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【千田琢哉の頭脳】Vol.0413(2010年3月23日発行のブログより)

最近ふと気付いたのですが、IT関連やバイオ技術など世界の最先端を行くような産業も確かに魅力的ではありますが、実際にそれらど真ん中で勝負できるのは1%もいないという事実です。たいていはそれらの周辺で知的に下請け企業として商売しているだけなのです。実際に世の中に貢献し、しかも儲かっており、税金をきちんと納めている企業はむしろ最先端業界のごく一部のエリート集団と昔ながらのモノづくり企業なのではないかと実感しています。いかがでしょうか?

(滋賀県・会社役員・Eさん・女性・34歳)

1つのヒントとして以前のブログで質の論理である富裕層ビジネスから
数の論理である貧困層ビジネスへ目を向けると
チャンスがあるかもしれないという話をしました。

これは世界的な規模の話をしています。

先進国ではなく発展途上の国に目を向けていくとチャンスが拡大されます。

みんな先進国と競い合って最先端の土俵で戦おうとしています。

もちろんそうした競争も世界の生成発展のためには不可欠です。

しかし多数の人たちがそれを真似する必要はまったくありません。

いくらがんばってもIT関連の世界を覆すような
パラダイムシフトというのは必ずしも日本人が向いているとは限りません。

世界の理数系の名門大学として知られている
MIT(マサチューセッツ工科大学)はまともに同一の筆記試験をしたら
大半がインド人になってしまう、と言われているくらいです。

オリンピックを見ていればわかるように、
向き不向きや役割というのは確実に存在するということです。

となると・・・

日本人が周囲から畏れられている才とは何でしょう。

やはり愚直なモノづくりだと思います。

コツコツと地道に牛歩の如く前進していく姿は
世界の国々から見たら脅威です。

間違ってもアメリカ人やイギリス人は真似できません。

つまり最先端の科学技術を追うことも大切ですが、
役割を果たすという意味においては20世紀に廃れたと思われた
重厚長大技術を発展途上国に向けてどんどん提供していくことが
大切になってきます。

何か新しいことを生みだすのではなくて、
すでにあるもので役に立っていけることも
忘れてはいけないということです。

これがあえて圧倒的多数と反対側に立ってものごとを考えてみる
ということです。

水道水はもちろんのこと、
水洗トイレなど夢のまた夢という国は多いですし、
鉄道が走っていない国もまだまだたくさんある
という事実を踏まえなければなりません。

世界で見れば日本が異常に安全で恵まれており便利なのであって、
あくまでも例外であることを受容しなければいけません。

行き詰まったら原点回帰をしなければならないとよく言われます。

しかし実際にはすでに与えられ過ぎているものを恩返ししていくという
作業こそが足元をしっかりさせることであり、原点に帰ることなのです。

抱え込む作業から手放していく作業へのシフトも
誰かがやらなければならないということです。

...千田琢哉(2010年3月23日発行の次代創造館ブログより)

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