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【気づき】Vol.1013(2011年4月11日発行のブログより)

見抜く。

「私も本質を見抜けるようになりたい」

キミは言った。

果たして本質を見抜けるようになると、人は幸せになれるのだろうか。

幸せになれない。

そもそも本質を見抜いてやろうという姿勢では、
本質を見抜くことはできやしない。

見抜いてやろうという人に、心を開きたいと思う人はいないからだ。

見抜いてやろうという人は、永遠に本質に触れることはできない。

逆説的な表現になるが、見抜きたければ、
傲慢になって見抜こうとしないことだ。

ありのままを楽しむことだ。

先生面をしたり、上司面をしたり、
コンサルタント面をするとすぐに見抜きたくなってしまう。

でもそれは、本質から遠ざかっていることに気づきたい。

本質というのは、
どっぷりと現実を受容するところからがスタートラインだ。

最初から疑ってかかろうという人は、
⼀番騙されて詐欺に遭いやすいタイプだ。

詐欺師は疑いやすい人間の対応マニュアルを完璧に習得している。

疑いやすい人は、学校秀才タイプの⼆流のお利口さんに多い。

マークシートの間違い探しを洗脳されてきたからだ。

疑うためには中途半端に評論家ぶらなくてはならない。

利口ぶると盲点ができる。

よってどんどん本質から遠ざかるというわけだ。

ありのままを受容しようとすると、
自然の摂理に反することや⽭盾することが簡単に浮き彫りになる。

見抜く必要なんてどこにもなくて、宿便が剥がれ落ちるかのように、
ボロボロと嘘が勝手にこぼれ始めるのだ。

本質を見抜ける人は、
自分が見抜くのではなくて相手が勝手に踊ってくれるのだ。

粗探しではなくて、
良い部分を探そうと集中すると勝手に粗が目の前に平伏すのだ。

りんごを描くのではなくて、
りんごの周辺を描いているとりんごが浮き上がってくる。

彫刻も人の形を彫るのではなく、中から人を掘り出すイメージなのだ。

詐欺だけでなく、
DVやヒモに遭遇する女性の特性も相手を見抜こうとする女性だ。

見抜こう見抜こうとすればするほどに、
相手はそのとおりに演じるようになってくる。

「きっとこの人も借金を背負っているに違いない」

「きっとこの人もいつか目の前から消えるに違いない」

とイメージしていると、相手の男性はそのとおりになっていく。

何のことはない。

原因はすべて自分がつくっていたのだ。

見抜こうという姿勢は、 上から下に見下す行為だ。

いつからそんなに偉くなったのか。

見下された相手から仕返しされるのは当たり前の話。

真の犯⼈は自分だったのだ。

男女関係なく、見抜こうとする人は幸せになることができないのだ。

追伸.

たまには、気持ちよく騙されよう。

追伸の追伸.

今日で東⽇本⼤震災からちょうど1ヶ⽉。

震災後でまだたいへんなはずなのに、
複数の被災者の知人から連絡があった。

「千⽥のブログは他のブログと違って、
震災、震災と騒がなくて普段と変わらないのがいい」

「地獄絵図の中でなぜか⼀軒だけ開いて湯気がたっている、
天国のラーメン屋さんのようだ」

「⾷料や水と同じく、
言葉と音楽はサバイバルするのに欠かせないことがわかりました」

「これが私の30代の最高の挫折のようです。後は這い上がるだけです」

逆に励ましてもらって、ありがとう。

これからも淡々と行くね。

 ...千田琢哉(2011年4月11日発行の次代創造館ブログより)

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