【千田琢哉の頭脳】Vol.0379(2010年2月17日発行のブログより)
私が働いている業界では激しいシェア争いが繰り広げられており、1位争奪戦でしのぎを削っています。私個人としてはもちろん1位を狙うに越したことはないですが、あまりにも多くの犠牲を払い過ぎるような気がして、それだったらオンリー・ワン路線をのんびり生きるのも1つの選択かな、とふと頭をよぎることがあります。1位と2位の違い、1位の価値といったものについてどのように考えますか。
(東京都・会社役員・Tさん・男性・57歳)
ぜひ一度触れてみたいと思っていたテーマです。
1位と2位の違いというのはもうプレッシャーが圧倒的に違います。
もちろん1位と2位は2位と1億位の差よりも遥かに大きいです。
これにはもう、議論の余地はありません。
2位だと1位を
「追いつき追い越せ」
とがんばっていれば済むのですが、1位は2位以下に追われる立場です。
追いかけるほうと追いかけられるほうでは
精神的なしんどさが1億倍違うのです。
それだけでなく、自分自身の記録に打ち勝つために
日々生きていかなければならないのです。
そういった意味で1位と2位では住んでいる世界がまったく違うのです。
2位が1位の足を引っ張ったり真似をして業績の差を縮めるのは簡単です。
これは政治でも同じです。
万年野党だった政党が与党になってみると
野次を飛ばしているだけの存在とは打って変わって、
プレッシャーが半端ではありません。
うまくやって当たり前、しくじったらボロクソ言われる、
これが1位と2位の決定的な違いです。
実力以上にこうした担っているものの重さが桁違いであるということだけですでに敬意が払われるに十分値するのです。
仮に2位が1位を抜いたとしても
その時点においてはまだ本当の実力ではないのです。
1位の風よけになっていた長い時間、
1位のおかげで力を蓄えさせてもらっただけなのであり、
1位に対して感謝することはあっても
傲慢になる必要はいっさいありません。
万年2位が実績だったのが最大瞬間風速で1位になっても
それは嘘の1位であって、本当の1位になるのは
その業界全体のことを本心で考えていく度量を担ってからです。
でなければもう一度1位と交代するか
3位以下と交代しなければならなくなるのです。
業績は単にきっかけであって業界に与えるインパクトこそが
真のリーディングカンパニーに備えられなければならない素養なのです。
換言すれば2位の段階ですでに業界そのものの市場のことを考えていれば、いずれ首位に立った時に本当の1位の座につくまでの期間を
最小限に短縮できるのです。
1位のしんどさがわかるようになって
はじめて1位を獲得するためのスタートラインなのです。
この世に生まれてきたからには、ぜひ1位を獲得したいですね。
1位を獲得すると他業界の1位、他分野の1位からの情報が
一気に集中して集まるようになり、その上友だちもできるようになります。
それがより一層1位を1位にするのです。
追伸.弱者の段階においてはオンリー・ワンを目指すのもいいですが、
1点突破したらやはり今度は本物の勝者であるナンバー・ワンを
目指したいものです。
...千田琢哉(2010年2月17日発行の次代創造館ブログより)
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