
思春期になったダンテは、
ベアトリーチェに会釈をされるだけでも金縛りにあったような、
命がけの恋に堕ちてしまう。
んでもって、男っていうのは意気地無しが多いもんだから、
ベアトリーチェに恋をしていることがバレないように、
他の女性にラブレターを送っちゃうんだ。
ベアトリーチェに嫉妬させて振り向かせたかったんだよ。
こんなことするから、結局関係が捻じれていって、
お互いが不本意な相手と結婚しちゃう。
何百年経っても古今東⻄⼈間というのは変わらないね(笑)
あ、キミは違うって?
失礼。
ダンテが第⼀志望のベアトリーチェに勇気を出して、
「好きだ」
って告白できていたらダンテの作品は生まれなかった。
結局⼀番女ざかりの24歳でベアトリーチェは病死してしまう。
異常なほどの美人が薄命ってのは本当のようだ。
ダンテとはひとことも言葉を交わすことなくね。
ダンテは後悔の連続の人生だ。
後悔ばかりしてクヨクヨし続けた人生だったんだ。
後悔してクヨクヨして弱⾍の人間にしか、偉大な詩人や作家にはなれない。
強靭で悩み事のない人は何も感じることができないから、
人の心を動かすことなんてできない。
いったい、どっちが幸せなのかわからないね。
没後、英雄扱いされている人は多いけれど、
生きている間はどうしようもなく⾝近な人たちに、
迷惑をかけていたり振り回していた人は多いと思うよ。
日本の作家もそうだよね。
生きている間に売れた人はまだいいけど、そうじゃない人は・・・
考えただけでゾッとするね。
完璧な人間なんてそうそういない。
そんなことも踏まえた上で名著を読んでみると、
今まで見えなかったものが見えてくるかも。
追伸.
この世の中のすべては、愛が動かしているってのは本当だろうね。
ブラックホールやホワイトホールといった、
宇宙の構造や135億年前のビッグバンなんてのも、
愛そのものだと思うよ。
...千田琢哉(2011年6月21日発行の次代創造館ブログより)
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