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【千田琢哉の頭脳】Vol.0435(2010年4月14日発行のブログより)

いい失敗と悪い失敗ってあるのでしょうか?会社経営をしていて考えさせられるのは過半数のプロジェクトが収支で考えた場合に失敗で終わったことになります。ただここのところ業績不振に陥ってきて周囲の情報を収集したところ、伸びている会社とそうでない会社では確実に成功率が違うことに気づかされました。言い換えれば失敗率が低いのです。実際の数値で見るとその差に驚かされました。伸びている会社も失敗はしているのですが、そこからの吸収力が圧倒的に違うと思うのです。やはり同じ失敗をするのであれば多くを吸収していきたいです。

(栃木県・会社経営・Fさん・男性・39歳)

いい失敗と悪い失敗の区別は簡単です。

失敗の後に言い訳があるか否かです。

失敗から学ぶことはたくさんあるという言い方をする人がいます。

しかしそれは言い訳できないくらいにすべてやり切ったと
後から本心から言えることが必須です。

「あれもできた」

「こんなこともできた」

と後から振り返ってどんどんアイデアが出てくるかもしれませんが、
そうした会社や人はたいていたいしたことができていません。

なぜなら失敗することを前提で仕事をしていたという証拠だからです。

1回の失敗で学べることを10回失敗して学ばなければならないというのは愚かなことです。

最初から仕事を舐めていた証拠です。

挑戦した後に言い訳をしているのは準備不足だった証拠ですから
無意味です。

言い訳を飲み込んだ後に分析がやってきます。

「言い訳」と「分析」の違いは何でしょうか。

「言い訳」は努力不足によるもので「分析」というのは能力不足だったと
認めることからスタートすることです。

これはつらいことですがすごく大切なことです。

人は自分の能力不足を認めたときにはじめて成長できるのです。

「自分がかけっこで負けたのは体調が悪かったからだ」

「自分が受験で失敗したのは勉強しなかったからだ」

というのは過保護な家庭で育てられた子供に多く見られるいい訳です。

社会人になっても同じことを真顔で口にするマザコンが多いのです。

努力不足だったというのは言い訳です。

能力不足だったと言い切れるのが本当に努力した人なのです。

プロフェッショナルの世界では自分の能力が他と劣っているから
どうやって生き残っていくのか、抜きん出ていくのかを考えるわけです。

努力不足の発表会をしているのは
たいてい大企業の草食系サラリーマンです。

「自分がかけっこで負けたのは運動神経が悪かったからだ。
どうやってこれから勝てばいいのか。
あるいは運動で勝つことはあきらめようか」

「自分が受験で失敗したのは記憶力が人より明らかに劣っているからだ。
これからは何でもストーリー立てて理解していく工夫を凝らしてみようか」

という分析は自分の能力不足を認めたところから出発して
初めてアウトプットできるのです。

努力不足というのは語る価値すらない最低のことで悲しいことです。

能力不足というのは悲しいことではないのです。

次のステップに進むために必ず必要であり努力不足を語っている限り、
会社も人も未来はないのです。

...千田琢哉(2010年4月14日発行の次代創造館ブログより)

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