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【千田琢哉の頭脳】Vol.0416(2010年3月26日発行のブログより)

優秀といわれる新卒を採用するようになって3年目です。確かに今までよりも飲み込みもよくて弁も立つ有能な人材が多くなりましたが不平不満も多くなりました。最初は「優秀な人材だから仕方ないな」と解釈していたのですが、「ちょっと違うかも?」と思えてきました。残業代や昇給、賞与などについてもなぜか感謝が感じられないのです。これって私の思い過ごしでしょうか。

(静岡県・会社経営・Hさん・男性・36歳)

人は感謝する以上のものを与え過ぎると必ずダメになります。

これは子どもを見ているとよくわかります。

子どもが「ありがたい」と思う以上のものを与え続ければ、
将来その子どもは必ず恩知らずに育ちます。

それどころか与えてもらって当然と思うようになりますから、
当然のものが与えられなかった場合には逆ギレします。

だから子どもを非行に走らせたり犯罪に手を染めさせるのは簡単で、
感謝する以上にどんどんものやお金を与え続ければいいのです。

これは会社の従業員も同じです。

月給25万円の人が翌年月給26万円になったら
次は27万になって当たり前と思うようになります。

25万円の人が翌年30万円になったら、
次は35万円になると考えるのです。

貢献度に関係なく、です。

悲しいですがそれが人間の未熟なところです。

でもこれは説明不足のリーダーの責任なのです。

きちんと正確に伝えることができなかったということに他なりません。

スタート時点できちんと説明して感謝をするようにしてあげなければ、
何よりも本人自身がこれからの人生を苦しむことになるのです。

ボーナスは賞与ですから、
本来もらえなくてもまったく不思議ではないものですが、
1年目からもらってしまうとこれから35年間もらい続けるのが
当たり前と勘違いしてしまいます。

でもこれは本当に単なる勘違いです。

会社に利益が出た場合に限り、その一部を貢献した人たちで分かち合おう、というものが賞与の意味です。

気づいたらボーナスの時期がやってきたから、
通帳に振り込まれているのが当たり前になっては
社員たちが不幸になるのです。

さすがに最近は減ったでしょうが、ボーナスをもらえる前提で
家のローンを組んでいる図々しいサラリーマンも少なくありません。

この人たちが子どもの教育をするわけですから、
当然子どもも感謝の心は芽生えることがありません。

学校でも会社でも「もらって当たり前」という
醜い生き物になってしまうのです。

もはや家庭に期待してはいけません。

採用した会社側がきちんと責任持って教育していくんだ、
という志が必要です。

昔、松下幸之助さんが言ったように、

「うちは電気製品とともに人間をつくる会社や」

ということなのです。

どう考えても感謝する心が欠けてきています。

感謝する心というのは「ありがとう」を忘れないということでもあります。

「ありがとう」と口で言ってそれを持続させなければ感謝とはいいません。

だから「ありがとう」の記憶力が感謝です。

「ありがとう」の記憶力が弱い会社は魅力も少なく、
「ありがとう」の記憶力が強い会社はとても魅力的だといえます。

「ありがとう」はスピードと具体的アクションでしか表現できないのです。

口先で「ありがとう」と言っておきながら、
もたもたしていてなかなかアクションを起こさない人は感謝していません。

...千田琢哉(2010年3月26日発行の次代創造館ブログより)

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