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【千田琢哉の頭脳】Vol.0282(2009年11月12日発行のブログより)

最近、業種問わずに1番乗り企業が2番乗り3番乗り企業に次々に追い越されていく下剋上時代になりましたね。少し前まではビジネスではスピードこそが命である、という発言に誰もが反論できずにいましたが。2番乗り3番乗りでトップになっている企業っていったい何が違うのでしょうか?

(長野県・会社経営・Yさん・男性・47歳)

スピードは大切です。

しかしスピードだけで勝てる時代は終わりました。

スピードだけで勝てた時代は情報格差で勝てた時代であり、
周囲がまだ寝ぼけているようなレベルの低い状態でしか通用しません。

能力は低いけれどもやる気だけはある、という人には有利だったのですが、残念ながらそうした時代は終わりました。

たとえばスタートラインですでにyahooとgoogleは違っていました。

yahooはyahoo内の中で検索できるようになっていたのに対して、
googleは世界中のサイトからベストと思われるものを検索しようと
試みてくれていました。

これが未来を創るということです。

どちらが先にビジネスに手を出したかではなくて、
目指していたものの違いなのです。

だからどちらが上でどちらが下というのではなく、
ありのままの姿に決着がつくようになっています。

検索だけではなくて事務所や社員のDNAすべてに至って
そうした哲学が刷り込まれていますから、真似なんてできません。

いつの時代も水は高きから低きに流れ、大は小を兼ねます。

そう考えてみると、とっくに高級外車が買えてしまう位に
お金を注ぎ込んだ私がお世話になっている航空会社にしても、
マイレージクラブの考え方をそろそろ転換してもいい頃です。

お客様を囲い込むという発想ではなくて、
どの航空会社のマイレージも使えますよ、
という会社が出現すれば、航空業界全体が活性化するとともに
最初に壮大な夢を描いた会社が真の業界トップになるでしょう。

売上や従業員数ではなくて、顧客からの尊敬の度合いトップになるのが
21世紀型のトップです。

どの会社も似たようなことばかりやっている業界は
業界全体で沈没していくことになります。

ミニトヨタは必要ありません。

ミニ電通は必要ありません。

ミニ東京は必要ありません。

ミニを目指してはいけないのです。

よく公認会計士や税理士と話をすると大企業になる会社は
零細企業の頃からすでに大企業の考え方でした、と口をそろえて言います。

それはそうです。

よくも悪くも思考の結果が形になっているのであり、
小手先の一時しのぎの戦術の差ではないのです。

一般の人たちはこれを器の違いだといいます。

しかし器の違いは生まれつき決まっていますから、
みんながみんな、フェラーリやロールスロイスを目指す必要はありません。

大きな器が小さくなってしまうことは頻繁にあっても、
小さな器が大きくなることは滅多にない
のです。

これは世の中の多くの人たちが大きな器のほうが
小さな器より優れているはずだ、という誤った偏見を持っているから
嘘を嘘で塗り固めなければならなくなるわけです。

現実問題としてみんながみんなフェラーリやロールスロイスになるために
生まれてきたわけではありません。

フェラーリやロールスロイスに憧れている人は間違っても
その器ではないことを自分自身がよくわかっているからこそ
切望するのです。

人によっては軽自動車や原動機付自転車の器の人もたくさんいますから、
無理にフェラーリやロールスロイスを目指すと実力が伴わないのに
プライドばかりが高くなってしまいます。

ギャップに悩んだ挙句に犯罪を犯しかねません。

思考は現実化するといわれます。

確かにこれは正しいです。

しかし大切な但し書きを忘れています。

無理に作ったでっちあげの思考ではなくて
自身の一点の曇りのない本音レベルの思考が実現する
のです。

軽自動車や原動機付自転車もそれぞれ役割があるのですから必ず輝けます。

軽自動車は非常に便利ですし、
原動機付自転車も場所によってはなくてはならない必需品です。

フェラーリやロールスロイスが邪魔になる人もたくさんいるのです。

だからまずは自分や自社が軽自動車であり
原動機付自転車であることを受容することです。

「自分はどうだろう?」

と思った人は100%原動機付自転車です。

すべてはそこからがスタートです。

エセ・フェラーリよりも輝いている原動付自転車のほうが
世の中になくてはならない存在なのです。

21世紀型というのはそういうことです。

...千田琢哉(2009年11月12日発行の次代創造館ブログより)

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