【気づき】Vol.0927(2011年1月23日発行のブログより)
面白い質問。
今年に入って最初の仕事で大阪の会社で研修をした。
120分の講義の後に30分間の質疑応答タイムを取った。
参加者の中で最年長者から面白い質問があった。
「千田さんは講演の準備にいったいどれくらい時間をかけるのですか?」
ちょうどお題は、「時間力」だった。
これに対する僕の回答が面白かったということで、
その後多くの参加者からメールで感想をいただいた。
面白い質問と面白い回答は常にセットだ。
新幹線の中の2時間30分はDVDを2本観賞していた。
レジュメはそれを見ながら走り書きしたものを持っていった。
DVDはいずれも講演とは何ら接点のない内容である。
そして、本番ではそのレジュメは見ない。
準備というのは、生まれてから今日までの集大成であって、
1ヶ⽉前から準備しても間に合わない。
これはプロフェッショナルの世界で直に叩きこまれたことだ。
プロフェッショナルは、すべて即興のアドリブでなくてはならない。
換言すれば、風呂に浸かっている間も、トイレに入っている間も、
アフタヌーンティーを楽しんでいる間も、すべてが準備なのだ。
レジュメに落書きしている内容を、最前列の聴講者が見ながら驚いている。
ビッシリ走り書きされているレジュメの内容について、
まったく触れないからだ。
それもそのはず。
レジュメには、
「これを話すのはやめよう」
という内容が書かれているのだから。
レジュメには話す内容ではなくて、
話さない「捨て」の内容を書いていくのだ。
話したい内容が100あって、 10話して1伝わる。
これが人間だ。
だから100から90をどのように削り取っていくのかが勝負だ。
100から90を削った上澄みの10を話すのと、
最初から10の準備をして10話すのとでは雲泥の差だ。
準備というのは、いかに増やすかではない。
いかに減らして⾝軽にするかが準備なのだ。
だからこそ、普段から気づいていく生き方が必要じゃないだろうか。
1週間前とか3日前に連日夜遅くまで準備しているのは、
見かけは偉いけれど、実際には偉くない。
サラリーマン社会では実によく見られる光景だ。
「お疲れさま」「たいへんだね」とねぎらわれる。
でもその本質は、普段ノホホンと生きているから、
その結果として直前に徹夜しなくてはならないだけなのだ。
生まれてから今日までの1分1秒を真剣勝負で生きている人が、
本当に手強い。
24時間365日30年間をすべて準備に充ててきた人が、
プロフェッショナルなのだ。
追伸.
だから、肩の力を抜いて淡々と準備していかないと、 100年続かない。
...千田琢哉(2011年1月23日発行の次代創造館ブログより)
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