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【千田琢哉の頭脳】Vol.0077(2009年4月21日発行のブログより)from次代創造館秘書室

最近、既存客向けにイベントやセミナー、相談会を定期的に行っていますが、かなりの集客ができても肝心なお金になりません。以前は一回のイベントで10人~30人程度だったのが、現在100名前後集まるようになったにもかかわらず、以前より契約率や紹介率が落ち込んでいます。集客をがんばれば売上に比例すると思ったのですが…ビジネス書ベストセラーにもよくそうやって書いてありますし。

(長野県・保険代理店経営・Yさん・男性・49歳)

よく陥りがちなパターンですね。

ただ、集客ができているということは、
非常にビジネスセンスがあるわけですから、ハイレベルだといえます。

保険代理店を営まれているとのことですが、
実際にイベントがビジネスに本当の意味で雪だるま式に継続的に
直結するのは、最低でも1年、普通は2年以上かかります。

イベントそのものを目的化してはなりません。

肩の力を抜いて(手抜きするという意ではない)、
自分たちも楽しく企画して、当日が待ち遠しくなるようなものでなければ、続けられません。

1年以上といった理由は、

1.1年に3回実施するとしても、顧客に一巡するのに最低1年はかかる

2.顧客が保険を必要とするのは、1年に1回あるか否か

といったことからです。

実施している本人たちにとっては、イベントというのは大変であり、
その日のために1か月前、それ以上前から準備に大忙しだった
わけですが、参加者にとってみたら、わざわざ忙しい中来てあげた、
あるいは、たまたま興味があったからのぞいてみた、
という程度であり、イベントが終了したら、その翌日にはすっかり忘れて
また別の人生が始まります。

もちろん、完璧に忘れ去ってしまうわけではありませんが、
印象は日に日に薄れていきます。

大切なことは、イベントもビジネスも継続性です。

寿命の短いイベントやビジネスの共通点は、一気にすごい数が参加して、
間もなく熱が冷めてしまう…というものです。

Yさんの会社がそうならなければよいのですが、
仮に10人しか集まらなくても、
もっといえば、仮に1人しか集まらなくても、
その人をメロメロにするほど喜ばせて感動させます。

ホームページに写真を貼り付けるときには、
たった1人のその参加者の最高の笑顔ショットを掲載します。

たった1人しか参加してくれなくても、
その人を最高に喜ばせることによって、知らない人が見たら、
えらい盛り上がりようだな、次回は自分も行こう!と
思えることが大切です。

過去に私が主催したイベントで参加者2人、というものがありました。

実際に驚くべき著名人でもそうしたディナーショーや講演会を
若い頃経験されているのは本を読んで知っていましたから、
これは自分も将来ビッグになったときに本に書けるネタができたと思い、
もう、ヒーローになった気分でうれしくてうれしくて鳥肌が立ちました。

本当に一流の人は、集客が少なくても中止にはしません。

私は、結果として2人のうち1人とは未だにお付き合いがあります。

参加者が少ないイベントは、チャンスなのです。

この発想が、持続性のあるイベントやビジネスなのです。

集客が何人だったとか、アクセス数がどれだけ増えたか、
といったことを気にしてばかりいる人は、
典型的なダメビジネスパーソンです。

要は、イベントというのは単なるきっかけに過ぎず、
そこからどのようにビジネスを拡げていけたのか、がすべてです。

たくさん集客できるに越したことはありませんが、
それ自体に意味はありません。

私自身、600人集まったセミナーで当日運営で一杯いっぱいになって
何も受注できなかったこともあれば、わずか9人の参加者のセミナーで
3000万円のコンサルティングを受注したこともあります。

むしろ、集客と受注額は反比例していたと思えたくらいでした。

手段と目的を逆転せず、目の前の人に全エネルギーを注ぐといった
ビジネスの本質をずらさなければ、流れは変わります。

Yさんほどの努力家が1年、2年かけて
ようやく出すことができるのですから、一般の人がようやく成果が出てから真似をしても、我慢できず、たいていは挫折します。

ぜひ、努力の方向性を間違えずに継続していただきたいと思います。

最後に勝ち残る人は、最初は必ず失敗します。

...千田琢哉(2009年4月21日発行の次代創造館のブログより)

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